
宮崎県感染症発生動向調査2012年第24号
第14巻第24号[宮崎県第24週(6/11〜6/17)全国第23週(6/4〜6/10)]
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所
宮崎県第24週の発生動向
定点医療機関からの報告総数は805人(定点あたり23.0)で、前週比88%と減少した。
インフルエンザ・小児科定点からの報告
前週に比べ増加した主な疾患はへルパンギーナで、減少した主な疾患はインフルエンザと感染性胃腸炎であった。
【ヘルパンギーナ】
- 報告数は149人(4.1)で前週比171%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(3.3)の約1.2倍である。延岡(17.3)保健所からの報告が多く、年齢別では1歳から4歳で全体の約9割を占めた。
基幹定点からの報告
- マイコプラズマ肺炎
日南(1人)保健所から報告された。患者は20歳代で、病原体はMycoplasma pneumoniae。
流行警報開始基準値超過疾患
全数把握対象疾患
- 1類感染症
報告なし。
- 2類感染症
結核6例。
- 3類感染症
腸管出血性大腸菌感染症1例。
- 4類感染症
報告なし。
- 5類感染症
報告なし。

全数把握対象疾患累積報告数(2012年第1週〜24週)

( )内は今週届出分、再掲
病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 平成24年6月19日までに検出)
ウイルス

- 嘔吐下痢症の小児からサポウイルスが検出された。
サポウイルスは嘔気、嘔吐、下痢が主症状であるが、腹痛、頭痛、発熱、悪寒、筋痛、咽頭痛などを伴うこともある。
本県では2009年にも胃腸炎を伴った小児から検出されている。
細菌

- 無症状保菌者の家族3名からO157:H7(VT2)、O26:H11(VT1)がそれぞれ分離されている。
このうち1名はO157およびO26の両方を保菌していた。
感染症法における腸管出血性大腸菌の届出基準は菌の分離・同定による病原体の検出が必須であるが、すべてを釣菌し、病原因子と血清型を調べるのは困難である。
このため、異なる血清型の腸管出血性大腸菌を検出するには、選択分離培地における糖分解性の違いやVT保有率など各血清型の特徴を把握しておくことが重要となる。
全国第23週の発生動向
定点医療機関あたりの患者報告総数は16.7で、前週比94%と減少した。今週増加した主な疾患はヘルパンギーナで、減少した主な疾患はインフルエンザと感染性胃腸炎であった。
ヘルパンギーナの報告数は1,705人(0.54)で、前週比150%と増加した。三重県(3.3)、宮崎県(2.4)、熊本県(1.9)からの報告が多く、年齢別では1歳から4歳が全体の約8割を占めた。
全数把握対象疾患(第23週)
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