
宮崎県感染症発生動向調査2019年第36号
第21巻第36号[宮崎県第36週(9/2〜9/8)全国第35週(8/26〜9/1)]
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所
宮崎県第36週の発生動向
トピックス
インフルエンザ(定点把握対象の疾患)
第36 週(9/2〜9/8)の定点当たりの報告数は1.17 と、流行期の目安となる1.0 を上回った。昨シーズンと比較して14 週間早く、今後の動向に注意が必要である。詳細後述。
全数報告の感染症(36週までに新たに届出のあったもの)
- 1 類感染症:報告なし。
- 2 類感染症:結核1 例。
- 3 類感染症:報告なし。
- 4 類感染症:報告なし。
- 5 類感染症:百日咳4 例。

全数把握対象疾患累積報告数(2019年第1週〜36週)

( )内は今週届出分、再掲
定点把握の対象となる5類感染症
定点医療機関からの報告総数は946 人(定点当たり27.2)で、前週比115%と増加した。なお、前週に比べ増加した疾患はインフルエンザとRSウイルス感染症で、減少した主な疾患は手足口病と流行性角結膜炎であった。
インフルエンザ・小児科定点からの報告
【インフルエンザ】
報告数は69 人(1.2)で、前週比217%と増加し、例年同時期の定点当たり平均値*(0.06)の約19.5 倍である。延岡(6.3)、中央(4.5)、小林(2.0)保健所からの報告が多く、年齢群別では5〜9 歳が全体の約半数を占めた。
【RSウイルス感染症】
報告数は361 人(10.0)で、前週比136%と増加し、例年同時期の定点当たり平均値*(4.0)の約2.5 倍である。日向(15.3)、日南(12.3)、都城(12.2)保健所からの報告が多く、年齢群別では1 歳以下が全体の約7 割を占めた。

*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値
基幹定点からの報告
マイコプラズマ肺炎
宮崎市保健所から2 例報告があり、0〜4 歳と5〜9 歳であった。
保健所別 流行警報・注意報レベル基準値超過疾患
病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 令和元年9 月9 日までに検出)
細菌
ウイルス

胃腸炎症状のある乳児からノロウイルスGUが検出された。ノロウイルスは吐気・嘔吐・下痢を主症状とし、大半は治療することなく治癒するが、乳幼児や高齢者においては重症例・死亡例も報告されている。11 月から12 月に流行のピークを迎えるが、年間を通して報告されており、手指や食品を介して経口感染する。また、症状が消失しても長くて3 週間程度はウイルスが便中に排出されるため、手洗いや食品の取り扱いに注意が必要である。
全国2019年第35週の発生動向
全数報告の感染症(全国第35週)
定点把握の対象となる5類感染症
定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比115%と増加した。なお、前週と比較して増加した主な疾患はRSウイルス感染症と手足口病で、減少した主な疾患は水痘である。
RSウイルス感染症の報告数は7,673 人(2.4)で前週比177%と増加し、例年同時期の定点当たり平均値*(1.3)の約1.9 倍である。宮崎県(7.4)、長崎県(6.1)、山形県(5.6)からの報告が多く、年齢群別では1 歳が全体の約半数を占めている。
* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15 週)の平均値
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