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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2025年第45号

第27巻第45号 [宮崎県第45週(11/3〜11/9) 全国第44週(10/27〜11/2)]


宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県薬務感染症対策課
宮崎県衛生環境研究所

令和7年第45週(ARIのみ第44週)の発生動向

全数報告の感染症(45週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核4例。
  • 3類感染症:報告なし。
  • 4類感染症:レジオネラ症1例。
  • 5類感染症:劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例、梅毒2例、百日咳1例。

全数把握対象疾患累積報告数(2025年 第1週〜第45週 保健所受理分)

(   )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

・第45週の定点医療機関からの報告総数(急性呼吸器感染症除く)は477人(定点当たり26.9)で、前週比114%と増加した。
なお、前週に比べ増加した主な疾患はインフルエンザ、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、感染性胃腸炎で、減少した主な疾患は新型コロナウイルス感染症、RSウイルス感染症、伝染性紅斑であった。

【インフルエンザ】

報告数は151人(5.4)で、前週比248%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.6)の約9.0倍であった。年齢群別は15歳未満が全体の約7割を占めた。

【伝染性紅斑】

報告数は45人(3.0)で、前週比76%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.5)の約6.3倍であった。年齢群別は3歳から6歳が全体の6割を占めた。

【感染性胃腸炎】

報告数は117人(7.8)で、前週比109%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(9.9)の約0.8倍であった。年齢群別は6ヵ月から2歳が全体の約3割を占めた。

*新型コロナウイルス感染症流行前5年間(2015−2019)の
当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告

○マイコプラズマ肺炎:報告数は1例(定点当たり0.1)で、高鍋保健所から報告があった。年齢は10〜14歳であった。

保健所別 流行警報・注意報レベル基準値以上の疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部)

急性呼吸器感染症(Acute Respiratory Infection:ARI) 
(2025年第44週:10月27日〜11月2日搬入分)

○急性呼吸器感染症(ARI)※1サーベイランス検体について、急性呼吸器感染症サーベイランス遺伝子検査マニュアルに従い、検査を実施した。

※1 急性呼吸器感染症(ARI):咳嗽、咽頭痛、呼吸困難、鼻汁、鼻閉のいずれか 1 つ以上の症状を呈し、発症から 10 日以内の急性的な症状であり、かつ医師が感染症を疑う外来症例
※2 左記のいずれのウイルスも検出されなかった検体数を計上

(細菌・ウイルスについては2025年11月10日までに検出分)

細菌


ウイルス

※1 ARI病原体定点から検出されたウイルスのうち、分離されたウイルスも再掲
※2 ARI病原体定点から検出されたウイルスのうち、遺伝子解析により型別されたウイルスも再掲

新型コロナウイルスゲノム解析結果情報(衛生環境研究所微生物部)

○第39-43週はPQ系統を含むNB.1.8.1系統が100%であった。(NB.1.8.1は23%、PQ系統は77%)
PQ系統は、NB.1.8.1の下位系統であり、NB.1.8.1はJN.1株とXDE株の組換え体であるXDV株から派生した変異株である。

※衛生環境研究所においては、宮崎県感染症発生動向調査事業実施要綱に基づき、急性呼吸器感染症(ARI)の病原体定点から提出された検体を用いて新型コロナウイルスのゲノム解析を実施している。
なお、解析検体数が多くない場合は割合の変動が大きくなる。

全国2025年第44週の発生動向

全数報告の感染症

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数(急性呼吸器感染症除く)は前週比147%と増加した。なお、前週と比較して増加した主な疾患はインフルエンザ、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、感染性胃腸炎及び伝染性紅斑で、減少した主な疾患は特になかった。また、急性呼吸器感染症の報告数は前週比126%と増加した。

インフルエンザの報告数は57,424人(14.9)で前週比237%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.5)の約31.4倍であった。宮城県(28.6)、神奈川県(28.5)、埼玉県(27.9)からの報告が多く、年齢群別では15歳未満が全体の約8割を占めた。

伝染性紅斑の報告数は1,902人(0.8)で前週比108%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.4)の約2.3倍であった。宮崎県(3.9)、佐賀県(3.6)、山形県(3.1)からの報告が多く、年齢群別では3歳から6歳が全体の約6割を占めた。

* 新型コロナウイルス感染症流行前5年間(2015−2019)の
当該週、前週、後週(計15週)の平均値

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