課
題
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研
究
期
間
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評
価 |
本県に生息するデングウイルス媒介蚊の生息状況及び蚊からのウイルス検出に関する研究
研究期間
平成27年度〜平成29年度
評価:4
(高く評価できる) |
意見1 |
県内で捕捉されたヒトスジシマカのデングウイルスが陰性であった調査結果は、県民にとって重要な情報であることから、今後も調査継続が望まれる。 |
対応 |
国内におけるデング熱の輸入感染者数は年々増加傾向にあり、県内でもデング熱の輸入感染が報告されていることから、今後も蚊のモニタリング調査を実施することは当所としても必要であると考えております。しかしながら、当該調査は、国庫予算1/2を含む県の事業として取り組んでいることから、最終的には事務局である感染症対策室と協議の上、決定したいと考えております。 |
意見2 |
蚊の生息状況調査は、対象とする蚊の行動習性をふまえ、採取時間帯、採取場所の条件を各保健所で統一するなど、研究精度を高めていただきたい。 |
対応 |
採取条件の統一は、各保健所の業務の都合上、難しいところがありますが、御指摘のとおり、対象とする蚊によって行動習性が異なるため、ヒトスジシマカの昼間吸血性という習性を考慮した上で、今後モニタリング調査を実施したいと考えております。 |
意見3 |
ネッタイシマカは、東南アジアでは優先種であり、地球温暖化による生息北限の北上が予想され、九州でも5月から10月の間は生息可能とされているので、宮崎空港及びその周辺ではネッタイシマカも意識しておく必要があるのではないか。 |
対応 |
宮崎空港における蚊の調査は、福岡検疫所宮崎空港出張所が行っているため、検疫所との情報交換を行っていきたいと考えております。 |
意見4 |
今後、メスの成虫に加えて、幼虫(ボウフラ)の分布も調査対象とし、その調査結果を発生源対策による抜本的媒介蚊防除対策に反映させては如何であろう。 |
対応 |
御指摘のとおり、幼虫がどこに発生しているかを知ることは、蚊を防除する必要が出てきた場合に重要な情報となるため、今年度の宮崎県蚊媒介感染症対策会議での協議の中で、検討していきたいと考えております。 |
意見5 |
デング熱は日本に定着している懸念がありましたが、まだ大丈夫でしょうか。 |
対応 |
デング熱の国内感染は2014年以来報告されていないため、定着している可能性は低いと思われます。しかし、国内のデング熱輸入感染報告数は増加していることに加え、ヒトスジシマカの生息域の北限の上昇も報告されていることから、いつ定着してもおかしくない状況ではあると考えられます。 |
意見6 |
冬でも気温の高い繁華街ではシマカは越冬できないのでしょうか。 |
対応 |
シマカを含む蚊の活動は、22℃〜31℃が適温であり、冬の繁華街は場所によってはこの温度条件を満たす可能性がありますが、下草や灌木があるところといった気温以外の条件も必要とされていますので、この条件を満たさない繁華街では越冬できる可能性は低いと考えられます。 |
意見7 |
デングウイルスのみならず、他の蚊媒介感染症も考慮した複数ウイルスを一斉検出する方法の検討といった取り組みも、積極的に県民に広くアピールしていただくことが大切ではないか。 |
対応 |
他の蚊媒介感染症も含め、一斉に検出する検査方法を構築することは、デング熱以外の患者発生に備えることができ、かつ、検査効率を向上することとなるため、今後も努力してまいります。 |
意見8 |
ダニ媒介性ウイルス感染症やリケッチア症といった昆虫媒介性の感染症が宮崎県では常態化していることから、単に調査結果を示すだけでなく、防除対策を含めた衛生管理の方法を広報などを通じて広く県民に周知してもらうための工夫をお願いしたい。 |
対応 |
ダニ媒介性ウイルス感染症等の調査研究は当所でも実施しており、その結果に基づき、感染症対策室が県民に周知を行っております。今回の調査結果も、関係機関と情報を共有した上で、適宜周知してまいります。 |