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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2020年第3号

第22巻第3号[宮崎県3週(1/13〜1/19)全国第2週(1/6〜1/12)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県第3週の発生動向

全数報告の感染症(3週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:報告なし。
  • 3類感染症:報告なし。
  • 4類感染症:つつが虫病1例、レジオネラ症2例。
  • 5類感染症:侵襲性肺炎球菌感染症2例。


全数把握対象疾患累積報告数(2020年第1週〜3週)

(   )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関からの報告総数は2,027人(定点当たり42.3)で、前週比99%とほぼ横ばいであった。なお、前週に比べ増加した疾患は感染性胃腸炎で、減少した主な疾患は水痘と伝染性紅斑であった。。

インフルエンザ・小児科定点からの報告
【インフルエンザ】

報告数は1,380人(23.4)で、前週比95%と減少し、例年同時期の定点当たり平均値*(50.9)の約0.5倍であった。延岡(33.4)、都城(32.8)、日南(27.6)保健所からの報告が多く、年齢群別では10歳未満が全体の約半数を占めた。

 

【感染性胃腸炎】

報告数は455 人(12.6)で、前週比131%と増加し、例年同時期の定点当たり平均値*(11.7)の約1.1倍であった。小林(39.3)、中央(36.0)、日向(13.3)保健所からの報告が多く、年齢群別では1〜3 歳が全体の約半数を占めた。

*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告

報告なし。

保健所別 流行警報・注意報レベル基準値超過疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 令和2年1 月20 日までに検出)

細菌

20 代の女性からSalmonella Typhi (O9:d:-)が分離された。腸チフスは、通常のサルモネラ感染症と異なり、発熱、頭痛、食欲不振、全身倦怠感、便秘、脾腫、比較的徐脈などの症状を呈する全身性疾患である。また、腸チフスと同様に、パラチフスA菌によって起こるパラチフスも全身性疾患で全数報告対象(3 類感染症)となっている。なお、チフス菌、パラチフス菌の同定は生化学的性状試験と血清型別試験で同定するのが原則であるが、これらの菌は生化学性状が一般のサルモネラとはかなり異なり、見慣れていない場合は同定に苦慮することが予想される。疑われる菌が分離され、同定に苦慮する場合は地方衛生研究所などの専門機関に問い合わせることが推奨される。

ウイルス

全国2020年第2週の発生動向

全数報告の感染症(全国第2週)

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比170%と増加した(年末年始含む)。なお、前週と比較して増加した主な疾患はインフルエンザとA群溶血性レンサ球菌咽頭炎及び感染性胃腸炎で、減少した主な疾患はなかった。

インフルエンザの報告数は90,811 人(18.3)で前週比132%と増加したが、例年同時期の定点当たり平均値*(24.5)の約0.8 倍であった。愛知県(26.1)、佐賀県(25.8)、宮崎県(24.6)からの報告が多く、年齢群別では10 歳未満が全体の約4 割を占めた。

感染性胃腸炎の報告数は19,275 人(6.1)で前週比338%と増加し、例年同時期の定点当たり平均値*(6.2)とほぼ同率である。大分県(11.6)、福井県(10.1)、鹿児島県(9.7)からの報告が多く、年齢群別では1〜3 歳が全体の約4 割を占めた。

* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15 週)の平均値

月報告対象疾患の発生動向 <2019年12月>

性感染症
【宮崎県】 定点医療機関総数:13

定点医療機関からの報告総数は28人(2.2)で、前月とほぼ同率であった。また、昨年12月(2.5)の87%であった。

《疾患別》

  • 性器クラミジア感染症:報告数26人(2.0)で、前月の約1.5倍、昨年12月の約1.2倍であった。
    20歳代が全体の約7割を占めた。(男性7人・女性19人)
  • 性器ヘルペスウイルス感染症:報告数2人(0.15)で、前月の約0.4倍、昨年12月とほぼ同率であった。(男性2人)
  • 尖圭コンジローマ:報告なし。
  • 淋菌感染症:報告なし。

【全国】定点医療機関総数:981

定点医療機関からの報告総数は4,228人(4.3)で、前月比103%とほぼ横ばいであった。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症2,283人(2.3)で前月比103%、性器ヘルペスウイルス感染症793人(0.81)で前月比104%、尖圭コンジローマ478人(0.49)で前月比93%、淋菌感染症674人(0.69)で前月比115%であった。

薬剤耐性菌
【宮崎県】 定点医療機関総数:7

定点医療機関からの報告総数は10人(1.4)で、前月比72%と減少した。また、昨年12月(2.4)の59%であった。

《疾患別》

  • メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症:報告数10人(1.4)で、前月の約0.7倍、昨年12月の約0.6倍であった。70歳以上が全体の7割を占めた。
  • ペニシリン耐性肺炎球菌感染症:報告なし。
  • 薬剤耐性緑膿菌感染症 :報告なし。
【全国】 定点医療機関総数:479

定点医療機関からの報告総数は1,443 人(3.0)で、前月比96%とほぼ横ばいであった。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,294 人(2.7)で前月比96%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症142 人(0.3)で前月比103%、薬剤耐性緑膿菌感染症7 人(0.01)で前月比25%であった。

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