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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2013年第10号

第15巻第10号[宮崎県第10週(3/4〜3/10)全国第9週(2/25〜3/3)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県平成25年第10週の発生動向

定点医療機関からの報告総数は1,862人(定点あたり44.3)で、前週比93%と減少した。
前週に比べ増加した主な疾患は水痘で、減少した主な疾患はインフルエンザであった。
インフルエンザ・小児科定点からの報告

【水痘】

  • 報告数は137人(3.81)で前週比110%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(3.9)と同程度である。日南(11.7)保健所からの報告が多く、年齢別では1歳から4歳が全体の約7割を占めた。

【インフルエンザ】

  • 報告数は925人(15.7)で前週比83%と減少した。例年同時期の定点あたり平均値(12.9)の約1.2倍である。小林(27.8)、中央(20.0)保健所からの報告が多く、年齢別では5歳以下が全体の32%、6〜9歳が23%、10〜14歳が20%、15〜19歳が3%、20歳代から50歳代が18%、60歳以上が4%を占めた。

基幹定点からの報告
  • 細菌性髄膜炎:宮崎市(1人)保健所から報告された。患者は6歳で、原因病原体は不明。
  • マイコプラズマ肺炎:延岡(1人)保健所から報告された。患者は4歳であった。
流行警報レベル開始基準値超過疾患

全数把握対象疾患

  • 1類感染症
    報告なし。
  • 2類感染症
    結核3例。
  • 3類感染症
    報告なし。
  • 4類感染症
    報告なし。
  • 5類感染症
    アメーバ赤痢1例、劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例。

全数把握対象疾患累積報告数(2013年第1週〜10週)

( )内は今週届出分、再掲

病原体情報(衛生環境研究所微生物部 平成25年3月10日までに検出)

細菌

  • 中央保健所管内で2事例8名から腸管出血性大腸菌(EHEC)が分離された。このうち1事例は同一事例内においてO111:HUT、O115:H10、OUT:H21のEHECが分離された。EHECの検査では、しばしば同一事例内において複数の血清型のEHECが分離されることから、検査に際しては注意深い観察が必要となる。また、EHEC感染症は小児〜小学校低学年で発症率が高いが、感染初期はカゼ様症状で次第に下痢、腹痛をきたし、血便になって初めて医療機関を受診する場合も多く、家庭内での感染拡大には注意が必要である。
ウイルス(サーベイランス)

  • インフルエンザと診断された小児3名からインフルエンザAH3型が検出された。
  • ウイルス感染症と診断された乳児2名からエコーウイルス18型が分離された。
ノロウイルス検出情報

検出なし。(検査依頼なし)

全国第9週の発生動向

定点医療機関あたりの患者報告総数は27.9で、前週比97%と横ばいであった。今週増加した主な疾患は感染性胃腸炎で、減少した主な疾患はインフルエンザと水痘であった。

感染性胃腸炎の報告数は30,265人(9.6)で、前週比109%と増加した。熊本県(16.8)、宮崎県(16.2)、福井県(15.3)からの報告が多く、年齢別では1歳から4歳が全体の約4割を占めた。

インフルエンザの報告数は60,609人(12.3)で、前週比88%と減少した。愛知県(27.2)、高知県(25.2)、広島県(24.9)からの報告が多く、年齢別では5歳以下が28%、6〜9歳が23%、10〜14歳が17%、15〜19歳が4%、20歳代から50歳代が21%、60歳以上が7%を占めた。

全数把握対象疾患(全国第9週)

  • 風しん:東京都(84例)、神奈川県(28例)、千葉県(18例)からの報告が多い。

月報告対象疾患の発生動向 <2月>

性感染症

【宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は32人(2.5)で、前月比110%と増加した。また、昨年2月(2.3)の約1.1倍であった。

《疾患別》

  • 性器クラミジア感染症
    報告数14人(1.1)で、前月の約8割、前年の約7割であった。20歳代が全体の約半数、30歳代が約4割を占めた。
  • 性器ヘルペスウイルス感染症
    報告数9人(0.69)で、前月の約2.3倍、前年の約1.5倍であった。20歳代・30歳代がぞれぞれ全体の約3割を占めた。
  • 尖圭コンジローマ
    報告数2人(0.15)で、前月及び前年の約2倍であった。20歳代と30歳代であった。
  • 淋菌感染症
    報告数7人(0.54)で、前月の約1.2倍、前年の約1.8倍であった。20歳代が全体の約6割を占めた。


【全国】定点医療機関総数:965
定点医療機関からの報告総数は3,676人(3.8)で、前月比93%と減少した。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症1,848人(1.9)で前月比92%、性器ヘルペスウイルス感染症673人(0.70)で前月比97%、尖圭コンジローマ428人(0.44)で前月比90%、淋菌感染症727人(0.75)で前月比94%であった。

薬剤耐性菌

【宮崎県】 定点医療機関総数:7
定点医療機関からの報告総数は51人(7.3)で前月比100%であった。また、昨年2月(3.0)の約2.4倍であった。

《疾患別》

  • メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
    報告数49人(7.0)で、前月と同程度、前年の約2.7倍であった。70歳以上が全体の約7割を占めた。
  • ペニシリン耐性肺炎球菌感染症
    報告数2人(0.29)で、前月の2倍、前年の約7割であった。70歳以上の報告であった。
  • 薬剤耐性緑膿菌感染症
    報告はなかった。
  • 薬剤耐性アシネトバクター感染症
    報告はなかった。

【全国】 定点医療機関総数:465
定点医療機関からの報告総数は1,803人(3.9)で、前月比86%と減少した。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,566人(3.4)で前月比87%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症214人(0.46)で前月比82%、薬剤耐性緑膿菌感染症23人(0.05)で前月比100%、薬剤耐性アシネトバクター感染症の報告はなかった。

インフルエンザ情報《県内第10週、全国第9週(再掲)》

県内10週インフルエンザ発生動向
平成25年3月4日〜3月10日までの1週間で925人(定点あたり15.7)の報告があり、前週の約8割に減少した(図1)。例年同時期の定点あたり平均値(12.9)の約1.2倍である。保健所別報告数を(図2)、年齢群別患者発生割合を(図3)に示す。

全国第9週インフルエンザ発生動向
平成25年2月25日〜3月3日までの1週間で60,609人(12.3)の報告があり、前週比88%と減少した。愛知県(27.2)、高知県(25.2)、広島県(24.9)からの報告が多く、年齢別では5歳以下が28%、6〜9歳が23%、10〜14歳が17%、15〜19歳が4%、20歳代から50歳代が21%、60歳以上が7%を占めた。

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