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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2023年第28号

第25巻第28号 [宮崎県第28週 (7/10〜7/16) 全国第27週(7/3〜7/9)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県感染症対策課
宮崎県衛生環境研究所

令和5年第28週の発生動向

全数報告の感染症(28週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核2例。
  • 3類感染症:報告なし。
  • 4類感染症:報告なし。
  • 5類感染症:ウイルス性肝炎1例、クロイツフェルト・ヤコブ病1例、梅毒1例。

 

全数把握対象疾患累積報告数(2023年 第1週〜第28週 保健所受理分)

(   )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

・定点医療機関からの報告総数は2,361人(定点当たり47.9)で、前週比108%と増加した。なお、前週に比べ増加した主な疾患は新型コロナウイルス感染症で、減少した主な疾患はRSウイルス感染症、咽頭結膜熱、感染性胃腸炎及びヘルパンギーナであった。

インフルエンザ・小児科定点からの報告
【新型コロナウイルス感染症】

報告数は1,206人(20.8)で、前週比130%と増加した。高千穂(37.5)、日南(27.6)、延岡(25.9)保健所からの報告が多く、年齢群別は別グラフに示す。

【インフルエンザ】

報告数は536人(9.2)で、前週比105%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.05)の約184.8倍であった。日南(23.4)、宮崎市(15.1)、中央(15.0)保健所からの報告が多く、年齢群別は別グラフに示す。

【ヘルパンギーナ】

報告数は168人(4.7)で、前週比81%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.67)の約7.0倍であった。小林(14.7)、延岡(7.3)、日向(6.8)保健所からの報告が多く、年齢群別は1歳から5歳が全体の約8割を占めた。

*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均

基幹定点からの報告

○無菌性髄膜炎:日向保健所より1例報告があり、年齢は10歳代であった。

保健所別 流行警報・注意報レベル基準値以上の疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 令和5年7月17日までに検出)

細菌

○5〜9歳男児及び10歳代の男性から腸管出血性大腸菌(EHEC O26:H11 VT1)が検出された。腸管出血性大腸菌による感染症は、一般に初夏から晩秋にかけて多発することから、今後の発生動向に注意する必要がある。なお、宮崎県では毎年、保育園等でEHECの集団感染が発生しており、食べ物を介した感染だけではなく、簡易用ミニプール水等を介した感染等にも注意する必要がある。保育施設においては、厚生労働省「保育所における感染症対策ガイドライン」2018年3月改訂(2021年8月一部改訂)を参照されたい。

ウイルス

新型コロナウイルスゲノム解析結果情報(衛生環境研究所微生物部)

XBB系統は第28週で約95%を占め、特にXBB.1.16系統が約51%を占めた。
「X」で始まる名前は遺伝子組換えで発生した系統に付けられる。
XBBはBJ.1(BA.2.10.1系統)/BM.1.1.1(BA.2.75.3系統)の組換え株である。
ゲノム解析は概ね前週の検体を用いて実施している。なお、解析検体数が多くない場合は割合の変動が大きくなる。
衛生環境研究所においては、県内医療機関の協力のもと、新型コロナウイルスのPCR陽性となった検体を毎週収集し、ゲノム解析を実施している。

全国2023年第27週の発生動向

全数報告の感染症

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比111%と増加した。なお、前週と比較して増加した主な疾患はインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症及びヘルパンギーナで、減少した主な疾患は感染性胃腸炎と伝染性紅斑であった。

インフルエンザの報告数は8,193人(1.7)で前週比132%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.06)の約30.0倍であった。鹿児島県(27.3)、長崎県(9.1)、宮崎県(8.8)からの報告が多く、年齢群別では15歳未満が全体の約8割を占めた。

新型コロナウイルス感染症の報告数は45,108人(9.1)で前週比126%と増加した。沖縄県(41.7)、鹿児島県(17.2)、宮崎県(16.0)からの報告が多く、年齢群別では20歳未満が全体の約4割を占めた。

* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15 週)の平均値

月報告対象疾患の発生動向 <2023年6月>

性感染症

【宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は44人(3.4)で、前月比88%と減少した。また、昨年6月(2.2)の約1.5倍であった。

《疾患別》

  • 性器クラミジア感染症:報告数25人(1.9)で、前月の約0.8倍、昨年6月の約1.7倍であった。20歳代が全体の約7割を占めた。(男性5人・女性20人)
  • 性器ヘルペスウイルス感染症:報告数6人(0.46)で、前月と同率、昨年6月の約1.5倍であった。(男性1人・女性5人)
  • 尖圭コンジローマ:報告数7人(0.54)で、前月の約3.5倍、昨年6月の約7.0倍であった。(女性7人)
  • 淋菌感染症:報告数6人(0.46)で、前月の0.5倍、昨年6月の約0.7倍であった。(男性2人・女性4人)

【全国】
定点医療機関からの報告総数は5,091人(5.2)で、前月比103%とほぼ横ばいであった。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症2,871人(2.9)で前月比105%、性器ヘルペスウイルス感染症835人(0.85)で前月比105%、尖圭コンジローマ610人(0.62)で前月比100%、淋菌感染症775人(0.79)で前月比93%であった。

薬剤耐性菌

【宮崎県】 定点医療機関総数:7
定点医療機関からの報告総数は17人(2.4)で、前月比85%と減少した。また、昨年6月(2.9)の約0.9倍であった。

《疾患別》

  • メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症:報告数17人(2.4)で、前月及び昨年6月の約0.9倍であった。70歳以上が全体の約半数を占めた。
  • ペニシリン耐性肺炎球菌感染症:報告なし。
  • 薬剤耐性緑膿菌感染症 :報告なし。

【全国】
定点医療機関からの報告総数は1,319人(2.8)で、前月比99%とほぼ横ばいであった。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,213人(2.6)で前月比100%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症95人(0.20)で前月比83%、薬剤耐性緑膿菌感染症11人(0.02)で前月比100%であった。

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