
宮崎県感染症発生動向調査2016年第2号
第18巻2号[宮崎県第2週(1/11〜1/17)全国第1週(1/4〜1/10)]
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所
宮崎県2016年第2週の発生動向
全数報告の感染症(2週までに新たに届出のあったもの)
- 1類感染症:報告なし。
- 2類感染症:結核4例。
- 3類感染症:報告なし。
- 4類感染症:A型肝炎1例、つつが虫病1例。
- 5類感染症:後天性免疫不全症候群1例、侵襲性肺炎球菌感染症1例。

全数把握対象疾患累積報告数(2016年第1週〜第2週)

( )内は今週届出分、再掲
定点把握の対象となる5類感染症
・定点医療機関からの報告総数は872人(定点当たり26.0)で、前週比89%と減少した。前週に比べ増加した主な疾患はインフルエンザとRSウイルス感染症で、減少した主な疾患は咽頭結膜熱と流行性耳下腺炎であった。
インフルエンザ・小児科定点からの報告
【インフルエンザ】
・報告数は143人(2.4)で、前週比201%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値※(26.6)の約0.1倍であった。年齢別では5歳未満が全体の28%、5-9歳が36%、10-14歳が10%、15-19歳が6%、20-59歳が17%、60歳以上が3%を占めた。
※過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値

【感染性胃腸炎】
・報告数は345人(9.6)で、前週比99%と横ばいであった。例年同時期の定点当たり平均値※(14.0)の約0.7倍であった。日南(30.7)保健所からの報告が多く、年齢別では1〜3歳が全体の約4割を占めた。
【伝染性紅斑】
・報告数は40人(1.1)で、前週比80%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値※(0.23)の約4.8倍であった。宮崎市(2.3)、高鍋及び高千穂(各2.0)保健所からの報告が多く、年齢別では4〜6歳が全体の約半数を占めた。

【流行性耳下腺炎】
・報告数は92人(2.6)で、前週比62%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値※(0.98)の約2.6倍であった。延岡(13.5)、小林(6.3)保健所からの報告が多く、年齢別では4〜5歳が全体の約4割を占めた。

基幹定点からの報告
○マイコプラズマ肺炎:延岡保健所から1例報告があった。5〜9歳で抗体が検出された。
○感染性胃腸炎(ロタウイルス):日南保健所から1例報告があった。1〜4歳で、病原体の群別不明。
保健所別 流行警報・注意報レベル基準値超過疾患
病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 平成28年1月18日までに検出)
細菌
ウイルス

○インフルエンザA型と診断された2名からインフルエンザAH1pdm09型、インフルエンザB型と診断された1名からインフルエンザB型(ビクトリア系統)が検出された。全国のインフルエンザウイルス分離、検出状況をみると、AH3型が119例、AH1pdm09型が89例、B型(山形系統)が49例、B型(ビクトリア系統)が36例分離、検出されている。全国の2016年第1週のインフルエンザ定点当たり報告数は2.02となり、2015/2016年シーズンで初めて全国的な流行開始の指標である1.00を上回った。また、宮崎県も全国同様に2016年第1週の定点当たりの報告数が1.2となり流行シーズンに入った。今後、インフルエンザの患者が増えることが予想される。インフルエンザの検査は、結果が出たらすぐに検出速報として随時掲載していく予定である。
全国第1週の発生動向
全数報告の感染症(全国第1週)
定点把握の対象となる5類感染症
定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比180%と増加した(前週年末年始の休診含む)。前週と比較して大幅に増加した主な疾患はインフルエンザと伝染性紅斑で、減少した疾患はなかった。
インフルエンザの報告数9,964人(2.0)で前週比227%と増加し、流行期の指標となる1.0を上まわった。沖縄県(8.2)、秋田県(7.9)、新潟県(5.7)からの報告が多く、年齢別では、5歳未満が21%、5-9歳が19%、10-14歳が9%、15-19歳が4%、20-59歳が39%、60歳以上が8%であった。
伝染性紅斑の報告数2,610人(0.83)で前週比259%と増加した。山形県(3.1)、鳥取県(2.6)、熊本県(2.5)からの報告が多く、6県で流行警報開始基準値2.0を上まわっている。年齢別では、4〜6歳が全体の約半数を占めた。
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