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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2015年第48号

第17巻48号[宮崎県第48週(11/23〜11/29)全国第47週(11/16〜11/22)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県2015年第48週の発生動向

全数報告の感染症(48週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核3例。
  • 3類感染症:腸管出血性大腸菌感染症3例。
  • 4類感染症:つつが虫病7例。
  • 5類感染症:侵襲性肺炎球菌感染症1例。

全数把握対象疾患累積報告数(2015年第1週〜48週)

( )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

・定点医療機関からの報告総数は715人(定点当たり22.9)で、前週比85%と減少した。前週に比べ増加した主な疾患は水痘と流行性耳下腺炎で、減少した主な疾患はA群溶血性レンサ球菌咽頭炎と感染性胃腸炎であった。

インフルエンザ・小児科定点からの報告

【A群溶血性レンサ球菌咽頭炎】
・報告数は96人(2.7)で、前週比80%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(2.2)の約1.2倍であった。年齢別では4〜5歳が全体の約4割を占めた。
過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値。

【感染性胃腸炎】
・報告数は356人(9.9)で、前週比76%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(17.9)の約0.6倍であった。日南(21.0)保健所からの報告が多く、年齢別では1〜3歳が全体の約4割を占めた。

【流行性耳下腺炎】
・報告数は51人(1.4)で、前週比146%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(1.0)の約1.4倍であった。小林(6.7)保健所からの報告が多く、年齢別では3〜5歳が全体の約半数を占めた。

基幹定点からの報告

○無菌性髄膜炎:延岡保健所から1例報告があった。5〜9歳であった。
○マイコプラズマ肺炎:高鍋保健所から2例報告があった。いずれも5〜9歳で、咽頭ぬぐい液からMycoplasma pneumoniaeが検出された。

保健所別 流行警報・注意報レベル基準値超過疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 平成27年11月30日までに検出)

細菌

11月に入り腸管出血性大腸菌(EHEC)感染症事例が2件発生し、O26:H11が1名、家族内感染が疑われるO157:H7が3名からそれぞれ分離されている。EHEC感染症は夏季の発生が多いが、例年、冬季にも散発的に発生していることから年間を通じて注意する必要がある。

ウィルス

○無菌性髄膜炎の小児の髄液及び咽頭ぬぐい液からエコーウイルス18型(E18)が分離された。咽頭ぬぐい液からは、遺伝子検査でエンテロウイルスD68型も検出された。髄液からE18が分離されたことから、無菌性髄膜炎の起因ウイルスはE18の可能性が高いと考えられた。また、髄膜炎を起こした新生児の髄液及び便からコクサッキーウイルスB4型(CoxB4)が分離された。無菌性髄膜炎は種々の病原体が関与しているが、中でもエンテロウイルスの割合が大きい。全国における無菌性髄膜炎から検出されたウイルスをみると、E18が最も多く全体の20%を占めており、CoxB4の報告はわずかである。

全国第47週の発生動向

全数報告の感染症(全国第47週)

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比108%とやや増加した。前週と比較して増加した主な疾患はRSウイルス感染症と伝染性紅斑で、減少した主な疾患はマイコプラズマ肺炎であった。

RSウイルス感染症の報告数は6,687人(2.1)で前週比123%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(1.1)の約1.9倍であった。鳥取県(7.8)、福井県(6.6)、福島県(5.6)からの報告が多く、年齢別では6ヵ月〜2歳が全体の約7割を占めた。

伝染性紅斑の報告数は2,455人(0.78)で前週比132%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.21)の約3.7倍であった。大分県(2.8)、熊本県(2.4)、山形県(2.2)、秋田県(2.1)からの報告が多く、流行警報レベル開始基準値(2.0)を超過している。年齢別では4〜7歳が全体の約6割を占めた。

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