
宮崎県感染症発生動向調査2015年第16号
第17巻16号[宮崎県第16週(4/13〜4/19)全国第15週(4/6〜4/12)]
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛
生環境研究所
宮崎県2015年第16週の発生動向
全数報告の感染症(16週までに新たに届出のあったもの)
- 1類感染症
報告なし。
- 2類感染症
結核2例。
- 3類感染症
報告なし。
- 4類感染症
報告なし。
- 5類感染症
報告なし。

全数把握対象疾患累積報告数(2015年第1週〜16週)

( )内は今週届出分、再掲
定点把握の対象となる5類感染症
インフルエンザ・小児科定点からの報告
【咽頭結膜熱】
- 報告数は36人(1.0)で、前週比157%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.88)の約1.1倍であった。日南(4.0)保健所からの報告が多く、保健所別及び年齢別割合の推移はグラフを参照。
* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値


【感染性胃腸炎】
- 報告数は464人(12.9)で、前週比144%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(15.2)の約0.9倍であった。年齢別割合の推移はグラフを参照。
流行警報・注意報レベル基準値超過疾患
基幹定点からの報告
○感染性胃腸炎(ロタウイルス):日向保健所管内で1例報告された。
1〜4歳で、原因病原体の群別不明。
病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 平成27年4月20日までに検出)
細菌

○20代女性から腸管病原性大腸菌(EPEC)が分離された。EPECは血清型による分類ではなく、eae(インチミン遺伝子)陽性のST/LT/VTを持たない大腸菌と定義されている。なお、5〜9歳女児から分離されたEscherichia.albertiiもEPECと同じくeaeを保有しており、特徴的な生化学性状がないことからEPECとの鑑別が難しく、遺伝子検査を実施しなければ同定は困難である。
ウイルス

○インフルエンザAと診断された小児からインフルエンザAH3型が分離された。
○呼吸器症状を伴う乳幼児3名からライノウイルスが検出された。うち1名は肺炎を伴う重症例である。ライノウイルスは33度でしか増殖しないとされ、そのため通常ライノウイルスによる炎症は上気道に限局される。一方で、気道過敏性の亢進が起こっている場合などでは、下気道にも炎症が及び、気管支炎や肺炎など重症化することもある。
○呼吸器症状を伴う乳幼児6名からヒトメタニューモウイルスが検出された。当所における1月から4月上旬までの検出数は、1月1件、2月7件、3月17件、4月上旬3件であり、3月に急激に増加している。ヒトメタニューモウイルスの流行時期は3月から6月であり、4月上旬の検出数はまだ少ないが今後増える可能性があるため、注視する必要がある。
全国第15週の発生動向
全数報告の感染症(全国第15週)
定点把握の対象となる5類感染症
定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比94%とやや減少した。今週増加した主な疾患は手足口病とヘルパンギーナで、減少した主な疾患はインフルエンザと水痘であった。
手足口病の報告数は1,704人(0.54)で、前週比120%と増加し、例年同時期の定点当たり平均値*(0.24)の約2.3倍であった。島根県(3.9)、佐賀県(2.8)、沖縄県(2.4)からの報告が多く、年齢別では1〜2歳が全体の約6割を占めた。
伝染性紅斑の報告数は1,411人(0.45)で、前週比98%とほぼ横ばいであった。例年同時期の定点当たり平均値*(0.26)の約1.7倍であった。滋賀県(1.2)、千葉県(0.97)、東京都(0.91)からの報告が多く、年齢別では4〜6歳が全体の約半数を占めた。
PDFファイルダウンロード