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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2019年第32号

第21巻第32号[宮崎県第32週(8/5〜8/11)全国第31週(7/29〜8/4)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県第32週の発生動向

全数報告の感染症(32週までに新たに届出のあったもの)
  • 1 類感染症:報告なし。
  • 2 類感染症:結核5 例。
  • 3 類感染症:報告なし。
  • 4 類感染症:報告なし。
  • 5 類感染症:梅毒1 例、百日咳5 例。

全数把握対象疾患累積報告数(2019年第1週〜32週)

(   )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関からの報告総数は778 人(定点当たり22.5)で、前週比103%とほぼ横ばいであった。なお、前週に比べ増加し
た疾患はRSウイルス感染症と感染性胃腸炎で、減少した主な疾患はA群溶血性レンサ球菌咽頭炎と手足口病であった。

インフルエンザ・小児科定点からの報告

【RSウイルス感染症】

報告数は239 人(6.6)で、前週比110%と増加し、例年同時期の定点当たり平均値*(1.5)の約4.5 倍である。延岡(19.5)、高鍋(8.0)、宮崎市(6.2)保健所からの報告が多く、年齢群別は別グラフに示す。

 

【咽頭結膜熱】

報告数は63 人(1.8)で、前週比114%と増加し、例年同時期の定点当たり平均値*(0.69)の約2.5 倍である。日南(10.0)、高鍋(3.8)保健所からの報告が多く、年齢群別は別グラフに示す。


*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告

マイコプラズマ肺炎:宮崎市保健所から1 例報告があり、5〜9 歳であった。

保健所別 流行警報・注意報レベル基準値超過疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 令和元年7 月16 日までに検出)

細菌

腸管出血性大腸菌(EHEC)が4名から分離された。EHECは少量の菌数でも感染しやすく、人から人または人から食品などの経路から感染が拡大しやすい。食品の十分な加熱や手洗い・消毒などの衛生管理が発生予防に繋がる。また、食品を介した感染だけでなく、簡易用ミニプール等の水を介した感染拡大にも注意する必要がある。厚生労働省による「保育所における感染症対策ガイドライン」(2018年3月改訂)では適切な濃度の塩素消毒と@低年齢児が利用することの多い簡易用ミニプール(ビニールプール等)についても塩素消毒を行うことA排泄が自立していない乳幼児には個別のたらいを用意し、他者と水を共有しないよう配慮することBプール遊び前後にシャワーで汚れを落とし、プール遊び前には流水を用いたお尻洗いを行うことの徹底などが推奨されている。

ウイルス

報告なし。

全国2019年第31週の発生動向

全数報告の感染症(全国第31週)

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比86%と減少した。なお、前週と比較して増加した主な疾患はインフルエンザとRSウイルス感染症で、減少した主な疾患は手足口病とヘルパンギーナである。

RSウイルス感染症の報告数は4,441人(1.4)で前週比139%と増加し、例年同時期の定点当たり平均値*(0.67)の約2.1倍である。宮崎県(6.1)、沖縄県(5.1)、福岡県(3.3)からの報告が多く、年齢群別では1歳以下が全体の約8割を占めている。

手足口病の報告数は33,329人(10.5)で前週比79%と減少し、例年同時期の定点当たり平均値*(4.4)の約2.4倍である。宮城県(34.5)、山形県(33.2)、長野県(21.0)からの報告が多く、年齢群別では1〜2歳が全体の約半数を占めている。

* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15 週)の平均値

月報告対象疾患の発生動向 <2019年7月>

性感染症

【宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は27人(2.1)で、前月比68%と減少した。また、昨年7月(2.2)の96%である。

《疾患別》

  • 性器クラミジア感染症:報告数15人(1.2)で、前月の約0.6倍、昨年7月の0.6倍である。30歳代が全体の6割を占めている。(男性6人・女性9人)
  • 性器ヘルペスウイルス感染症:報告数5人(0.38)で、前月の約1.7倍、昨年7月の2.5倍である。
    (男性2人、女性3人)
  • 尖圭コンジローマ:報告数1人(0.08)で、前月の約0.3倍である(昨年報告なし)。
    (男性1人)
  • 淋菌感染症:報告数6人(0.46)で、前月の約0.9倍、昨年7月の6.0倍である。
    (男性5人・女性1人)

【全国】定点医療機関総数:976

定点医療機関からの報告総数は4,526人(4.6)で、前月比107%と増加した。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症2,395人(2.5)で前月比106%、性器ヘルペスウイルス感染症802人(0.82)で前月比104%、尖圭コンジローマ582人(0.60)で前月比103%、淋菌感染症747人(0.77)で前月比119%である。

□薬剤耐性菌
【宮崎県】 定点医療機関総数:7

定点医療機関からの報告総数は15人(2.1)で、前月比100%と横ばいだった。また、昨年7月(2.4)の88%である。

《疾患別》

  • メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症:報告数15人(2.1)で、前月の1.0倍、昨年7月の約0.9倍である。70歳以上が全体の約半数を占めている。
  • ペニシリン耐性肺炎球菌感染症:報告なし。
  • 薬剤耐性緑膿菌感染症 :報告なし。
【全国】 定点医療機関総数:476

定点医療機関からの報告総数は1,500 人(3.2)で、前月比105%と増加した。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,358 人(2.9)で前月比106%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症128 人(0.27)で前月比87%、薬剤耐性緑膿菌感染症14 人(0.03)で前月比300%である。

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