宮崎県季刊誌「Jaja」じゃじゃ

横峯さくらさんに聞く

プロフィール
1985年鹿児島県生まれ。小学生時代から父の指導でゴルフを始め、日本ジュニア選手権優勝(1999年、2002年)、全国高校選手権優勝(2003年)の戦績を残して、2004年プロテストに合格。個性的なスイングと日本屈指の飛距離で、ライバル宮里藍選手と人気を二分するプレーヤーに。

昨年、デビューを果たしたばかりというのに、目ざましい活躍と、夢に向かうひたむきな姿で、女子プロゴルフ界の話題の中心となった横峯さくらさん。今年3月から宮崎市に住まいを移して、さらに大きな夢に挑戦を始めたさくらさんに、今期に向けての抱負を語っていただきました。

宮崎を活動の拠点に

―活動の拠点をこれまでの鹿児島県鹿屋市から宮崎市に移すというニュースは、地元でも歓迎ムードで迎えられています。まずは、そのお話からお聞かせください。

横峯:昨年、プロテストに合格して、これからどんどん試合をしていきたいと思っているのですが、移動が主に飛行機になりますので、鹿児島空港まで2時間ほどかかる鹿屋市ではどうしても不便。父の判断もあって、今年3月から両親たちとみんなで空港のある宮崎市に住まわせていただくことにしました。父は機材などを積んだマイクロバスで移動するのですが、宮崎市ですとフェリーが発着する港も近いので、その点も良かったですね。往復にかかる時間と体力を考えれば、これから戦っていくのにとても有利になると思います。

―練習の環境も変わりそうですね。

横峯:シーガイアリゾートの中にあるラグゼ一ツ葉という施設に住みますので、練習は隣接するコースでやることになると思います。なんだか一年中、合宿をしているような感じになりそうです(笑)。

―宮崎の印象はいかがですか。

横峯:街として大きくもなく、小さくもなく、ちょうどいいところだと思います。買い物や好きな映画を見に行ったりするのも便利そうですし。事務所が東京にあるので、東京に住むことも考えたのですが、東京は便利が良さそうで案外不便なところかもしれないと思いました。コンビニに行くにも車を横付けできませんし(笑)、練習や試合への移動も、住居からの距離や時間を考えると必ずしも有利ではないなと。宮崎はプロスポーツのキャンプがあったりして施設もいいですし、全国各地へ飛行機で移動するにはとてもいい環境だと思います。食べ物もおいしいですしね。私は最近、チキン南蛮がお気に入りです。父は焼酎がおいしいと言っています(笑)。

夢に向かっていく力

―ありがとうございます。ぜひ宮崎ライフを楽しんでください。ゴルフの話に入りますが、昨年8月のプロテストでは1位合格が目標と宣言して、惜しくも1打差で2位。それでも立派な成績と思いますが、悔し涙を流されていたのが印象的でした。あの時のお気持ちは?

横峯:不合格になることはまったく考えていませんでしたし、1位以外も考えていませんでした。とにかくプロとしてたくさん試合がしたい、いい成績を残して上に行きたいという気持ちでしたので、1位合格に与えられるツアー10試合の出場権が、どうしても欲しかったのです。10試合やって、翌年のシード権(賞金ランキング50位以内)を取ることだけを考えていました。シードを取るのと、取らないのとでは雲泥の差ですから。

―あの時の涙が、横峯さくらというゴルファーの心の強さといいますか、目標に向かっていく人間の強さを印象づけたと思います。その後の頑張りでシード権を獲得されたり、ハワイでの男子の大会(パール・オープン)で好成績を収められたことも、目標を高くもつことの素晴らしさを教えてくれたと思います。ゴルフという枠を超えて、挑戦する人間としての姿に勇気をもらった人が多いと思いますが、ご自分ではどう考えてらっしゃいますか。

横峯:そういう見られ方をしているというのは、全然気づいていませんでしたので、ちょっとびっくりですね(笑)。プロスポーツ選手として光栄なことだと思いますが、まだまだ私は始まったばかりの人間ですから、真っすぐ前を向いて頑張っていくだけです。

―同年でプロテスト同期の宮里藍選手の活躍も刺激になっているようですが、意識はされていますか。

横峯:小学生時代から、高校3年生までは事あるごとに比較されましたし、たしかにライバルだったと思います。でも今は、お互いにゴルフ界を盛り上げていけたらいいねと、二人で話しています。ただ、成績は負けたくないというか、藍ちゃんが1億円プレーヤーになれたのなら自分もできると思いますし(事実、昨年の平均ストロー
クは宮里選手に続いて第3位)、尊敬するアニカ・ソレンタム選手のように、ぶっちぎりで勝てる力をつけたいと思っています。藍ちゃんも、ずっと先を見ているでしょうしね。

―最後に今シーズンの目標と、これからの夢をお聞かせください。

横峯:まずは一勝すること。それから、いよいよプロとしてスタートしたのですから、ツアー32試合、全部出るくらいのつもりで頑張っていきたいと思います。これまで練習から生活面、試合のキャディまで、あらゆる点で父と二人三脚でしたが、今年からキャディは本仮屋さんという方に代わります。相変わらず父の影響は強いですが(笑)、自立への第一歩として今まで以上の成績を残せるようにしたいですね。先日、メジャーリーグのイチロー選手にお会いする機会があったのですが、とても刺激を受けました。私も将来は、イチロー選手のように世界で通用するプレーヤーになりたいと思っています。あと、個人的なことですが車の免許を取りたいですね。練習のつもりでカートで走り回っているところです(笑)。

―本日はありがとうございました。ご活躍を期待しています。

サインをする横峯さくらさん

2月14日
宮崎市の宮崎観光ホテルにて