
宮崎県感染症発生動向調査2018年第34号
第20巻第34号[宮崎県第34週(8/20〜8/26)全国第33週(8/13〜8/19)]
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所
宮崎県第34週の発生動向
トピックス
- 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
(全数報告の感染症)の報告が日南保健所管内からあった。患者は70歳代女性で、発症は5月中旬である。ダニの刺し口は確認出来なかった。県内での報告は今年9例目で、累計58例(平成25年3月届出開始以降)となった。

全数報告の感染症(34週までに新たに届出のあったもの)
- 1類感染症:報告なし。
- 2類感染症:結核4例。
- 3類感染症:腸管出血性大腸菌感染症5例。
- 4類感染症:重症熱性血小板減少症候群1例、日本紅斑熱2例。
- 5類感染症:百日咳9例。

全数把握対象疾患累積報告数(2018年第1週〜34週)

( )内は今週届出分、再掲
定点把握の対象となる5類感染症
定点医療機関からの報告総数は665人(定点当たり20.9)で、前週比84%と減少した。なお、前週に比べ増加した主な疾患は流行性耳下腺炎で、減少した主な疾患は流行性角結膜炎である。
インフルエンザ・小児科定点からの報告
【RSウイルス感染症】
報告数は146人(4.2)で、前週比111%と増加し、例年同時期の定点当たり平均値*(1.9)の約2.2倍である。高鍋(7.0)、延岡(6.3)保健所からの報告が多く、年齢群別では2歳以下が全体の約9割を占めている。

【流行性耳下腺炎】
報告数は44人(1.3)で、前週比157%と増加し、例年同時期の定点当たり平均値*(0.62)の約2.0倍である。
日南(13.0)保健所からの報告が多く、年齢群別では4〜6歳が全体の約6割を占めている。

*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値
基幹定点からの報告
保健所別 流行警報・注意報レベル基準値超過疾患
病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 平成30年8月27日までに検出)
細菌

5〜60歳代の4名からサルモネラ属菌が検出された。サルモネラ症は、全ての人に感染する可能性があるが、特に幼児、高齢者、免疫力の低い患者では重篤な症状を呈することがあり、予防に関してさらに注意が必要である。加えて、今回も腸管出血性大腸菌(EHEC)が検出された。食中毒は、手洗いや食品の取り扱い方によって防ぐことが出来る。今後も気温の高い日が続くため、引き続き食品の衛生管理等には十分注意が必要である。
薬剤耐性菌
ウイルス

○発疹症状のある幼児6名からエコーウイルス18型(Echo18)が分離・検出された。今年に入り、当所で発疹症状のある患者から分離・検出されたエコーウイルスの内訳をみると、Echo18が12件と最も多く、次いでEcho9が5件となっている。全国のエコーウイルス分離・検出状況をみると、Echo18が最も多く、次いでEcho11、Echo7となっている。
○手足口病と診断された2名から、エンテロウイルス71型(EV71)が分離された。今年は手足口病患者から分離・検出されたウイルスとしてEV71の報告数が約半数を占めており、当所においても、EV71が10件、コクサッキーウイルスA16が1件と、EV71の占める割合が高くなっている。
全国2018年第33週の発生動向
全数報告の感染症(全国第33週)
定点把握の対象となる5類感染症
定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比82%と減少した。なお、前週と比較して増加した主な疾患は特になく、減少した主な疾患は手足口病とヘルパンギーナである。
RSウイルス感染症の報告数は4,104人(1.3)で前週比98%とほぼ横ばいであり、例年同時期の定点当たり平均値*(0.64)の約2.1倍である。宮崎県(3.7)、徳島県(3.3)、愛媛県(3.2)からの報告が多く、年齢群別では2歳以下が全体の約9割を占めている。
ヘルパンギーナの報告数は4,526人(1.5)で前週比63%と減少し、例年同時期の定点当たり平均値*(2.1)の約0.7倍である。山形県(5.2)、長野県(3.9)、福島県(3.5)からの報告が多く、年齢群別では1〜3歳が全体の約7割を占めている。
* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15 週)の平均値
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