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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2019年第10号

第21巻第10号[宮崎県第10週(3/4〜3/10)全国第9週(2/25〜3/3)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県第10週の発生動向

トピックス
  • 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
    (全数報告の感染症)の報告が宮崎市保健所管内からあった。患者は70歳代男性で、発症は2月下旬である。ダニの刺し口は確認出来なかった。県内での報告は今年1例目で、累計62例(平成25年3月届出開始以降)となった。

全数報告の感染症(10週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核2例。
  • 3類感染症:報告なし。
  • 4類感染症:重症熱性血小板減少症候群 1例。
  • 5類感染症:侵襲性肺炎球菌感染症2例。


全数把握対象疾患累積報告数(2019年第10週)

(   )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関からの報告総数は885人(定点当たり21.6)で、前週比83%と減少した。なお、前週に比べ増加した疾患は水痘で、減少した主な疾患はインフルエンザとA群溶血性レンサ球菌咽頭炎及び感染性胃腸炎である。

インフルエンザ・小児科定点からの報告

【A群溶血性レンサ球菌咽頭炎】
報告数は122人(3.4)で、前週比82%と減少したが、例年同時期の定点当たり平均値*(2.1)の約1.7倍である。高鍋(6.8) 、延岡(6.0)保健所からの報告が多く、年齢群別では3〜6歳が全体の約7割を占めている。

【感染性胃腸炎】
報告数は319人(8.9)で、前週比90%と減少しており、例年同時期の定点当たり平均値*(11.7)の約0.8倍である。小林(29.7)、日南(16.7)、都城(11.2)保健所からの報告が多く、年齢群別では1〜2歳が全体の約2割を占めている。


*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告

○感染性胃腸炎(ロタウイルス):日南保健所から1例報告があった。0〜4歳で、病原体の群別は不明である。

保健所別 流行警報・注意報レベル基準値超過疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 平成31年3月11日までに検出)

細菌

報告なし。

ウイルス

インフルエンザと診断された8名からインフルエンザウイルスが分離された。本県では今シーズン、AH3が17件、AH1pdm09が16件、B型(ビクトリア系統)が2件分離・検出されている。全国のインフルエンザウイルス分離・検出状況をみると、AH3が最も多く、次いでAH1pdm09となっている。昨シーズンの主流であったB型(山形系統)の検出数は10件程度と少なく、本県においても、今シーズンに入ってから2019年3月12日現在までに、B型(山形系統)は検出されていない。

全国2019年第9週の発生動向

全数報告の感染症(全国第9週)

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比86%と減少した。なお、前週と比較して増加した主な疾患はRSウイルス感染症と咽頭結膜熱で、減少した主な疾患はインフルエンザである。

RSウイルス感染症の報告数は1,488人(0.47)で前週比107%と増加しており、例年同時期の定点当たり平均値*(0.34)の約1.4倍である。徳島県・山口県(各1.3)、高知県・奈良県(各1.2)からの報告が多く、年齢群別では0〜2歳が全体の約8割を占めている。

感染性胃腸炎の報告数は18,843人(6.0)で前週比99%とほぼ横ばいで、例年同時期の定点当たり平均値*(6.2)の約1.0倍である。大分県(11.6)、山形県(10.2)、宮崎県(9.9)からの報告が多く、年齢群別では1〜4歳が全体の約4割を占めている。

伝染性紅斑の報告数は1,801人(0.57)で前週比97%とほぼ横ばいであったが、例年同時期の定点当たり平均値*(0.21)の約2.7倍である。沖縄県(2.1)、石川県(1.7)、山形県 (1.6)からの報告が多く、年齢群別では3〜6歳が全体の約6割を占めている。

* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15 週)の平均値

月報告対象疾患の発生動向<2019年2月>

性感染症

【宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は31人(2.4)で、前月比97%とほぼ横ばいであった。また、昨年2月(1.8)の135%である。

《疾患別》

  • 性器クラミジア感染症
    報告数22人(1.7)で、前月の約1.5倍、昨年2月の約1.6倍である。20歳代が全体の約6割を占めている。(男性9人・女性13人)
  • 性器ヘルペスウイルス感染症
    報告なし。
  • 尖圭コンジローマ
    報告数1人(0.08)で、前月の0.5倍、昨年2月と同率である。(女性1人)
  • 淋菌感染症
    報告数8人(0.62)で、前月の約0.7倍、昨年2月の4倍である。(男性5人・女性3人)

【全国】定点医療機関総数:984
定点医療機関からの報告総数は3,816人(3.9)で、前月比91%と減少した。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症2,013人(2.1)で前月比93%、性器ヘルペスウイルス感染症755人(0.77)で前月比104%、尖圭コンジローマ432人(0.44)で前月比75%、淋菌感染症616人(0.63)で前月比83%である。

薬剤耐性菌

【宮崎県】 定点医療機関総数:7
定点医療機関からの報告総数は10人(1.4)で、前月比71%と減少した。また、昨年2月(2.6)の56%である。

《疾患別》

  • メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
    報告数10人(1.4)で、前月及び昨年2月の約0.7倍である。70歳以上が全体の約6割を占めている。
  • ペニシリン耐性肺炎球菌感染症
    報告なし。
  • 薬剤耐性緑膿菌感染症
    報告なし。

【全国】 定点医療機関総数:478
定点医療機関からの報告総数は1,411人(3.0)で、前月比89%と減少した。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,256人(2.6)で前月比90%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症144人(0.30)で前月比81%、薬剤耐性緑膿菌感染症11人(0.02)で前月と同率である。

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