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掲載開始日:2021年9月22日更新日:2024年1月24日

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宮崎県の自殺対策
~誰も自殺に追い込まれることのない地域社会の実現を目指して~

本県の自殺者数は、平成19年に過去最多の394人となった後減少傾向にありましたが、近年は200人前後で推移しており、大変厳しい状況が続いています。
このような状況を踏まえ、県では、自殺対策は行政だけでなく県民一人ひとりに課せられた喫緊の課題として、知事を本部長とする「宮崎県自殺対策推進本部」を庁内に設置するとともに、保健・福祉・医療・教育・労働等の団体や機関から構成される「宮崎県自殺対策推進協議会」を設置し、官民一体となった総合的な自殺対策に取り組んでいます。

ページ目次

  1. 自殺予防に関する相談窓口(悩みのある方向け)
  2. 自死(自殺)で家族など身近な方を亡くされた方へ
  3. ひなたのキズナ“声かけ”運動
  4. 自殺の状況(統計)
  5. 自殺に関する計画や調査

自殺予防に関する相談窓口

1.ウェブサイト

2.こころの電話帳

各相談内容に対応する県内の相談窓口を掲載した「こころの電話帳」を作成し、配布しております。以下のリンク先からもダウンロードできますのでご利用ください。(市町村の保健担当課や各保健所等でもお求めいただけます。)

問い合わせ先:宮崎県精神保健福祉センター(電話番号:0985-27-5663)

3.夜間の電話相談

死にたいほど辛い気持ちをお持ちの県民の方ご本人からのご相談に応じています。

  • (1)NPO法人国際ビフレンダーズ宮崎自殺防止センター
    [相談受付日時]月、水、金、日曜日20時~23時
    [電話番号]0985-77-9090
  • (2)NPO法人宮崎いのちの電話
    [相談受付日時]月、水、金曜日21時~翌朝4時、日、火、木、土曜日18時~翌朝4時
    [電話番号]0570-783-556

4.こころの電話

特定の相談に限定することなく、様々な悩みを幅広くお受けします。
今の辛い気持ちをただ聞いてもらいたい方もお気軽にご利用ください。

  • [相談受付日時]
    月曜~金曜日(祝祭日・12月29日~1月3日を除く)9時~19時
  • [電話番号]
    0985-32-5566

5.精神科医による診療相談

事前予約制となっていますので、お手数ですが、事前に精神保健福祉センター(電話番号:0985-27-5663)までご連絡ください。

  • (1)ストレス専門診療相談
    自殺対策の一環として、メンタルヘルスに関することやストレス、うつ病等でお悩みのご本人やご家族などからの個別相談に精神科医が応じます。
    • [日時]毎月第2・3・4月曜日13時~16時
  • (2)一般診療相談
    精神科の病気、心の健康に関する問題など精神保健一般について、精神科医が相談に応じます。
    • [日時]毎月第1・3水曜日13時~16時
  • (3)薬物関連診療相談
    薬物やアルコール、ギャンブル等の問題でお悩みの方並びにご家族の方などからの相談に専門の精神科医が応じます。
    • [日時]毎月第1・3木曜日13時~16時
  • (4)思春期精神保健診療相談
    思春期の精神的不調等の問題で悩む本人並びに家族等の個別相談に専門の精神科医が応じます。
    • [日時]不定期(月2回)

6.心の健康相談

保健所でも定期的に精神科医等による心の健康相談を行なっています。

保健所名 相談日・時間 予約制 電話番号 ファックス番号
日南保健所 毎月第4木曜日
午後
事前予約制 0987-23-3141 0987-23-3014
都城保健所

毎月第3木曜日
13時30分~15時00分

事前予約制 0986-23-4504 0986-23-0551
小林保健所 毎月第4火曜日
13時30分~15時30分
事前予約制 0984-23-3118 0984-23-3119
高鍋保健所

毎月第3木曜日
14時~16時

事前予約制 0983-22-1330 0983-23-5139
日向保健所 毎月第3火曜日
13時~15時30分
事前予約制 0982-52-5101 0982-52-5104
延岡保健所 毎月第3木曜日
13時~15時
事前予約制 0982-33-5373 0982-33-5375
高千穂保健所 お問い合わせください。 事前予約制 0982-72-2168 0982-72-4786

事情により、変更などがありますので、お手数ですが事前にお問い合わせのうえ、ご予約をお願いします。

自死(自殺)で家族など身近な方を亡くされた方へ

自死遺族のつどい

大切な方を自殺で亡くされた方同士がお互いの悩みや体験などを分かち合う場としての交流会を開催しています。

知っください、自死遺族の気持ち

身近な人の自殺。それにより、「自分はあの人を助けてあげられなかった」、「あの人を死なせたのは、自分のせいだ。」など複雑な思いを持ち、そして一方では自殺に対する偏見や誤解によって、ご遺族や身近な方は傷つき、深い悲しみから立ち直れずにいます。
一説には、一人が自殺で亡くなると、影響を受ける人は数倍にもなると言われています。
もし、自分の近くに遺族の方がいたときには、「さりげなくその人の気持ちに寄り添う」ことを心がけてください。
これまで、本県では自死遺族の方が、その気持ちを表に出す機会がありませんでした。しかし、自分の気持ちを分かって欲しいとの思いから、手記という形でご協力下さいましたので、ここで紹介します。

<県内に在住する男性からの手記>

自死者:男性の父(享年64歳)

  • 経緯
    生前…口数が少なく、責任感の強い性格で、自動車学校の指導教官をしていたが、36歳の時、脳卒中で倒れ、左半身麻痺となった。
    仕事ができなくなった後も、子どもたちをきちんと育てたいという気持ちが強く、子どもたちには厳しかった。父は仕事のできない自分に相当な憤りを感じ、私は知らなかったが、母には何度か自殺をほのめかしたり、車に飛び込んだこともあった。
    2008年3月…父が大好きだった場所で首つりにより自死
  • 遺族となって思うこと
    母が60歳になり、父が年金の手続きに何度か社会保険事務所へ行なった。その手続きがかなり煩雑だったようである。何とか目処が立って、手続きが完了したのは亡くなる半月前だった。今思うと、父は安心したのかもしれない。それから、父はうつ状態になり、内科にはかかっていたが、父のサインに気づくことはできなかった。
    父が亡くなってからの私は、生きているのか死んでいるのか分からないような状態が1ヶ月ほど続いた。その時に不思議なことがあった。実家にいたら、玄関の鍵が開いて、ドアが開き、父が現れた。夢だったかも知れないが、その時、父は「○○、お前大丈夫か」と言った。私は、思わず父を抱きしめた。その感触は今も残っている。その瞬間、「終わりにせんといかん、しっかりせんといかん」と父の自殺を引きずっていた思いから吹っ切れた。母は父の死を1年ほど引きずっていたが、看護助手をしていた勤め先の医師(父の主治医)から、「もういいから、気持ちを切り替えて自分の人生を生きなさい」と言われたのをきっかけにだいぶ落ち着いた。
    偶然だと思うが、父の葬式の日は父と母の結婚記念日であり、私の結婚記念日でもあった。
    父のためにも、家族を守り精一杯生きたいと思う。
<県出身の男性からの手記>

自死者:男性の父(享年56歳)

  • 経緯
    生前…元々、飲むことが好きだった。以前はおかずの移動販売を行なっていて、仕事も順調であり、趣味も多種多様。
    1980年頃…ギャンブルやアルコールに対する欲求が抑えられなくなり、仕事も続かなくなる。父親の兄弟もギャンブルやアルコールが習慣になっていた。
    1999年7月…自宅で自死
  • 遺族の手記
    私の父は、ちょうど10年前に自殺しました。生前は、私が小学生の頃からずっと、仕事を転々とし、毎日1日中アルコールを飲み、母のお金をさがしあてては賭け事につぎ込むという、最低な父親でした。口数は少なくも、私が幼い頃は色んなところへ連れて行なってくれるとても優しい父で、大好きだった故に、だらしない父の態度が許せず、いつも父を責めてばかりいました。好き勝手な事をしていながら、どうして自殺してしまったのかと、疑問を残されたまま、このことを一生背負っていかなければならないことに、どこにもぶつけられない悔しさと寂しさを感じていました。
    ふとしたきっかけで、うつ病の姉と関わるようになり、頑張りたくても頑張れない姉の苦悩を深く知りました。ある本に、“本人の力ではどうしようも出来ない”“まわりの支えが必要だが、関わるには中途半端ではなく、しっかり責任を持って、長い目で見ていくことが大切”とあり、姉と自殺した父が切り離せない気がしました。姉のペースに合わせ、聞き役にまわり、姉の不安な要素をゆっくりほぐしていきました。そうするうちに、父の心境が分かってきたようにあります。愚痴も誰かの文句も言わなかった父は、全ての気分を賭け事とアルコールにしかぶつけられなかったのかもしれません。何年も我慢してきたのは、私たちだけではなかったのかもしれません。姉に対してのように、腹をくくって長い目で接していけば良かったと後悔しています。姉が身をもって父の苦しみを教えてくれました。
    父のためにも、絶対に姉を守ると決意しています。
<県内に在住する男性からの手記>

自死者:男性の母(享年62歳)

  • 遺族の手記
    私の母は4年前にうつ病による自殺で亡くなりました。
    それは、私たち夫婦が結婚式を挙げた2ヵ月後のことでした。その年の7月に結婚式を無事終えた頃に、私たちは母の体調が思わしくないことには気づきました。
    今から考えると、すでに4月頃から体調が良くなかったように思います。私たちも結婚式の準備等があり、自分たちのことで精一杯だったのかもしれません。母は私たちの結婚式までは何とか頑張ってくれていたのだと思います。
    7月の終わり頃になり、母が私に「精神科を受診したい」と言ってきました。それから、週1回の精神科の通院がはじまり、父と私たち夫婦とで協力し見守りました。
    1ヶ月程が経過した頃に母は夜中に車で出て行き、海に飛び込み命を落としました。その頃は母の状態も少し改善していた為、私たち家族にも油断があったように思います。「うつ病は改善してきた頃に一番自殺のリスクが高くなる」ということを私たちは知っていたにも関わらず、それを防ぐことができませんでした。自殺をした方は自分から積極的に死を選んだと考えられがちですが、私は母と接していてそうではないと感じました。「死にたい」と思うぐらい、「苦しく」「不安」だったのだと思います。それをまわりがサポートできていれば、自殺は防げたと思います。しかし、私たち家族も母のために協力し、精一杯頑張ったのも事実です。今は「お母さん助けてあげられなくてごめんなさい」という気持ちでいっぱいです。
<県内に在住する女性からの手記>

自死者:女性の父(享年42歳)

  • 経緯
    4人兄弟の末子として出生。結婚2子をもうける。性格は真面目で向上心・正義感が強く、やや柔軟性に欠ける面があった。
    交友関係は心を許せる数人と深く付き合い、社交的なタイプではなかった。しつけに厳しかった半面、優しく、家族と過ごす時間を大事にしてくれた。
    1999年春職場で昇進、家族に年長の部下の扱いに困ると漏らす。仕事を割り振ることできず、一人で抱え込むようになった。
    1999年夏抑うつ症状のため精神科病院へ通院開始。休職し、治療に専念。
    2000年1月復職数日後、体調不良にて途中退社し、病院受診、再び休職を勧められた。その直後、自宅敷地内にて縊首。遺書なし。
  • 遺族の手記
    私にとって尊敬する、素晴らしい父親でした。でも、自殺したと知れば、きっと他人は父のことを誤解する。自分の中にそういう思いがあり、自殺のことを誰にも話すことができませんでした。
    父の自殺直後、「私が一緒にいれば死ななかった。」という思いに駆られ、後悔と自責の念がとめどなく湧きあがりました。苦しんで苦しんで、一人で冷たくなっていった父のことを思うと胸が張り裂けそうでした。
    父にすまないと思うのと同時に自分は父に捨てられたとも感じるようになりました。どこにもぶつけようのない感情は怒りや憎しみとなって自分、父、通院先の病院、職場、社会へと広がっていきました。次第に外の世界との接触が煩わしく思えてきて、他人との交流を避けるようになりました。
    私は父を失った当初、私の体験したことや私の気持ちを理解してくれる人は絶対にいないと殻に閉じこもり、自分の気持ちに蓋をして何事もなかったかのように表面的には繕って生活していました。
    でも日常のふとした場面で父の顔が頭をよぎり、涙が溢れて何も手につかなくなってしまうことがありその度に隠れて泣きました。家族には決して自分の落ち込む姿を見せまいと思っていました。
    父のことを思い出す時にはいつも涙や悲しい気持ちを伴いました。そうでなければ父は浮かばれない、とも感じていました。
    今振り返ってみると、私にとって回復のきっかけになったと思うことは信頼していた大学のゼミの教授に父の話をしたことです。他人に父の自殺のことを打ち明けたのはそれが初めてでした。教授はじっくり耳を傾けてくれ、目に涙を浮かべ、父を非難したり、自殺を選んだことを否定したりせず、私の気持ちを受け止めてくれました。
    教授はその後も私が父の自殺と向き合うことをサポートしてくれました。自分のように自殺で大切な人を失うという体験を他の人にはしてほしくない、自分の体験を何かの役に立てたいという気持ちから医療機関で働きたいと思うようになりました。
    最近では、笑顔を浮かべて、幸せな心持で父のことを思い出すことが少し増えました。私は自殺者遺族になりました。それも私の一部です。
    もちろん父にはずっと生き続けてほしかったです。父が命をかけて私に教えていったことを世の中の何かに役立てたい、そうやって父のことを思いながら生きていくのが私なりの供養というか、これからの父との付き合い方だと思っています。

ひなたのキズナ“声かけ”運動

気や家庭のこと、職場、生活のことなど、さまざまな悩みで精神的に追い込まれてしまうことは、誰にでも起こる可能性があります。身近な人が「最近眠れていない」「食欲がない」「身なりが乱れている」など、いつもと違う様子の時は、声をかけてみましょう。

なたのその一言で、救われる命があるかもしれません。

声かけのコツや心構えは「ひなたのキズナ“声かけ”運動」のページ

自殺の状況(統計)

本県の自殺の現状について

令和4年の本県の自殺者及び自殺死亡率(人口10万人当たりの自殺者数)は、前年(令和3年)と比較すると減少しましたが、自殺死亡率の都道府県順位は全国ワースト3位と、依然として高い水準となっています。

  令和4年 令和3年 前年比
自殺者数 213人 207人 +6人
自殺死亡率 20.4人 19.6人 +0.8人

都道府県順位

(ワースト)

3位 5位

人口動態統計(厚生労働省)

「人口動態統計」は、統計法に基づく指定統計(第5号)で、出生・死亡・婚姻・離婚及び死産の5種類の「人口動態事象」を把握し、人口及び厚生労働行政施策の基礎資料を得ることを目的に厚生労働省が実施しています。

「人口動態統計」は、例年6月に前年分がまず概数として発表され、その後9月に確定数が発表されます。また、人口動態統計月報(概数)として、毎月の数値を公表しています。