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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2019年第17・18合併号

第21巻17号[宮崎県第17週(4/22〜4/28)全国第16週(4/15〜4/21)]

第21巻18号[宮崎県第18週(4/29〜5/5)全国第17週(4/22〜4/28)] 

 

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県第17週、第18週の発生動向

トピックス
  • 麻しん(全数把握対象)の報告が1例あった(2017年20週以来の報告)。宮崎市保健所管内からの報告で、30歳代女性、海外渡航歴はなかった。ワクチン接種歴は不明。
  • 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

    (全数報告の感染症)の報告が宮崎市保健所管内からあった。患者は60歳代男性で、発症は4月下旬である。ダニの刺し口は確認出来なかった。県内での報告は今年3例目で、累計64例(平成25年3月届出開始以降)となった。

  • 手足口病(定点把握対象疾患):第17週(4/22〜4/28)の県内の定点当たり報告数は7.1で、今年初めて流行警報レベル開始基準値(5.0)を超えた。2018年と同週となっている。
    詳細後述。
全数報告の感染症(18週までに新たに届出のあったもの)
  • 1 類感染症:報告なし。
  • 2 類感染症:結核7 例。
  • 3 類感染症:腸管出血性大腸菌感染症1 例。
  • 4 類感染症:重症熱性血小板減少症候群1 例。
  • 5 類感染症:劇症溶血性レンサ球菌感染症1 例、梅毒4 例、百日咳9 例、麻しん1 例。


全数把握対象疾患累積報告数(2019年第1週〜第17週)

(   )内は今週届出分、再掲

全数把握対象疾患累積報告数(2019年第1週〜第18週)

(   )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

第17週

定点医療機関からの報告総数は915 人(定点あたり27.4)で、前週(第16 週)比108%と増加した。前週(第16 週)に比べ増加した主な疾患は感染性胃腸炎と手足口病で、減少した主な疾患はA群溶血性レンサ球菌咽頭炎と水痘である。

第18週

定点医療機関からの報告総数は442 人(定点あたり13.4)で、前週(第17 週)比49%と減少した(祝祭日の休診含む)。
前週(第17 週)に比べ増加した疾患はなく、減少した主な疾患はA群溶血性レンサ球菌咽頭炎と感染性胃腸炎及び手足口病である。

インフルエンザ・小児科定点からの報告
第17週

【手足口病】

報告数は249 人(7.1)で、前週(第16 週)比190%と増加しており、例年同時期の定点当たり平均値*(2.1)の約3.3倍である。都城、延岡(各11.3)、日向(8.5)保健所からの報告が多く、年齢別では1 歳が全体の約6 割を占めた。

第18週

【咽頭結膜熱】
報告数は127 人(3.6)で、前週(第17 週)比47%と減少しており、例年同時期の定点当たり平均値*(11.1)の約0.3 倍である。日南(6.3)、日向(5.0)、宮崎市(4.3)保健所からの報告が多く、年齢別では1 歳以下が全体の約3 割を占めた。

*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告
第17週

○感染性胃腸炎(ロタウイルス):
報告数は1 例で日南保健所からの報告であった。0〜4 歳で、病原体の群別は不明である。

第18週

○感染性胃腸炎(ロタウイルス):
報告数は1例で宮崎市保健所からの報告であった。5〜9歳で、病原体の群別は不明である。

保健所別 流行警報・注意報レベル基準値超過疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 令和元年5月7日までに検出)

細菌

ウイルス

麻疹疑いの患者から麻疹ウイルスが検出された。麻疹の検査は検体として、咽頭ぬぐい液、血液、尿を用いるが、今回は咽頭ぬぐい液と血液の2 検体が提出された。リアルタイムPCR 法で実施した結果、両検体から麻疹ウイルスが検出された。県内では2017 年にタイから持ち込まれて以来、約2年ぶりの発生となった。麻疹は感染力が強く、治療に困難をきたすため、ワクチン接種による予防が重要である。

全国2019年第16,17週の発生動向

全数報告の感染症(全国第16週)

全数報告の感染症(全国第17週)

定点把握の対象となる5類感染症
第16 週

定点医療機関あたりの患者報告総数は前週(第15 週)比129%と増加した。なお、第15 週と比較して増加した主な疾患はインフルエンザと感染性胃腸炎で、減少した主な疾患は水痘である。
感染性胃腸炎の報告数は25,423 人(8.0)で、前週(第15 週)比127%と増加しており、例年同時期の定点当たり平均値*(6.5)の約1.2 倍である。新潟県(15.2)、鹿児島県(14.1)、福岡県(12.4)からの報告が多く、年齢別では1〜4 歳が全体の約半数を占めた。

第17 週

定点医療機関あたりの患者報告総数は前週(第16 週)比101%とほぼ横ばいであった。なお、第16週と比較して増加した主な疾患は手足口病で、減少した主な疾患はインフルエンザである。
伝染性紅斑の報告数は2,477 人(0.79)で、前週(第16 週)比95%とほぼ横ばいで、例年同時期の定点当たり平均値*(0.29)の約2.7 倍である。石川県(2.5)、新潟県(1.9)、山形県(1.8)からの報告が多く、年齢別では4〜6 歳が全体の約半数を占めた。。

* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15 週)の平均値

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