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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2019年第24号

第21巻第24号[宮崎県第24週(6/10〜6/16)全国第23週(6/3〜6/9)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県第24週の発生動向

トピックス
  • 風しん(全数把握対象疾患)の報告が1例あった。都城保健所管内からの報告で、40歳代男性、ワクチン接種歴は無かった。
全数報告の感染症(24週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核7例。
  • 3類感染症:報告なし。
  • 4類感染症:レジオネラ症1例。
  • 5類感染症:急性弛緩性麻痺1例、梅毒1例、百日咳6例、風しん1例。

※急性弛緩性麻痺(ポリオを除く。)について

急性弛緩性麻痺(Acute Flaccid Paralysis。以下「AFP」という。)はウイルスなどの種々の病原体の感染により弛緩性の運動麻痺症状を呈する感染症です。

世界保健機構(WHO)はポリオ対策の観点から、各国でAFPを発症した15歳未満の患者を把握し、当該患者に対してポリオに罹患しているか否かの検査を実施することでポリオが発生していないことの確保を求めています。

我が国においても、AFPを発症した15歳未満の患者に対してポリオウイルス検査が確実に実施されることを担保するために、AFPを発症した15歳未満の患者のうち、ポリオでない者の届出が平成30年5月より全数把握の対象となりました。

届出の提出においては、同時にポリオウイルスの検査(ポリオが陰性であることを確認するため)が必要ですので、保健所へ御連絡くださるようお願いします。

全数把握対象疾患累積報告数(2019年第1週〜第24週)

(   )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関からの報告総数は771人(定点当たり23.3)で、前週比81%と減少した。なお、前週に比べ増加した疾患は流行性角結膜炎で、減少した主な疾患は手足口病とヘルパンギーナであった。

インフルエンザ・小児科定点からの報告
【ヘルパンギーナ】

報告数は61人(1.7)で、前週比60%と減少し、例年同時期の定点当たり平均値*(1.7)とほぼ同率である。延岡(6.3)、日向(3.0)保健所からの報告が多く、年齢群別では1〜2歳が全体の約半数を占めている。

【手足口病】

報告数は266 人(7.4)で、前週比70%と減少したが、例年同時期の定点当たり平均値*(4.7)の約1.6 倍である。宮崎市(12.8)、中央(12.0)、高鍋(6.8)保健所からの報告が多く、年齢群別では1〜2 歳が全体の約6 割を占めている。

 

 

*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告
報告なし。
保健所別 流行警報・注意報レベル基準値超過疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 令和元年6 月17 日までに検出)

細菌
報告なし。
ウイルス

無菌性髄膜炎疑いの新生児からヒトパレコウイルス3 型(HPeV-3)が検出された。HPeV は小児において不顕性感染もしくは胃腸炎症状、呼吸器症状をおこすことが多いが、無菌性髄膜炎、脳炎、麻痺など重症化することもある。2014 年、2016 年に流行が認められ2〜3 年毎に流行を繰り返し、夏を中心に流行するため今後の動向に注意が必要である。

風しん疑いの患者から風しんウイルスが検出された。国立感染症研究所の報告によると、風しん患者報告数は男性では30〜40 代が多く、女性では20〜30 代が多くなっている。免疫をもたない女性が妊娠初期に風しんに罹患すると、胎児に風しんウイルスが感染し先天性風しん症候群を起こすことがあるため、風しん抗体をもたない人は積極的なワクチン接種が推奨される。

全国2019年第23週の発生動向

全数報告の感染症(全国第23週)

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比102%とほぼ横ばいであった。なお、前週と比較して増加した主な疾患は手足口病とヘルパンギーナで、減少した主な疾患はインフルエンザと感染性胃腸炎である。

手足口病の報告数は8,823 人(2.8)で前週比143%と増加し、例年同時期の定点当たり平均値*(1.1)の約2.5 倍である。鹿児島県(14.0)、福岡県(11.7)、佐賀県(11.3)からの報告が多く、年齢群別では1〜2 歳が全体の約7 割を占めている。

伝染性紅斑の報告数は2,246 人(0.71)で前週比101%とほぼ横ばいであったが、例年同時期の定点当たり平均値*(0.36)の約2.0 倍である。富山県(1.9)、新潟県(1.8)、福岡県、長野県(各1.4)からの報告が多く、年齢群別では3〜5 歳が全体の約半数を占めている。

* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15 週)の平均値

月報告対象疾患の発生動向 <2019年5月>

性感染症

【宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は29人(2.2)で、前月比91%と減少した。また、昨年5月(1.4)の161%である。

《疾患別》

  • 性器クラミジア感染症:報告数21人(1.6)で、前月の約1.1倍、昨年5月の2.1倍である。20歳代が全体の約半数を占めている。(男性9人・女性12人)
  • 性器ヘルペスウイルス感染症:報告数3人(0.23)で、前月の0.5倍、昨年5月の約0.8倍である。(女性3人)
  • 尖圭コンジローマ:報告数1人(0.08)で、前月と同率、昨年5月の0.5倍である。(女性1人)
  • 淋菌感染症:報告数4人(0.31)で、前月の約0.7倍、昨年5月の2.0倍である。(男性3人・女性1人)

【全国】定点医療機関総数:982

定点医療機関からの報告総数は4,188人(4.3)で、前月比104%とほぼ横ばいであった。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症2,200人(2.2)で前月比103%、性器ヘルペスウイルス感染症781人(0.80)で前月比105%、尖圭コンジローマ506人(0.52)で前月比111%、淋菌感染症701人(0.71)で前月比101%である。

□薬剤耐性菌
【宮崎県】 定点医療機関総数:7

医療機関からの報告総数は18人(2.6)で、前月比113%と増加した。また、昨年5月(2.4)の106%である。

《疾患別》

  • メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症:報告数18人(2.6)で、前月の1.2倍、昨年5月の約1.1倍である。70歳以上が全体の約7割を占めている。
  • ペニシリン耐性肺炎球菌感染症:報告なし。
  • 薬剤耐性緑膿菌感染症 :報告なし。
【全国】 定点医療機関総数:479

定点医療機関からの報告総数は1,491人(3.1)で、前月比100%と横ばいであった。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,314人(2.7)で前月比99%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症165人(0.34)で前月比113%、薬剤耐性緑膿菌感染症12人(0.03)で前月比150%である。

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