
宮崎県感染症発生動向調査2025年第44号
第27巻第44号 [宮崎県第44週(10/27〜11/2) 全国第43週(10/20〜10/26)]
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県薬務感染症対策課
宮崎県衛生環境研究所
令和7年第44週(ARIのみ第43週)の発生動向
トピックス
- 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)(全数報告の感染症)
宮崎市保健所管内から報告があった。患者は20歳代の男性で、刺し口が確認された。県内での報告は、累計124例となった。

全数報告の感染症(44週までに新たに届出のあったもの)
- 1類感染症:報告なし。
- 2類感染症:報告なし。
- 3類感染症:報告なし。
- 4類感染症:重症熱性血小板減少症候群1例、日本紅斑熱1例、レジオネラ症1例。
- 5類感染症:梅毒1例、百日咳8例。

全数把握対象疾患累積報告数(2025年 第1週〜第44週 保健所受理分)

( )内は今週届出分、再掲
定点把握の対象となる5類感染症
・第44週の定点医療機関からの報告総数(急性呼吸器感染症除く)は389人(定点当たり23.6)で、前週比106%と増加した。
なお、前週に比べ増加した主な疾患はインフルエンザ、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、伝染性紅斑で、減少した主な疾患は感染性胃腸炎であった。
また、第43週の急性呼吸器感染症の報告総数は1,296人(定点当たり46.3)で、前週比108%と増加した。
【インフルエンザ】
報告数は61人(2.2)で、前週比139%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.5)の約4.2倍であった。年齢群別は15歳未満が全体の約8割を占めた。
【伝染性紅斑】
報告数は59人(3.9)で、前週比164%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.5)の約8.0倍であった。年齢群別は3歳から5歳が全体の約半数を占めた。
【感染性胃腸炎】
報告数は107人(7.1)で、前週比94%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(9.1)の約0.8倍であった。年齢群別は1歳から3歳が全体の約3割を占めた。
*新型コロナウイルス感染症流行前5年間(2015−2019)の
当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告
○マイコプラズマ肺炎:報告数は2例(定点当たり0.3)で、延岡(1例)、高鍋(1例)保健所から報告があった。年齢は5〜9歳が1例、10〜14歳が1例であった。
保健所別 流行警報・注意報レベル基準値以上の疾患
病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部)
急性呼吸器感染症(Acute Respiratory Infection:ARI)
(2025年第43週:10月20日〜10月26日搬入分)

○急性呼吸器感染症(ARI)※1サーベイランス検体について、急性呼吸器感染症サーベイランス遺伝子検査マニュアルに従い、検査を実施した。
※1 急性呼吸器感染症(ARI):咳嗽、咽頭痛、呼吸困難、鼻汁、鼻閉のいずれか 1 つ以上の症状を呈し、発症から 10 日以内の急性的な症状であり、かつ医師が感染症を疑う外来症例
※2 左記のいずれのウイルスも検出されなかった検体数を計上
全国2025年第43週の発生動向
全数報告の感染症
定点把握の対象となる5類感染症
定点医療機関当たりの患者報告総数(急性呼吸器感染症除く)は前週比118%と増加した。なお、前週と比較して増加した主な疾患はインフルエンザ、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、感染性胃腸炎で、減少した主な疾患は新型コロナウイルス感染症、伝染性紅斑であった。また、急性呼吸器感染症の報告数は前週比121%と増加した。
インフルエンザの報告数は24,276人(6.3)で前週比193%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.4)の約16.1倍であった。沖縄県(19.4)、神奈川県(11.9)、千葉県(11.8)からの報告が多く、年齢群別では15歳未満が全体の約7割を占めた。
伝染性紅斑の報告数は1,772人(0.8)で前週比79%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.3)の約2.4倍であった。佐賀県(3.3)、山形県(2.6)、宮崎県(2.4)からの報告が多く、年齢群別では3歳から6歳が全体の約6割を占めた。
* 新型コロナウイルス感染症流行前5年間(2015−2019)の
当該週、前週、後週(計15週)の平均値
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