
宮崎県感染症発生動向調査2023年第10号
第25巻第10号 [宮崎県第10週 (3/6〜3/12) 全国第9週(2/27〜3/5)]
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県感染症対策課
宮崎県衛生環境研究所
令和5年第10週の発生動向
トピックス
- 第10週の梅毒(全数報告の感染症)の報告が10例と多くなっている。診断週による累積報告数は29例と、1999年以降最も多くなった前年(116例)の第10週時点(17例)を超える報告数となっており、今後の増加が懸念される。
性別は男性が17例、女性が12例で、年齢群別では、30歳代が全体の約4割を占めている。また、保健所別では宮崎市保健所管内からの報告が最も多く、21例となっている。

- 新型コロナウイルス感染症(新型インフルエンザ等感染症)の報告が605例あり、先週(716例)の約0.8倍であった。2023年の累積報告数は54,648例となった。※詳細は宮崎県新型コロナウイルス感染症特設サイトを御覧ください。
全数報告の感染症(10週までに新たに届出のあったもの)
- 1類感染症:報告なし。
- 2類感染症:報告なし。
- 3類感染症:報告なし。
- 4類感染症:報告なし。
- 5類感染症:急性脳炎1例、梅毒10例。

全数把握対象疾患累積報告数(2023年第1週〜第10週)

( )内は今週届出分、再掲
定点把握の対象となる5類感染症
・定点医療機関からの報告総数は990人(定点当たり22.7)で、前週比99%とほぼ横ばいであった。なお、前週に比べ増加した主な疾患はA群溶血性レンサ球菌咽頭炎で、減少した主な疾患は感染性胃腸炎であった。
インフルエンザ・小児科定点からの報告
【インフルエンザ】
報告数は544人(9.4)で、前週比106%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(3.7)の約2.5倍であった。日向(16.8)、延岡(15.7)、高鍋(11.0)保健所からの報告が多く、年齢群別は5歳から9歳が全体の約4割を占めた。
【感染性胃腸炎】
報告数は341人(9.5)で、前週比90%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(8.5)の約1.1倍であった。小林(18.3)、宮崎市(11.0)、都城(10.7)保健所からの報告が多く、年齢群別は1歳から4歳が全体の約半数を占めた。
*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均

基幹定点からの報告
保健所別 流行警報・注意報レベル基準値以上の疾患
全国2023年第9週の発生動向
全数報告の感染症
定点把握の対象となる5類感染症
定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比93%と減少した。なお、前週と比較して増加した主な疾患はRSウイルス感染症で、減少した主な疾患は水痘とヘルパンギーナであった。
インフルエンザの報告数は50,235人(10.2)で前週比90%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(5.7)の約1.8倍であった。石川県(33.8)、岩手県(33.4)、富山県(26.3)からの報告が多く、年齢群別では5歳から9歳が全体の約4割を占めた。
感染性胃腸炎の報告数は18,753人(6.0)で前週比96%とほぼ横ばいであった。例年同時期の定点当たり平均値*(4.4)の約1.4倍であった。愛媛県(13.8)、大分県(11.7)、富山県(11.2)からの報告が多く、年齢群別では1歳から4歳が全体の約半数を占めた。
* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15 週)の平均値
月報告対象疾患の発生動向 <2023年2月>
性感染症
【宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は27人(2.1)で、前月比113%と増加した。また、昨年2月(3.6)の約0.6倍であった。
《疾患別》
- 性器クラミジア感染症:報告数15人(1.2)で、前月と同率、昨年2月の約0.7倍であった。
20歳代が全体の約半数を占めた。(男性9人・女性6人)
- 性器ヘルペスウイルス感染症:報告数7人(0.54)で、前月の約2.3倍、昨年2月の約0.8倍であった。(女性7人)
- 尖圭コンジローマ:報告数1人(0.08)で、前月と同率、昨年2月の0.5倍であった。(男性1人)
- 淋菌感染症:報告数4人(0.31)で、前月の0.8倍、昨年2月の約0.3倍であった。(男性4人)

【全国】
定点医療機関からの報告総数は4,267人(4.3)で、前月比95%とほぼ横ばいであった。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症2,380人(2.4)で前月比96%、性器ヘルペスウイルス感染症670人(0.68)で前月比96%、尖圭コンジローマ526人(0.54)で前月比106%、淋菌感染症691人(0.70)で前月比81%であった。
薬剤耐性菌
【宮崎県】 定点医療機関総数:7
定点医療機関からの報告総数は24人(3.4)で、前月比104%とほぼ横ばいであった。また、昨年2月(3.4)と同率であった。
《疾患別》
- メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症:報告数24人(3.4)で、前月と同程度、昨年2月と同率であった。いずれも70歳以上であった。
- ペニシリン耐性肺炎球菌感染症:報告なし。
- 薬剤耐性緑膿菌感染症 :報告なし。
【全国】
定点医療機関からの報告総数は1,289人(2.7)で、前月比84%と減少した。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,209人(2.5)で前月比83%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症70人(0.15)で前月比100%、薬剤耐性緑膿菌感染症10人(0.02)で前月比100%であった。
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