
宮崎県感染症発生動向調査2020年第11号
第22巻第11号[宮崎県11週(3/9〜3/15)全国第10週(3/2〜3/8)]
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所
宮崎県第11週の発生動向
全数報告の感染症(11週までに新たに届出のあったもの)
- 1 類感染症:報告なし。
- 2類感染症:結核4例。
- 3類感染症:報告なし。
- 4類感染症:報告なし。
- 5類感染症:劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例、破傷風1例、百日咳1例。

全数把握対象疾患累積報告数(2020年第1週〜11週)

( )内は今週届出分、再掲
定点把握の対象となる5類感染症
定点医療機関からの報告総数は416人(定点当たり11.9)で、前週比86%と減少した。なお、前週に比べ増加した主な疾患は咽頭結膜熱と伝染性紅斑で、減少した主な疾患はインフルエンザと感染性胃腸炎であった。
インフルエンザ・小児科定点からの報告
【A群溶血性レンサ球菌咽頭炎】
報告数は105人(2.9)で、前週比101%とほぼ横ばいであった。例年同時期の定点当たり平均値*(2.6)の約1.1倍であった。宮崎市(3.6)、都城、日向(3.5)保健所からの報告が多く、年齢群別では3〜5歳が全体の約半数を占めた。
【感染性胃腸炎】
報告数は188人(5.2)で、前週比83%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(10.1)の約0.5倍である。日向(9.5)、日南(8.7)、小林(7.7)保健所からの報告が多く、年齢群別では1〜3歳が全体の約半数を占めた。

*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値
基幹定点からの報告
- 細菌性髄膜炎:延岡保健所から1 例報告があり、年齢は0〜4 歳であった。
- マイコプラズマ肺炎:日南保健所から1 例報告があり、年齢は40 歳代であった。
保健所別 流行警報・注意報レベル基準値超過疾患
病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 令和2年3 月16 日までに検出)
細菌
ウイルス

- 発疹及び発熱の症状を呈する乳幼児からヒトヘルペスウイルス6 が分離された。ヒトヘルペス6は乳幼児の突発性発疹の原因ウイルスとして知られており、38℃以上の熱が3 日間ほど続いた後、解熱とともに鮮紅色の斑丘疹が体幹を中心に顔面、四肢に数日間出現する。一般的に予後は良好であるが、まれに脳炎、脳症など重篤な合併症を起こすこともある。
- 発熱、上気道炎及び下気道炎の症状を呈する成人からSARS-CoV-2 が検出された。
全国2020年第10週の発生動向
全数報告の感染症(全国第10週)
定点把握の対象となる5類感染症
定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比84%と減少した。なお、前週と比較して増加した主な疾患は特になく、減少した主な疾患はインフルエンザと感染性胃腸炎であった。
感染性胃腸炎の報告数は11,261 人(3.6)で前週比86%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(6.2)の約0.6 倍であった。香川県(8.2)、宮崎県、福井県、大分県(各6.3)からの報告が多く、年齢群別では1〜3 歳が全体の約4 割を占めた。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告数は9,226 人(2.9)で前週比98%とほぼ横ばいであった。例年同時期の定点当たり平均値*(2.8)の約1.1 倍であった。石川県(8.7)、富山県(7.9)、新潟県(6.7)からの報告が多く、年齢群別では3〜6 歳が全体の約6 割を占めた。
* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15 週)の平均値
月報告対象疾患の発生動向 <2020年2月>
性感染症
【宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は30人(2.3)で、前月比167%と増加した。また、昨年2月(2.4)の97%であった。
《疾患別》
- 性器クラミジア感染症:報告数18人(1.4)で、前月の約1.4倍、昨年2月の約0.8倍であった。
20〜30歳代が全体の約6割を占めた。(男性7人・女性11人)
- 性器ヘルペスウイルス感染症:報告数6人(0.46)で、前月の3.0倍であった。(男性1人・女性5人)
(前年報告なし)
- 尖圭コンジローマ:報告数1人(0.08)で、昨年2月と同率であった。(女性1人)(前月報告なし)
- 淋菌感染症:報告数5人(0.38)で前月の約1.7倍、昨年2月の約0.6倍であった。(男性5人)
【全国】定点医療機関総数:982
定点医療機関からの報告総数は4,134人(4.2)で、前月比92%と減少した。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症2,321人(2.4)で前月比96%、性器ヘルペスウイルス感染症747人(0.76)で前月比93%、尖圭コンジローマ431人(0.44)で前月比85%、淋菌感染症635人(0.65)で前月比82%であった。
薬剤耐性菌
【宮崎県】 定点医療機関総数:7
定点医療機関からの報告総数は15人(2.1)で、前月比94%と減少した。また、昨年2月(1.4)の150%であった。
《疾患別》
- メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症:報告数15人(2.1)で、前月の約0.9倍、昨年2月の1.5倍であった。70歳以上が全体の約半数を占めた。
- ペニシリン耐性肺炎球菌感染症:報告なし。
- 薬剤耐性緑膿菌感染症 :報告なし。
【全国】 定点医療機関総数:479
定点医療機関からの報告総数は1,376 人(2.9)で、前月比93%と減少した。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,267 人(2.7)で前月比94%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症101人(0.21)で前月比84%、薬剤耐性緑膿菌感染症8 人(0.02)で前月と同率であった。
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