
宮崎県感染症発生動向調査2014年第10号
第16巻第10号[宮崎県第10週(3/3〜3/9)全国第9週(2/24〜3/2)]
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所
宮崎県平成26年第10週の発生動向
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)(全数把握対象)の報告が日南保健所から1例あった。県内での報告は11例目となった。発症は2月下旬。60歳代女性、ダニの刺し口は確認できず、海外渡航歴もなかった。
定点医療機関からの報告総数は2,296人(定点あたり49.3)で、前週比78%と減少した。前週に比べ増加した主な疾患は水痘で、減少した主な疾患はインフルエンザとRSウイルス感染症であった。
インフルエンザ・小児科定点からの報告
【インフルエンザ】
- 報告数は1,478人(25.1)で前週比65%と減少した。例年同時期の定点あたり平均値*(12.3)の約2倍である。小林(43.2)、都城(33.7)保健所からの報告が多く、年齢別では5歳以下が全体の28%、6〜9歳が32%、10〜14歳が21%、15〜19歳が3%、20歳代〜50歳代が13%、60歳以上が3%を占めた。
* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値

【水痘】
- 報告数は77人(2.1)で前週比110%と増加したが、例年同時期の定点あたり平均値*(4.0)の約半数である。日南(7.3)保健所からの報告が多く、年齢別では1歳から4歳が全体の約8割を占めた。

【感染性胃腸炎】
- 報告数は523人(14.5)で前週比101%と横ばいであった。例年同時期の定点あたり平均値*(14.8)と同程度である。小林(46.0)保健所からの報告が多く、年齢別では1歳から5歳が全体の約半数を占めた。

基幹定点からの報告
- マイコプラズマ肺炎:日南保健所管内から1人報告された。患者は8歳。
流行警報レベル開始基準値超過疾患
全数把握対象疾患(10週までに新たに届出のあったもの)
- 1類感染症
報告なし。
- 2類感染症
結核3例。
- 3類感染症
腸管出血性大腸菌感染症1例。
- 4類感染症
A型肝炎3例、重症熱性血小板減少症候群1例、ボツリヌス症1例。
- 5類感染症
報告なし。

全数把握対象疾患累積報告数(2014年第1週〜10週)

( )内は今週届出分、再掲
病原体情報(衛生環境研究所微生物部 2013年3月9日までに検出)
ウイルス

- ヘルパンギーナと診断された小児からヒトヘルペスウイルスが分離された。
- 急性A型肝炎と診断された成人女性からA型肝炎ウイルスが検出された。
細菌
全国第9週の発生動向
定点医療機関あたりの患者報告総数は41.0で、前週比104%と横ばいであった。今週増加した主な疾患はA群溶血性レンサ球菌咽頭炎で、減少した主な疾患は水痘であった。
インフルエンザの報告数は140,739人(28.4)で、前週比104%と横ばいであった。福井県(51.7)、大分県(42.1)、福岡県(41.6)からの報告が多く、年齢別では、5歳以下が全体の26%、6〜9歳が29%、10〜14歳が20%、15〜19歳が3%、20歳代〜50歳代が18%、60歳以上が4%を占めた。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告数は7,222人(2.3)で、前週比108%と増加した。山形県(5.7)、新潟県(5.3)、富山県(4.5)からの報告が多く、年齢別では4歳から6歳が全体の約4割を占めた。
全数把握対象疾患(全国第9週)
インフルエンザ情報《県内第10週、全国第9週(再掲)》
県内第10週インフルエンザ発生動向
平成26年3月3日〜3月9日までの1週間で1,478人(定点あたり25.1)の報告があり、前週の約7割に減少した(図1)。例年同時期の定点あたり平均値(12.3)の約2倍である。保健所別報告数の推移を(図2)、年齢群別報告数の推移を(図3)に示す。

全国第9週インフルエンザ発生動向
平成26年2月24日〜3月2日までの1週間で140,739人(定点あたり28.4)があり、前週比104%と横ばいであった。福井県(51.7)、大分県(42.1)、福岡県(41.6)からの報告が多く、年齢別では、5歳以下が全体の26%、6〜9歳が29%、10〜14歳が20%、15〜19歳が3%、20歳代〜50歳代が18%、60歳以上が4%を占めた。
月報告対象疾患の発生動向 <2月>
性感染症
【宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は40人(3.1)で、前月比103%と横ばいであった。また、昨年2月(2.5)の約1.3倍であった。
《疾患別》
- 性器クラミジア感染症
報告数25人(1.9)で、前月の約9割、前年の約1.8倍であった。10歳代が全体の約4割を占めた。(男性9人・女性16人)
- 性器ヘルペスウイルス感染症
報告数5人(0.38)で、前月の約3倍、前年の約6割であった。
(男性1人・女性4人)
- 尖圭コンジローマ
報告数1人(0.08)で、前月及び前年の約半数であった。(女性1人)
- 淋菌感染症
報告数9人(0.69)で、前月の約1.5倍、前年の約1.3倍であった。30歳代が全体の約4割を占めた。(男性4人・女性5人)

【全国】定点医療機関総数:971
定点医療機関からの報告総数は3,760人(3.9)で、前月比94%と減少した。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症1,888人(1.9)で前月比93%、性器ヘルペスウイルス感染症664人(0.68)で前月比96%、尖圭コンジローマ419人(0.43)で前月比90%、淋菌感染症789人(0.81)で前月比94%であった。
薬剤耐性菌
【宮崎県】 定点医療機関総数:7
定点医療機関からの報告総数は26人(3.7)で前月比217%と増加した。また昨年2月(7.3)の約半数であった。
《疾患別》
- メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
報告数26人(3.7)で、前月の約2.4倍、前年の約半数であった。70歳以上が全体の約7割を占めた。
- ペニシリン耐性肺炎球菌感染症
報告はなかった。
- 薬剤耐性緑膿菌感染症
報告はなかった。
- 薬剤耐性アシネトバクター感染症
報告はなかった。
【全国】 定点医療機関総数:474
定点医療機関からの報告総数は1,721人(3.6)で、前月比94%と減少した。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,511人(3.2)で前月比93%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症191人(0.40)で前月比103%、薬剤耐性緑膿菌感染症19人(0.04)で前月比100%、薬剤耐性アシネトバクター感染症の報告はなかった。
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