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●国産大麦100%へのこだわり。神話の里から良質の焼酎を | 神楽酒造株式会社(高千穂町) |
●旨い焼酎の基本は水にあり。県内で最も歴史の古い酒造場 | 姫泉酒造合資会社(日之影町) |
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「酒づくりの命はなんといっても『水』。先祖がこの場所に蔵を構えたのも、いい水が採れるという理由に尽きるでしょう」。酒造場のすぐ裏手、五ヶ瀬川を挟んだ対岸の岩山にある水源地を指して、姫泉酒造の代表・姫野健夫さんは話す。 ![]()
創業は天保2年(1831年)と県内の酒蔵の中では最も古い歴史をもつ。岩山から引き込まれる自慢の水は、千数百年前の阿蘇の大噴火でできた岩層をくぐった湧水で、適度なミネラル分を含み、味はすっきりとまろやか。同蔵の仕込み水、割水(原酒を薄めるときに使う水)には、すべてこの水が用いられている。 |
●焼酎のパイオニアがめざす、人・自然・環境が調和したものづくり | 雲海酒造株式会社(宮崎市) |
焼酎が全国に広がるきっかけとなった、'70年代の第1次焼酎ブーム。その牽引役となったのが、そば焼酎『雲海』だ。'67年(昭和42年)に従業員7人でスタートした雲海酒造は、'73年、五ヶ瀬町の特産品であるそばを原料に日本で初めてそば焼酎『雲海』を開発。ソフトな飲み口で、関東・関西のビジネスマンの間でも大きな支持を得た。「美味しい焼酎になる何か新しい原料はないか」という探求から生まれたそば焼酎。飲み手本位の焼酎造りへの姿勢は今も変わらず、現在では、県内メーカー第1位、全国の本格焼酎市場でも第2位の業界最大手に。![]() 全国区焼酎のパイオニアが次に目指すのは、「造り手の顔がみえ、自然と調和した」焼酎づくり。杜氏の横顔や焼酎の造り方、原料などを細かく記したパンフレットを作成しているほか、環境面の取り組みとして、焼酎粕を自社で肥料化・飼料化するプラントもいち早く整備した。『雲海』というブランドを全国区に育てた雲海酒造が、今、原点に立ち返り、蔵としての誠実なものづくりへの姿勢そのものを、全国に発信している。 |
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●麹の原料となる米まで手造り。心まで酔わす焼酎を目指す | 明石酒造株式会社(えびの市) |
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えびの市は、鹿児島県にも近いことから、昔から本格焼酎が飲まれていたのだろうと想像していたが、昭和初期までは甲類焼酎が中心で、しかも県外の酒が多く飲まれていたという。「地元の蔵で地元で飲まれる本格焼酎を」と、'50年(昭和25年)、芋焼酎をベースに、米焼酎をわずかにブレンドした本格焼酎『明月』を発売。喉越しが良く、すっきりとした後味で多くの支持を得ている。![]() 「少々クセはあるけれど、香りがよく、甘みがあるのが芋焼酎。最近の焼酎ブームで、都会の人にも受け入れられているのはうれしく思います。おかげさまで県外からの注文も増えていますが、今以上に設備を大きくするつもりはありません。これまで同様、地元の人が気軽に飲める酒として、じっくりといいものを造っていきたいと思います」と話す明石さん。社是であり、蔵のキャッチフレーズである「心まで酔わす」焼酎づくりはこれからも続く。 |
●原点回帰でよみがえった黒麹が、本格焼酎の新しい魅力を開く | 霧島酒造株式会社(都城市) |
黒麹仕込みの本格焼酎が人気だ。現在では、多くの蔵が黒麹焼酎を発売し、芋焼酎人気を支えているが、『黒霧島』こそがこのブームの立て役者だ。 黒麹は、焼酎のルーツとされる泡盛に用いられている麹で、大正5年、創業者江夏吉助が最初に世に送り出した焼酎も黒麹仕込みだったが、後に刺激臭の少ない白麹に取って代わられ、昭和24年以降、長きにわたって姿を消す。『黒霧島』が発売された'98年は、折しもプレミア本格焼酎が注目を浴びだした頃。「においが苦手」という芋焼酎のマイナスイメージをどうしたら払拭できるか、難産の末に誕生したのが『黒霧島』である。 ![]() 今では酒税法でも正式に認められている『本格焼酎』という呼び方を提唱したのは、前社長 江夏順吉だ。巡り合う歴史が生んだ『黒霧島』。古くて新しいこの焼酎を飲めば、焼酎のルーツが味わえる。 |
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●甕による長期貯蔵に情熱を注ぐ | 井上酒造株式会社(南郷町)/櫻の郷醸造合名会社(北郷町) |
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![]() また、コンピュータ制御による近代的な製造ラインを20数年前にいち早く導入する一方で、最近では、地域の焼酎文化を継承すべく、昔ながらの蔵を再現した「焼酎道場」も開設し、社内スタッフや関係者の研修の場として開放している。そんな寺田さんが今、もう一つ大きな理想を掲げて取り組んでいるのが、大甕による焼酎の長期貯蔵熟成だ。 「焼酎がウイスキーなどと同じ税率になった今、焼酎が世界の蒸留酒と肩を並べ、勝ち残っていくために残された手段は、東洋の長期熟成酒の原点でもある甕貯蔵であると思っています」と寺田さん。櫻の郷醸造にある三階建ての貯蔵庫には、全国でも類をみないという一基500リットル・計3000基の大甕が蔵出しの時を待ち、静かに眠っている。 |
●農業の延長線上にある焼酎づくり。原料にこだわり個性を放つ | 京屋酒造有限会社(日南市) |
日南市の郊外を西に車を走らせると、一面に広がる唐芋畑が見えてくる。9町歩(9ヘクタール)ほどの畑で作られているのは、京屋酒造の人気銘柄『甕雫』、『時代蔵かんろ』、『平八郎』などの原料となる紅寿(ベニコトブキ)だ。![]() 生産量は年間約2500石(1升瓶25万本分)と小規模な蔵であるが、「味」で明確に訴えられる商品を造ろうと、原料以外にも、芋の皮のむき方やヘタの処理などを工夫。麹や蒸留法などもアレンジし、現在は芋焼酎だけで5種類ある原酒をブレンドして造られる焼酎はそれぞれに個性を放つ。 最近では、全国のコンビニでも販売を開始。「世の中はボーダーレス。小さい会社でも全国に出ていける時代です」と渡邊さん。質を重視し、付加価値の高いものづくりを行うこだわりの姿勢は、これからの農業にも元気を与えてくれることだろう。 |
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