
                    宮崎県感染症発生動向調査2023年第20号
                    
                      第25巻第20号  [宮崎県第20週 (5/15〜5/21)  全国第19週(5/8〜5/14)]
                      宮崎県感染症週報
                      宮崎県感染症情報センター
                        宮崎県感染症対策課
                        宮崎県衛生環境研究所
                     
                    令和5年第20週の発生動向
                    トピックス
                    
                      
                      
                        - 梅毒(全数報告の感染症)の報告数が昨年と比べて多くなっている。診断週による累積報告数は68例と、1999年以降最も多くなった前年(116例)の第20週時点(27例)を超えており、今後も増加が懸念される。
 性別は男性が40例、女性が28例で、年齢群別では、20歳代から30歳代が全体の約6割を占めている。また、保健所別では宮崎市保健所管内からの報告が最も多く、47例となっている。
  
 
                    全数報告の感染症(20週までに新たに届出のあったもの)
                    
                      
                        - 1類感染症:報告なし。
- 2類感染症:結核2例。
- 3類感染症:報告なし。
- 4類感染症:報告なし。
- 5類感染症:ウイルス性肝炎2例、急性脳炎2例、後天性免疫不全症候群1例、侵襲性肺炎球菌感染症1例、梅毒5例。 
  
 
                     
                    全数把握対象疾患累積報告数(2023年第1週〜第20週)
                    
                      
                      (   )内は今週届出分、再掲
                     
                    定点把握の対象となる5類感染症
                    
                      ・定点医療機関からの報告総数は1,115人(定点当たり27.3)で、前週比153%と増加した。なお、前週に比べ増加した主な疾患はインフルエンザ、RSウイルス感染症、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎及びヘルパンギーナで、減少した主な疾患は特になかった。
                     
                    インフルエンザ・小児科定点からの報告
                    
                      【新型コロナウイルス感染症】
                      報告数は134人(2.3)で、前週比112%と増加した。高千穂(17.0)、延岡(2.6)、高鍋(2.5)保健所からの報告が多く、年齢群別は15歳未満が全体の約4割を占めた。
                      【インフルエンザ】
                      報告数は263人(4.5)で、前週比192%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.20)の約22.7倍であった。小林(10.5)、中央(9.5)、都城(7.1)保健所からの報告が多く、年齢群別は15歳未満が全体の約8割を占めた。 
                      【ヘルパンギーナ】
                      報告数は170人(4.7)で、前週比218%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.66)の約7.1倍であった。宮崎市(9.1)、延岡(5.5)、都城(4.2)保健所からの報告が多く、年齢群別は1歳から3歳が全体の約8割を占めた。
                      *過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均
                      
                      
                     
                    
                    基幹定点からの報告
                    
                    保健所別 流行警報・注意報レベル基準値以上の疾患
                    
                    病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 令和5年5月22日までに検出)
                    細菌
                    
                    ウイルス
                    
                      
                      ○インフルエンザ陰性と診断された1名からインフルエンザウイルスAH3が分離された。感染の初期または感染後一定期間経過後に検体を採取した場合、ウイルス量が少なく偽陰性を呈することがあるため注意が必要である。
                      
                     
                    新型コロナウイルスゲノム解析結果情報(衛生環境研究所微生物部)
                    
                      
                      その他のXBB系統も含むXBB系統(22件)は第20週で56%でした。なお、今週は集団での感染が疑われる事例が含まれており、ゲノム解析結果が集団内で同一株であったことを考慮し、1集団を1件と数えると総数が31件となり、XBB系統(22件)は71%を占めています。
                        「X」で始まる名前は遺伝子組換えで発生した系統に付けられます。
                        XBBはBJ.1(BA.2.10.1系統)/BM.1.1.1(BA.2.75.3系統)の組換え株です。
                        ゲノム解析は概ね前週の検体を用いて実施しています。なお、解析検体数が多くない場合は割合の変動が大きくなります。
                        衛生環境研究所においては、県内医療機関の協力のもと、新型コロナウイルスのPCR陽性となった検体を毎週収集し、ゲノム解析を実施しています。 
                      
                     
                    全国2023年第19週の発生動向
                    
                    全数報告の感染症
                    
                    定点把握の対象となる5類感染症
                    
                      定点医療機関当たりの患者報告総数は前週(新型コロナウイルス感染症については、定点医療機関からの第18週の報告数をもとに国が算出した参考値を使用)比133%と増加した。なお、前週と比較して増加した主な疾患は咽頭結膜熱、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎及び伝染性紅斑で、減少した主な疾患はインフルエンザであった。
                      咽頭結膜熱の報告数は1,443人(0.46)で前週比164%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.28)の約1.6倍であった。富山県(1.00)、福井県(0.96)、鹿児島県(0.96)からの報告が多く、年齢群別では6ヵ月から3歳が全体の約8割を占めた。
                      ヘルパンギーナの報告数は1,034人(0.33)で前週比118%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.05)の約6.6倍であった、佐賀県(3.6)、宮崎県(2.2)、長崎県(1.5)からの報告が多く、年齢群別では1歳から4歳が全体の約8割を占めた。
                      * 過去5年間の当該週、前週、後週(計15 週)の平均値
                     
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