
宮崎県感染症発生動向調査2020年第35号
第22巻第35号[宮崎県35週(8/24〜8/30)全国第34週(8/17〜8/23)]
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所
宮崎県第35週の発生動向
トピックス
新型コロナウイルス感染症(指定感染症)の報告が12例あった。第34週目までの届出は346例であり、届出総数は358例となった。
全数報告の感染症(35週までに新たに届出のあったもの)
- 1類感染症:報告なし。
- 2類感染症:結核3例。
- 3類感染症:報告なし。
- 4類感染症:日本紅斑熱1例。
- 5類感染症:報告なし。

指定感染症(35週までに新たに届出のあったもの)
全数把握対象疾患累積報告数(2020年第1週〜35週)

( )内は今週届出分、再掲
定点把握の対象となる5類感染症
定点医療機関からの報告総数は271人(定点当たり7.5)で、前週比83%と減少した。なお、前週に比べ増加した主な疾患は感染性胃腸炎で、減少した主な疾患はA群溶血性レンサ球菌咽頭炎とヘルパンギーナであった。
インフルエンザ・小児科定点からの報告
【A群溶血性レンサ球菌咽頭炎】
報告数は62人(1.7)で、前週比71%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(1.3)の約1.4倍であった。日南(4.0)、宮崎市、延岡(3.0)保健所からの報告が多く、年齢群別は2〜5歳が全体の約半数を占めた。
【感染性胃腸炎】
報告数は134人(3.7)で、前週比120%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(6.8)の約0.6倍であった。小林(7.0)、都城(5.2)、日南(5.0)保健所からの報告が多く、年齢群別は1〜2歳が全体の約3割を占めた。
*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均

基幹定点からの報告
保健所別 流行警報・注意報レベル基準値以上の疾患
病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 令和2年8月31日までに検出)
細菌

腸管出血性大腸菌(EHEC)が6件分離された。腸管出血性大腸菌による感染症は、一般に気温の高い初夏から晩秋にかけて多く発生する。この時期は、細菌の増殖に適した気温であり、体力の低下や食品の不衛生な取扱いなどの条件が重なることで発生しやすくなるため、注意する必要がある。感染経路は経口感染で、100個程度の少ない菌数で感染し、免疫力の低い子どもや高齢者は重症化しやすい傾向にある。感染症の予防には、手洗い及び食品の衛生管理に十分注意することが重要である。
ウイルス
全国2020年第34週の発生動向
全数報告の感染症(全国第34週)

※新型コロナウイルス感染症の全国の報告数について、現在、発生届の報告を新システム(新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(HER-SYS))へ移行中のため、移行が終了するまで掲載を控えさせていただきます。
定点把握の対象となる5類感染症
定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比148%と増加した。なお、前週と比較して増加した主な疾患は感染性胃腸炎、手足口病及び流行性耳下腺炎で、減少した主な疾患は特になかった。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告数は1,664人(0.5)で前週比151%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(1.1)の約0.5倍であった。宮崎県(2.4)、福岡県(1.9)、山形県(1.5)からの報告が多く、年齢群別では3歳から6歳が全体の約半数を占めた。
ヘルパンギーナの報告数は1,295人(0.4)で前週比105%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(1.5)の約0.3倍であった。佐賀県(6.4)、熊本県(3.0)、福岡県(2.7)からの報告が多く、年齢群別では1歳から2歳が全体の約7割を占めた。
* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15 週)の平均値
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