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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2019年第26号

第21巻第26号[宮崎県第26週(6/24〜6/30)全国第25週(6/17〜6/23)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県第26週の発生動向

全数報告の感染症(26週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2 類感染症:結核10 例。
  • 3 類感染症:腸管出血性大腸菌感染症1 例。
  • 4 類感染症:レジオネラ症1 例。
  • 5 類感染症:カルバペネム耐性腸内細菌感染症1 例、梅毒1 例、百日咳12 例。

全数把握対象疾患累積報告数(2019年第1週〜第26週)

(   )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関からの報告総数は567 人(定点当たり17.8)で、前週比79%と減少した。なお、前週に比べ増加した疾患はRS ウイルス感染症と感染性胃腸炎で、減少した主な疾患はA群溶血性レンサ球菌咽頭炎と手足口病であった。

インフルエンザ・小児科定点からの報告
【手足口病】

報告数は119 人(3.3)で、前週比66%と減少し、例年同時期の定点当たり平均値*(6.1)の約0.5 倍である。宮崎市(6.7)、中央(5.0)保健所からの報告が多く、年齢群別では1〜3 歳が全体の約6 割を占めている。

【咽頭結膜熱】

報告数は31 人(0.86)で、前週比91%と減少し、例年同時期の定点当たり平均値*(0.78)の約1.1 倍である。日南(4.3)、高鍋(1.8)保健所からの報告が多く、年齢群別は別グラフに示す。

 

 

 

*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告
感染性胃腸炎(ロタウイルス)

報告数は2 例で日南保健所からの報告であった。年齢は0〜4 歳及び5〜9 歳で、病原体の群別は不明である。

保健所別 流行警報・注意報レベル基準値超過疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 令和元年7 月1 日までに検出)

細菌

○70 代前半の男性から、非O1,非O139,コレラ毒素(CT)非産生性のVibrio cholerae が分離された。
V.cholerae は、コンマ状のグラム陰性桿菌であり、菌体表面のO 抗原の違いによって多数の血清型が存在する。感染症法において問題となるのはCT 産生性のO1 またはO139 のコレラ菌で三類感染症に分類される。これ以外のものは、ナグビブリオと呼ばれ、細菌分類学上V.cholerae ではあるが、感染症法では三類感染症に分類されない。したがって、コレラ菌が疑われる場合には、血清型の確認及びCT 産生性(PCR 法等による毒素遺伝子の検出を含む)の確認が重要である。

ウイルス

○全国的に手足口病の報告数が増加している。現在報告されている原因ウイルスはコクサッキーウイルスA6(CA6)、CA16、エンテロウイルス71 などのエンテロウイルスである。近年のCA6 による手足口病では、従来の手足口病と発疹の出現部位が異なり、水疱は扁平で臍窩を認め、これまでより大きいことや発症数週間後に爪脱落が起こること等が報告されている。

全国2019年第25週の発生動向

全数報告の感染症(全国第25週)

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比109%と増加した。なお、前週と比較して増加した主な疾患は手足口病とヘルパンギーナで、減少した主な疾患はインフルエンザである。

手足口病の報告数は16,417 人(5.2)で前週比129%と増加し、例年同時期の定点当たり平均値*(1.7)の約3.0 倍である。福岡県(17.3)、福井県(15.3)、佐賀県(13.2)からの報告が多く、年齢群別では1〜2 歳が全体の約6 割を占めている。

ヘルパンギーナの報告数は3,788 人(1.2)で前週比131%と増加し、例年同時期の定点当たり平均値*(1.1)の約1.1 倍である。福岡県(4.4)、福井県、佐賀県(各3.4)からの報告が多く、年齢群別では1〜2歳が全体の約6 割を占めている。

* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15 週)の平均値

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