課
題
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研
究
期
間
・
評
価 |
本県における重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に関する実態調査
研究期間
平成26年度〜平成28年度
評価:4
(高く評価できる) |
意見1 |
抗体陽性が4例あるのでウィルスがいることの証明にはなっているのでしょうか。野生の動物で検査できれば良いのでしょうが。 |
対応 |
抗体陽性は、ウイルスがいた(ウイルスに感染した)証明になると思われます。野生動物については検討中で、検体の保存、運搬方法等支障がクリア出来れば実施したいと考えています。 |
意見2 |
SFTSVの県内分布状況を把握するためには、捕獲された野生動物や家畜、伴侶動物に寄生するマダニとそれら動物が保有するウイルスまたは抗体の調査が有効だと思うので、獣医師会や関連団体と連携した調査研究を継続していただき、ヒトへの感染ルート解明に努めていただきたい。 |
対応 |
今回の犬・猫の調査に関しては宮崎県獣医師会及び所属の獣医師に多大なる御協力を頂き調査研究を進めることが出来ています。今後も獣医師会や宮崎大学、猟友会等と連携しながら、県民の為に有意義な調査を実施したいと考えているところです。 |
意見3 |
マダニはSFTSVのみならず紅斑熱等のリケッチアも保有していることから、ダニ媒介性感染症という観点からの研究も併せてお願いしたい。 |
対応 |
現在得られている犬、猫の血液等を基にこれらの関連性についても検討を行いたいと考えています。 |
意見4 |
犬、猫の調査事例を増やす必要がある。 |
対応 |
現在のところ本県北部、県央北側及び県西の一部のみですが、残りの県央南側、県南部、県西部についても順次調査を実施していく計画で、最終的には犬・猫各250匹程度検査を実施する予定にしています。 |
意見5 |
本調査研究は、以下の課題・疑問の解明に寄与するものと期待される。
@自然界におけるSFTSウイルス(SFTSV)の感染環
ASFTSV保有マダニは全国に遍在するのに、なぜ感染者は西日本20府県に偏在するのか、その理由
B宮崎県は感染者が33名で、なぜ日本一であるのか、その理由 |
対応 |
@について
調査はダニからのSFTSV遺伝子検出が必須であると考えられるため、今後更なる検討を実施していく予定にしています。
Aについて
感染者が西日本に偏在する理由の調査は、感染者のいない県との比較が必要となることから当県のみの調査は難しいと考えています。国立感染症研究所等の調査から現在出ていない東日本でも今後発生する可能性はあると考えています。
Bについて
宮崎県が患者数第1位の理由は不明ですが、平成25年から平成27年までの年間患者発生数はほぼ横ばいであり、一例として全国第2位の患者数である愛媛県では、SFTSに対する啓発活動で患者発生数が大幅に減少しており、感染症対策室も含めて調査結果をいかに県民に周知させるかも大切であると考えています。 |
意見6 |
方法論としては、春から秋の、マダニの活動期であり、感染者も多発する時期に、発生した患者の生活環境を対象にスポット調査する、というのは如何であろう(一部日南で行われたように)。
また、シカとの接点は如何であろうか(他県との比較上) |
対応 |
スポット調査は現在も実施しておりますが、他の発生地についても可能な限りスポット調査を実施していきたいと考えています。野生動物に関する調査についても、採血した検体の保存、輸送問題等、調査上の支障についてクリア出来れば、実施したいと考えているところです。 |
意見7 |
マダニが冬季でも活動し感染症を引き起こす可能性があることなどを明らかにしており、県民への冬季におけるマダニ対策についても広報活動をしっかりおこなっていただきたい。 |
対応 |
今回の中間報告、過去の調査結果及び今年度実施予定の調査結果については取り纏めを行い、所報や研修会、また感染症対策室と協力し県HP等で広く県民への広報を実施したいと考えています。 |
意見8 |
ペット動物の1〜3%がマダニに噛まれてSFTSウイルスに感染した形跡が認められており、ペットに対するマダニ対策についても提言していることは、高く評価される。 |
対応 |
今回の犬・猫関連の調査は飼い主への意識調査と、調査結果を基にした飼い主へのSFTSに対する情報提供、防除方法の周知が目的の一つとしてあります。調査が全てまとまった後は衛生管理課や獣医師会と協力して小動物臨床病院等を通じて飼い主への周知を行えればと考えているところです。 |