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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2015年第38号

第17巻38号[宮崎県第38週(9/14〜9/20)全国第37週(9/7〜9/13)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県2015年第38週の発生動向

全数報告の感染症(38週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核9例。
  • 3類感染症:腸管出血性大腸菌感染症25例。
  • 4類感染症:報告なし。
  • 5類感染症:カルバペネム耐性腸内細菌感染症1例、クロイツフェルト・ヤコブ病1例。

全数把握対象疾患累積報告数(2015年第1週〜38週)

( )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

・定点医療機関からの報告総数は716人(定点当たり22.8)で、前週比94%と減少した。前週に比べ増加した主な疾患はA群溶血性レンサ球菌咽頭炎と流行性耳下腺炎で、減少した主な疾患はRSウイルス感染症と手足口病であった。

インフルエンザ・小児科定点からの報告

【A群溶血性レンサ球菌咽頭炎】
・報告数は68人(1.9)で、前週比117%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値(1.0)の約1.9倍であった。年齢別では3〜5歳が全体の約4割を占めた。
過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値。

【手足口病】
・報告数は106人(2.9)で、前週比61%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値(2.5)の約1.2倍であった。日向(7.8)、中央(5.0)保健所からの報告が多く、年齢別では1〜2歳が全体の約半数を占めた。

【流行性耳下腺炎】
・報告数は42人(1.2)で、前週比223%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値(1.1)の約1.1倍であった。小林(6.3)保健所からの報告が多く、年齢別では4〜6歳が全体の約6割を占めた。

基幹定点からの報告

○マイコプラズマ肺炎:日南保健所管内で1例報告があった。5〜9歳で、鼻咽頭ぬぐい液からMycoplasma pneumoniaeが検出された。

流行警報・注意報レベル基準値超過疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 平成27年9月18日までに検出)

細菌
ウイルス

◯急性脳症の小児の便からエコーウイルス18型が分離された。感染症法に基づく感染症発生動向調査では、急性脳炎(急性脳症を含む)は5類感染症全数把握疾患としてすべての医師に保健所への届け出が義務付けられており、毎年150〜250名が報告されている。多くは原因不明で、15歳未満は約4割、15歳以上は約7割が原因不明として届けられている。ウイルス分離のための検体は、咽頭ぬぐい液、血液、便、尿、髄液などが多いが、脳炎の原因と確定するためには、髄液からウイルスを分離することが望まれる。今回分離されたエコーウイルス18型は便から分離されたことから、急性脳炎の直接の原因とするには、疫学状況、随伴症状、検査所見、画像診断などを考慮し判断する必要がある。

全国第37週の発生動向

全数報告の感染症(全国第37週)
定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比99%とほぼ横ばいであった。前週と比較して増加した主な疾患はRSウイルス感染症とA群溶血性レンサ球菌咽頭炎で、減少した主な疾患は伝染性紅斑とヘルパンギーナであった。

RSウイルス感染症の報告数は2,652人(0.84)で前週比127%と増加した。宮崎県(3.5)、島根県(3.2)、大分県(3.0)からの報告が多く、年齢別では1歳が全体の約4割を占めた。

手足口病の報告数は15,738人(5.0)で前週比98%とほぼ横ばいであった。例年同時期の定点当たり平均値(2.2)の約2.5倍と多い。宮城県(13.3)、新潟県(12.0)、山形県(11.3)からの報告が多く、年齢別では1〜2歳が全体の約半数を占めた。

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