
宮崎県感染症発生動向調査2013年第18号
第15巻第18号[宮崎県第18週(4/29〜5/5)全国第17週(4/22〜4/28)]
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所
宮崎県平成25年第18週の発生動向
風しん(全数把握対象)の報告が2例あり、18週までの累積報告数が13例となった。今週の2例は宮崎市保健所からの報告で、どちらも30歳代であった。ワクチン接種歴はともに不明であった。
定点医療機関からの報告総数は860人(定点あたり20.7)で、前週比76%と減少した。(連休で通常より休診が多かった影響もある。)
前週に比べ特に増加した疾患はなかった。減少した主な疾患は感染性胃腸炎であった。


インフルエンザ・小児科定点からの報告
【インフルエンザ】
- 報告数は387人(6.6)で前週比88%と減少した。例年同時期の定点あたり平均値(3.5)の約1.9倍である。高千穂(33.5)、延岡(19.1)保健所からの報告が多く、年齢別では5歳以下が全体の22%、6-9歳が29%、10-14歳が26%、15-19歳が10%、20歳代から50歳代が12%、60歳以上が1%であった。

流行警報レベル開始基準値超過疾患
全数把握対象疾患
- 1類感染症
報告なし。
- 2類感染症
結核2例。
- 3類感染症
報告なし。
- 4類感染症
報告なし。
- 5類感染症
ウイルス性肝炎1例、風しん2例。

全数把握対象疾患累積報告数(2013年第1週〜18週)

( )内は今週届出分、再掲
病原体情報(衛生環境研究所微生物部 平成25年5月7日までに検出)
細菌

- 肺炎、発熱、咳嗽、呼吸困難を呈した80歳代の女性から、Legionella pneumophila SG1が分離された。レジオネラ症発生時における感染源の解明のためには、臨床検体から菌を分離し、患者周辺の環境から分離された菌株と遺伝子型別にする必要がある。そのため、尿中抗原による診断に加え、菌を分離することが重要である。
また、レジオネラ尿中抗原はL.pneumophila SG1以外のレジオネラ菌に関しては検出感度が低いため陰性になることが多く、注意が必要である。
ウイルス(サーベイランス)

- 麻疹と診断された成人女性からアデノウイルス1型が分離された。
- 急性肺炎と診断された乳児からライノウイルスが検出された。
- 風疹・麻疹疑いの成人男性から風疹ウイルスが検出された。患者数は全国的に増加しており、当所においても今年8例目の検出である。
全国第17週の発生動向
定点医療機関あたりの患者報告総数は18.4で、前週比108%と増加した。今週増加した主な疾患は水痘と咽頭結膜熱で、大きく減少した疾患はなかった。
水痘の報告数は3,561人(1.1)で、前週比113%と増加した。福井県(2.9)、宮崎県(2.8)、愛媛県・沖縄県(2.4)からの報告が多く、年齢別では1歳から4歳が全体の約7割を占めた。
咽頭結膜熱の報告数は1,265人(0.4)で、前週比114%と増加した。佐賀県(1.2)、鹿児島県(1.1)、宮崎県(1.0)からの報告が多く、年齢別では6ヶ月から4歳が全体の約8割を占めた。
全数把握対象疾患(全国第17週)

- 風しん:大阪府(135例)、東京都(124例)、神奈川県(61例)からの報告が多い。九州では鹿児島県(19例)からの報告が多い。
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