
宮崎県感染症発生動向調査2012年第23号
第14巻第23号[宮崎県第23週(6/4〜6/10)全国第22週(5/28〜6/3)]
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所
宮崎県第23週の発生動向
定点医療機関からの報告総数は894人(定点あたり26.1)で、前週比95%と横ばいであった。
インフルエンザ・小児科定点からの報告
前週に比べ増加した主な疾患は咽頭結膜熱とヘルパンギーナで、減少した主な疾患は感染性胃腸炎であった。
【咽頭結膜熱】
- 報告数は43人(1.2)で前週比195%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(0.69)の約1.7倍である。日南(9.0)保健所からの報告が多く、年齢別では1歳から4歳で全体の約7割を占めた。
【ヘルパンギーナ】
- 報告数は87人(2.4)で前週比134%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(2.7)の約9割である。中央(10.0)、延岡(6.3)保健所からの報告が多く、年齢別では1歳から3歳で全体の約8割を占めた。
基幹定点からの報告
- マイコプラズマ肺炎
延岡(1人)保健所から報告された。患者は4歳で、病原体はMycoplasma pneumoniae。
流行警報開始基準値超過疾患
全数把握対象疾患
- 1類感染症
報告なし。
- 2類感染症
結核9例。
- 3類感染症
報告なし。
- 4類感染症
日本紅斑熱1例。
- 5類感染症
報告なし。

全数把握対象疾患累積報告数(2012年第1週〜23週)

( )内は今週届出分、再掲
全国第22週の発生動向
定点医療機関あたりの患者報告総数は17.8で、前週比101%と横ばいであった。今週増加した主な疾患はヘルパンギーナと流行性耳下腺炎で、減少した主な疾患はインフルエンザであった。
ヘルパンギーナの報告数は1,135人(0.36)で、前週比164%と増加した。宮崎県(1.8)、三重県(1.5)、佐賀県(1.4)からの報告が多く、年齢別では1歳から4歳が全体の約8割を占めた。
流行性耳下腺炎の報告数は1,616人(0.51)で、前週比124%と増加した。岩手県(1.9)、大分県(1.7)、山梨県(1.3)からの報告が多く、年齢別では3歳から6歳で全体の約6割を占めた。
全数把握対象疾患(第22週)
月報告対象疾患の発生動向 <5月>
性感染症
【宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は47人(3.6)で、前月比131%と増加した。また、昨年5月(3.3)の約1.1倍であった。
《疾患別》
- 性器クラミジア感染症
報告数28人(2.2)で、前月及び前年の約1.2倍であった。都城(4.0)、延岡(3.5)保健所からの報告が多く、男性・女性それぞれ14人で、20歳代が全体の約半数、30歳代が約2割を占めた。
- 性器ヘルペスウイルス感染症
報告数9人(0.69)で、前月の約1.8倍、前年と同程度であった。男性1人、女性8人で、20歳代・30歳代がそれぞれ全体の約3割であった。
- 尖圭コンジローマ
報告数3人(0.23)で、前月と同程度、前年の3倍であった。すべて男性で、30歳代が2人、60歳代が1人であった。
- 淋菌感染症
報告数7人(0.54)で、前月の約1.8倍、前年の約8割であった。男性5人、女性2人で、30歳代・60歳代がそれぞれ全体の約3割であった。

【全国】定点医療機関総数:971
定点医療機関からの報告総数は4,118人(4.3)で、前月比117%と増加した。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症2,143人(2.2)で前月比120%、性器ヘルペスウイルス感染症764人(0.79)で前月比113%、尖圭コンジローマ483人(0.50)で前月比128%、淋菌感染症728人(0.75)で前月比109%であった。
薬剤耐性菌
【宮崎県】 定点医療機関総数:7
定点医療機関からの報告総数は28人(4.0)で前月比88%と減少した。また、昨年5月(5.4)の約7割であった。
《疾患別》
- メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
報告数24人(3.4)で、前月及び前年の約8割であった。70歳以上が全体の約7割、60歳代が約2割を占めた。
- ペニシリン耐性肺炎球菌感染症
報告数2人(0.29)で、前月と同程度、前年の約2割であった。1〜4歳と70歳以上の報告であった。
- 薬剤耐性緑膿菌感染症
報告数2人(0.29)で前月の2倍であった(前年同月は報告なし)。60歳代と70歳以上の報告であった。
- 薬剤耐性アシネトバクター感染症
報告はなかった。
【全国】 定点医療機関総数:465
定点医療機関からの報告総数は2,133人(4.6)で、前月比105%と増加した。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,791人(3.9)で前月比106%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症305人(0.66)で前月比94%、薬剤耐性緑膿菌感染症36人(0.08)で前月比133%、薬剤耐性アシネトバクター感染症1人であった。
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