• 1類感染症：報告なし。
• 2類感染症：結核3例。
• 3類感染症：報告なし。
• 4類感染症：レジオネラ症 1例。
• 5類感染症：アメーバ赤痢1例、侵襲性肺炎球菌感染症1例、梅毒1例、百日咳7例。

( 　 )内は今週届出分、再掲

定点医療機関からの報告総数は827人(定点当たり21.0)で、前週比94％と減少した。なお、前週に比べ増加した疾患は水痘で、減少した主な疾患は咽頭結膜熱と感染性胃腸炎である。

【A群溶血性レンサ球菌咽頭炎】
報告数は156人(4.3)で、前週比105％と増加しており、例年同時期の定点当たり平均値＊(1.9)の約2.2倍である。高鍋(7.8)、延岡(7.3)保健所からの報告が多く、年齢群別では3〜6歳が全体の約5割を占めている。

【感染性胃腸炎】
報告数は267人(7.4)で、前週比83％と減少しており、例年同時期の定点当たり平均値＊(10.7)の約0.7倍である。小林(18.0)、日南(15.3)保健所からの報告が多く、年齢群別では1〜2歳が全体の約3割を占めている。

＊過去5年間の当該週、前週、後週（計15週）の平均値

報告なし。

10代前半の男児から、腸管病原性大腸菌（EPEC）O157:H51が分離された。O157は腸管出血性大腸菌（EHEC)で多くみられる血清型である。また、水様性下痢、血便、腹痛を呈していたことから、血清型や臨床症状からはEHECとの鑑別が難しい。EHECは感染症法で三類感染症となっており、医師の届出やその後の対応が他の下痢原性大腸菌と異なるため、VT産生性ないしVT遺伝子の確認が重要となる。

乳幼児1名からクラミジアが検出された。クラミジア科はクラミジア属とクラミドフィラ属に分類される。トラコーマ・クラミジアはクラミジア属に、肺炎クラミジア、オウム病クラミジアはクラミドフィラ属に分類される。当所ではクラミジア科までの検出のみ可能である。トラコーマ・クラミジアは母親から産道感染し、生後3ヶ月の間に肺炎を起こすことが知られている。

また、同じ乳幼児からサイトメガロウイルス（CMV）が検出された。CMVは通常、乳幼児期に不顕性感染し、潜伏感染後、免疫抑制時に再活性化する。しかし、国立感染症研究所の報告によると近年、若年層の抗CMV抗体保有率の低下が指摘されており、妊婦のCMV初感染による先天性CMV感染症の増加が懸念されている。未感染妊婦にとって周囲の乳幼児が重要な感染源となるため、乳幼児と接触があった場合には手洗いを徹底することが重要である。　　　　　

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比95％とほぼ横ばいであった。なお、前週と比較して増加した主な疾患は咽頭結膜熱と手足口病及び伝染性紅斑で、減少した主な疾患はインフルエンザである。

RSウイルス感染症の報告数は1,558人(0.49)で前週比107％と増加しており、例年同時期の定点当たり平均値＊(0.30)の約1.6倍である。徳島県(2.1)、和歌山県・山口県(各1.5)からの報告が多く、年齢群別では2歳以下が全体の約9割を占めている。

咽頭結膜熱の報告数は1,176人(0.37)で前週比116％と増加しており、例年同時期の定点当たり平均値＊(0.31)の約1.2倍である。鹿児島県(1.3)、長崎県・富山県・福井県(各1.0)からの報告が多く、年齢群別では1〜4歳が全体の約7割を占めている。

伝染性紅斑の報告数は1,836人(0.58)で前週比107％と増加しており、例年同時期の定点当たり平均値＊(0.20)の約2.9倍である。山形県(1.5)、新潟県・宮城県(各1.4)からの報告が多く、年齢群別では3〜6歳が全体の約6割を占めている。

＊ 過去5年間の当該週、前週、後週（計15 週）の平均値

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宮崎県感染症週報2019年第12号（PDFファイル / 585KB）

宮崎県内の患者発生状況（定点把握対象疾患（週報）（PDFファイル / 304KB）

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