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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2015年第34号

第17巻34号[宮崎県第34週(8/17〜8/23)全国第33週(8/10〜8/16)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県2015年第34週の発生動向

全数報告の感染症(34週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症
    報告なし。
  • 2類感染症
    結核3例。
  • 3類感染症
    腸管出血性大腸菌感染症2例。
  • 4類感染症
    報告なし。
  • 5類感染症
    急性脳炎1例、破傷風1例。

全数把握対象疾患累積報告数(2015年第1週〜34週)

( )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

・定点医療機関からの報告総数887人(定点当たり27.8)で、前週比105%と増加した。前週に比べ増加した主な疾患はRSウイルス感染症と流行性耳下腺炎で、減少した主な疾患は手足口病とヘルパンギーナであった。

インフルエンザ・小児科定点からの報告

【RSウイルス感染症】
・報告数は72人(2.0)で、前週比150%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値(1.7)の約1.2倍であった。年齢別では1歳が全体の半数を占めた。

過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値。

【手足口病】
・報告数は370人(10.3)で、前週比87%と減少した。流行警報レベル(5.0)を超過している。例年同時期の定点当たり平均値(3.4)の約3.0倍と多い。小林(18.0)、延岡(14.8)、日向(11.8)保健所からの報告が多く、年齢別は1歳以下が全体の約6割を占めた。

基幹定点からの報告

報告なし。

流行警報・注意報レベル基準値超過疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 平成27年8月24日までに検出)

細菌

血便、腹痛などを呈した0〜4歳の女児、またその家族から腸管出血性大腸菌感染症O26が分離された。腸管出血性大腸菌感染症O26は、O157と同様に感染力は高いが、無症状病原体保有者が多い傾向にあり、保育園などでの集団感染事例が多い。幼児や小児では重症化する恐れもあるため、今後の発生動向に注意していく必要がある。

ウイルス

◯手足口病疑いの幼児1名からコクサッキーウイルスA6型(CA6)とコクサッキーウイルスB4型(CB4)が分離された。当所では、ウイルス分離に5種類の細胞を用いており、今回分離されたCA6とCB4は異なる細胞で分離された。エンテロウイルスは血清型により細胞の感受性に差があり、ウイルス分離を行う際に複数の細胞で実施することの有用性が現れた。
◯下気道炎を呈した幼児1名と乳児1名からヒトコロナウイルスOC43(HCoVOC43)が検出された。現在、人で主に流行しているHCoVは、αコロナウイルの229E、NL63、βコロナウイルスのOC43およびHKU1の4種である。HCoVは上気道炎などの呼吸器症状を呈するとされているが、国内のHCoV検出報告数は少なく、流行状況等は依然不明な点が多い。

全国第33週の発生動向

全数報告の感染症(全国第33週)
定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比70%と減少した。前週と比較して大きく増加した疾患はなかった。減少した主な疾患は手足口病とヘルパンギーナであった。

手足口病の報告数は17,823人(5.9)で前週比66%と減少し、例年同時期の定点当たり平均値(2.7)の約2.2倍と多い。山形県(15.0)、新潟県(14.9)、長野県(13.7)からの報告が多く、年齢別では1〜2歳が全体の約半数を占めた。

ヘルパンギーナの報告数は5,144人(1.7)で前週比65%と減少し、例年同時期の定点当たり平均値(2.1)の約0.8倍と少ない。山形県(4.4)、長野県(4.0)、和歌山県(3.8)からの報告が多く、年齢別では1〜2歳が全体の約半数を占めた。

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