
宮崎県感染症発生動向調査2023年第27号
第25巻第27号 [宮崎県第27週 (7/3〜7/9) 全国第26週(6/26〜7/2)]
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県感染症対策課
宮崎県衛生環境研究所
令和5年第27週の発生動向
トピックス
- 梅毒(全数報告の感染症)の報告数が昨年と比べて大幅に増加している。診断週による累積報告数は100例と、1999年以降最も多くなった前年(116例)の第27週時点(38例)を超えており、今後も増加が懸念される。
性別は男性が58例、女性が42例で、年齢群別では、20歳代から30歳代が全体の約6割を占めている。また、保健所別では宮崎市保健所管内からの報告が最も多く、67例となっている。

全数報告の感染症(27週までに新たに届出のあったもの)
- 1類感染症:報告なし。
- 2類感染症:結核1例。
- 3類感染症:報告なし。
- 4類感染症:報告なし。
- 5類感染症:梅毒4例。

全数把握対象疾患累積報告数(2023年 第1週〜第27週 保健所受理分)

( )内は今週届出分、再掲
定点把握の対象となる5類感染症
・定点医療機関からの報告総数は2,138人(定点当たり44.4)で、前週比119%と増加した。なお、前週に比べ増加した主な疾患はインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症、咽頭結膜熱及びA群溶血性レンサ球菌咽頭炎で、減少した主な疾患はRSウイルス感染症であった。
インフルエンザ・小児科定点からの報告
【新型コロナウイルス感染症】
報告数は928人(16.0)で、前週比166%と増加した。高千穂(33.0)、延岡(24.4)、中央(22.0)、宮崎市(17.8)保健所からの報告が多く、年齢群別は別グラフに示す。
【インフルエンザ】
報告数は512人(8.8)で、前週比120%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.07)の約119.3倍であった。中央(23.0)、宮崎市(16.4)、都城(11.7)保健所からの報告が多く、年齢群別は別グラフに示す。
【ヘルパンギーナ】
報告数は207人(5.8)で、前週比98%とほぼ横ばいであった。例年同時期の定点当たり平均値*(0.60)の約9.6倍であった。小林(15.3)、延岡(8.3)、日向(7.3)保健所からの報告が多く、年齢群別は1歳から3歳が全体の約6割を占めた。
*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均


基幹定点からの報告
保健所別 流行警報・注意報レベル基準値以上の疾患
新型コロナウイルスゲノム解析結果情報(衛生環境研究所微生物部)

XBB系統は第27週で約95%を占め、特にXBB.1.16系統が約36%を占めた。
「X」で始まる名前は遺伝子組換えで発生した系統に付けられる。
XBBはBJ.1(BA.2.10.1系統)/BM.1.1.1(BA.2.75.3系統)の組換え株である。
ゲノム解析は概ね前週の検体を用いて実施している。なお、解析検体数が多くない場合は割合の変動が大きくなる。
衛生環境研究所においては、県内医療機関の協力のもと、新型コロナウイルスのPCR陽性となった検体を毎週収集し、ゲノム解析を実施している。
全国2023年第26週の発生動向
全数報告の感染症
定点把握の対象となる5類感染症
定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比106%と増加した。なお、前週と比較して増加した主な疾患は新型コロナウイルス感染症とヘルパンギーナで、減少した主な疾患は水痘と流行性耳下腺炎であった。
新型コロナウイルス感染症の報告数は35,737人(7.2)で前週比118%と増加した。沖縄県(48.4)、鹿児島県(13.5)、千葉県(9.9)からの報告が多く、年齢群別では20歳未満が全体の約3割を占めた。
ヘルパンギーナの報告数は20,360人(6.5)で前週比112%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.64)の約10.2倍であった。宮城県(15.9)、三重県(12.4)、鹿児島県(11.0)からの報告が多く、年齢群別では1歳から5歳が全体の約8割を占めた。
* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15 週)の平均値
PDFファイルダウンロード