
宮崎県感染症発生動向調査2013年第40号
第15巻第40号[宮崎県第40週(9/30〜10/6)全国第39週(9/23〜9/29)]
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所
宮崎県平成25年第40週の発生動向
定点医療機関からの報告総数は666人(定点あたり22.6)で、前週比117%と増加した。
前週に比べ増加した主な疾患は感染性胃腸炎で、減少した主な疾患はヘルパンギーナであった。
インフルエンザ・小児科定点からの報告
【感染性胃腸炎】
- 報告数は270人(7.5)で前週比122%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値*(5.0)の約1.5倍である。小林(13.7)、延岡(13.3)保健所からの報告が多く、年齢別では6ヶ月から3歳が全体の約6割を占めた。

【RSウイルス感染症】

基礎幹定点からの報告
- 無菌性髄膜炎:都城保健所管内からの報告で、患者は月齢7ヶ月であった。病原体は不明。
流行警報レベル開始基準値超過疾患
全数把握対象疾患(40週までに届出のあったもの)
- 1類感染症
報告なし。
- 2類感染症
結核5例。
- 3類感染症
腸管出血性大腸菌感染症1例。
- 4類感染症
レプトスピラ症1例。
- 5類感染症
アメーバ赤痢2例。

全数把握対象疾患累積報告数(2013年第1週〜40週)

( )内は今週届出分、再掲
病原体情報(衛生環境研究所 微生物部 2013年10月6日までに検出)
ウイルス
細菌

- 宮崎市保健所管内の保育園で腸管出血性大腸菌(EHEC)感染症が発生した。検査の結果、EHECはO26:H11,VT1(24株)とO103:H2,VT1(18株)が分離され、一検体から片方もしくは両方が分離されたことから、保育園内での混合感染が示唆された。今回の事例で分離されたEHECのPFGEパターンを比較したところ、血清型ごとにほぼ同一のパターンを示したことにより、同一クローンのEHEC;O26:H11,VT1とO103:H2,VT1による感染であると考えられた。
- 10歳代男児の糞便からYersinia enterocoliticaとエンテロトキシン産生性黄色ブドウ球菌が分離された。Y. enterocoliticaは腸内細菌科に属するが、Y.pseudotuberculosisと同様、臨床症状が多岐にわたっており、非典型例では注意が必要である。なお、菌の分離は比較的容易であるが、他の腸内細菌科菌群に比べ発育が遅いことから、夾雑菌が多い場合はYersinia属菌がアルカリに耐性であることを利用した検体のアルカリ処理などが有効である。
全国第39週の発生動向
定点医療機関あたりの患者報告総数は9.1で、前週比84%と減少した。今週大きく増加した疾患はなかった。減少した主な疾患は手足口病であった。
RSウイルス感染症の報告数は2,962人(0.94)で前週比87%と減少した。熊本県・宮崎県(各2.5)、新潟県(2.4)、山口県(2.0)からの報告が多く、年齢別では2歳以下が全体の約9割を占めた。
全数把握対象疾患(全国第39週)
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