3-3 北 川 層 群

分布・岩質

 北川層群は,延岡市北東方の海岸部から延岡市北西方の行縢にかけて広く分布する.北川層群は,延岡衝上断層の上盤に位置する千枚岩および砂岩泥岩互層の卓越する地層で,砂岩と,少量の玄武岩質火山岩類を伴う.

 千枚岩には槙峰層群の千枚岩と同様に非常に片状構造が発達しており,薄くはがれやすくなっている.千枚岩は砂岩のラミナや薄い砂岩層を伴うが,砂岩等のブロックを含むことは稀である. この千枚岩は片状面に光沢を持っており,線構造も発達しており,延岡衝上断層を介して南側に分布する日向層群とは,比較的容易に識別される.しかしながら,露頭で岩質等の点で白亜系槙峰層群の千枚岩と区別することはできなかった.

 砂岩は片状構造を持っており,槙峰層群のものに比べて石英質であるとされている(奥村ほか,1985).砂岩泥岩互層も片状構造を持っているが,互層状態ははっきりと認められる. 延岡市北方の的野で,玄武岩質火山岩類と,乱雑層(地質図に未表示)の小分布が認められる. 

時代

 延岡市北東方の千枚岩から,Theocotyle ficus,Calocyclas sp.,Podocyrtis sp.,Heliodiscus sp.などの古第三紀始新世と考えられる放散虫化石が報告されている(小川内ほか,1984).また,奥村ほか(1985)によると,北川層群に含まれる砂岩は,第三系型とされている.