手足口病（小児科定点把握の対象となる疾患）の定点当たりの報告数は14.5で、現行の感染症法となった平成11年(1999年)以降2008年第25週（定点当たりの報告数14.9）に次いで2番目に多い。詳細後述。

• 1類感染症
  報告なし。
• 2類感染症
  結核4例。
• 3類感染症
  腸管出血性大腸菌感染症2例。
• 4類感染症
  レジオネラ症1例。
• 5類感染症
  カルバペネム耐性腸内細菌感染症1例、後天性免疫不全症候群1例。

（　）内は今週届出分、再掲

・定点医療機関からの報告総数1,050人（定点当たり30.5）で、前週比99％とほぼ横ばいであった。前週に比べ増加した主な疾患は手足口病と流行性耳下腺炎で、減少した主な疾患は咽頭結膜熱と水痘であった。

【手足口病】
・報告数は521人（14.5）で、前週比126％と大幅に増加した。流行警報レベル開始基準値(5.0)を6週連続で超過した。例年同時期の定点当たり平均値＊(5.2)の約2.8倍と多い。都城(20.8)、宮崎市(15.7)、日向(14.5)保健所からの報告が多く、年齢別は1〜2歳が全体の約6割を占めた。

^※過去5年間の当該週、前週、後週（計15週）の平均値

【ヘルパンギーナ】
・報告数は154人（4.3）で、前週比102％とほぼ横ばいであった。例年同時期の定点当たり平均値^※(4.9)の約0.9倍であった。日南(11.3)、日向(7.3)保健所からの報告が多く、年齢別では1〜2歳が全体の約6割を占めた。

○感染性胃腸炎（ロタウイルス）：日向保健所管内で1例報告された。1〜4歳で、病原体の群別不明。

◯手足口病疑いの幼児1名からコクサッキーウイルスA6型(CA6)、幼児2名からCA16が分離された。
◯エンテロウイルス疑いの乳幼児3名と不明発疹症の乳児1名からCA9が分離された。
◯感染性胃腸炎の乳児1名とヘルペス口内炎の幼児1名からCA10が分離された。今年に入り現在までに当所で手足口病疑い検体を検査したところ、CA16が4件、CA6が2件、CA10が1件分離、検出されている。また、手足口病の他に不明発疹症の検体も増加しており、原因ウイルスとしてはCA9が最も多く分離、検出されている。6月以降、手足口病疑い検体および不明発疹症の検体は増加しており、ウイルスが同定され次第結果を掲載していく予定である。

肺炎、出血傾向、低血圧、循環不全、腎不全などを呈した70代後半女性の便・気管内採痰・カテーテル尿からMRSAが検出され、エンテロトキシンC型　TSST-1遺伝子陽性であった。市中感染型のMRSAは、院内感染型のMRSAとは患者の年齢や臨床像が異なる場合があり、強毒株による食中毒事例や死亡事例も報告されている。

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比110％と増加した。前週と比較して増加した主な疾患は手足口病とヘルパンギーナで、減少した主な疾患はＡ群溶血性レンサ球菌咽頭炎と感染性胃腸炎であった。

手足口病の報告数は31,920人(10.2)で前週比137％と増加し、例年同時期の定点当たり平均値^※(4.6)の約2.2倍と多い。福井県(23.3)、埼玉県(20.5)、栃木県(17.9)からの報告が多く、年齢別では1〜2歳が全体の約半数を占めた。

ヘルパンギーナの報告数は10,494人(3.3)で前週比126％と増加し、例年同時期の定点当たり平均値^※(4.2)の約0.8倍と少ない。三重県(11.8)、佐賀県(8.2)、大分県(7.7)からの報告が多く、年齢別では1〜3歳が全体の約6割を占めた。

こちらから、宮崎県感染症週報のPDFファイルがダウンロードできます。

宮崎県感染症週報2015年第30号（PDFファイル / 596KB）

宮崎県内の患者発生状況（定点把握対象疾患（週報）（PDFファイル / 325KB）

上記のファイルはPDFファイルです。
ADOBE READER をダウンロードしてご覧ください。