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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2015年第44号

第17巻44号[宮崎県第44週(10/26〜11/1)全国第43週(10/19〜10/25)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県2015年第44週の発生動向

全数報告の感染症(44週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核1例。
  • 3類感染症:報告なし。
  • 4類感染症:報告なし。
  • 5類感染症:報告なし。

全数把握対象疾患累積報告数(2015年第1週〜44週)

( )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

・定点医療機関からの報告総数は779人(定点当たり26.8)で、前週比101%とほぼ横ばいであった。前週に比べ増加した主な疾患は感染性胃腸炎で、減少した主な疾患はRSウイルス感染症と流行性耳下腺炎であった。

インフルエンザ・小児科定点からの報告

【感染性胃腸炎】
・報告数は510人(14.2)で、前週比112%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(8.9)の約1.6倍であった。小林(41.3)保健所からの報告が多く、年齢別では1〜3歳が全体の約半数を占めた。
過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値。

眼科定点からの報告

【流行性角結膜炎】
・報告数は32人(5.3)で、前週比97%とほぼ横ばいであった。例年同時期の定点当たり平均値(2.2)の約2.5倍であった。

基幹定点からの報告

○無菌性髄膜炎:都城保健所から1例報告があった。0歳で、鼻腔粘液からRSウイルスが検出された。
○マイコプラズマ肺炎:宮崎市保健所から4例、高鍋保健所から1例報告があった。
1〜4歳が1例、5〜9歳が4例で、いずれも咽頭ぬぐい液からMycoplasma pneumoniaeが検出された。

流行警報・注意報レベル基準値超過疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 平成27年11月2日までに検出)

細菌

下痢、血便などを呈した0〜4歳の女児、またその家族から腸管出血性大腸菌O103が分離された。腸管出血性大腸菌O103は、本県では2006年、2013年、2015年と保育園での集団感染事例が発生している。感染者の多くは無症状病原体保有者であることが多いが、乳児や小児では重症化する恐れもあるため、今後の発生動向に注意していく必要がある。

ウイルス

○肺炎や気管支炎などの呼吸器症状を有する小児3名からライノウイルスが検出された。当所では、9月に1件、10月に5件検出している。ライノウイルス感染症は、一年中みられるが、特に晩春と初秋に多くみられる。
○肺炎の小児1名及び成人1名からエンテロウイルスD68型(EV-D68)が検出された。EV-D68は、全国的に報告件数が増加しており、本県でも9月に4件、10月に3件検出している。

ライノウイルスとEV-D68は生物学的性状が類似しており、どちらも呼吸器症状を伴う。今後の呼吸器症状を有する患者の発生動向に注視する必要がある。

全国第43週の発生動向

全数報告の感染症(全国第43週)
定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比118%と増加した。前週と比較して増加した主な疾患はA群溶血性レンサ球菌咽頭炎と感染性胃腸炎で、減少した主な疾患は手足口病であった。

RSウイルス感染症の報告数は4,118人(1.3)で前週比107%とやや増加した。例年同時期の定点当たり平均値(0.84)の約1.6倍であった。山形県(6.0)、福島県(4.1)、徳島県(3.0)からの報告が多く、年齢別では1歳が全体の約4割を占めた。

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告数は6,914人(2.2)で前週比128%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値(1.2)の約1.8倍であった。静岡県(5.3)、鳥取県(4.6)、山形県(4.2)からの報告が多く、年齢別では4〜7歳が全体の約半数を占めた。

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