
宮崎県感染症発生動向調査2025年第50号
第27巻第50号 [宮崎県第50週(12/8〜12/14) 全国第49週(12/1〜12/7)]
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県薬務感染症対策課
宮崎県衛生環境研究所
令和7年第50週(ARIのみ第49週)の発生動向
トピックス
- インフルエンザ(定点把握対象疾患)
インフルエンザが前週の約1.6倍、2,798人(定点当たり報告数99.9)となり、1999年からの感染症発生動向調査開始以降で、定点当たり報告数の過去最多を更新した。県内全ての保健所管内で、流行警報レベル開始基準値(30)を超えている。これまでは、2015年第3週(2015年1月12日〜18日)の定点当たり報告数99.6が最多であった。詳細後述。
全数報告の感染症(50週までに新たに届出のあったもの)
- 1類感染症:報告なし。
- 2類感染症:結核5例。
- 3類感染症:腸管出血性大腸菌感染症1例。
- 4類感染症:つつが虫病6例。
- 5類感染症:カルバペネム耐性腸内細菌目細菌感染症1例、急性脳炎1例、梅毒1例、百日咳3例。

全数把握対象疾患累積報告数(2025年 第1週〜第50週 保健所受理分)

( )内は今週届出分、再掲
定点把握の対象となる5類感染症
・第50週の定点医療機関からの報告総数(急性呼吸器感染症除く)は3,105人(定点当たり121.1)で、前週比148%と増加した。
なお、前週に比べ増加した主な疾患はインフルエンザ、咽頭結膜熱、感染性胃腸炎及び伝染性紅斑で、減少した主な疾患はA群溶血性レンサ球菌咽頭炎であった。
また、第49週の急性呼吸器感染症の報告総数は2,775人(定点当たり99.1)で、前週比129%と増加した。
【インフルエンザ】
報告数は2,798人(99.9)で、前週比160%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(6.6)の約15.1倍であった。年齢群別は15歳未満が全体の約8割を占めた。
【伝染性紅斑】
報告数は48人(3.2)で、前週比112%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.67)の約4.8倍であった。年齢群別は3歳から6歳が全体の約半数を占めた。
【感染性胃腸炎】
報告数は115人(7.7)で、前週比106%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(14.6)の約0.5倍であった。年齢群別は5歳から6歳が全体の約2割を占めた。
*新型コロナウイルス感染症流行前5年間(2015−2019)の
当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告
○マイコプラズマ肺炎:報告数は1例(定点当たり0.14)で、延岡保健所から報告があった。年齢は10〜14歳であった。
保健所別 流行警報・注意報レベル基準値以上の疾患
病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部)
急性呼吸器感染症(Acute Respiratory Infection:ARI)
(2025年第49週:12月1日〜12月7日搬入分)

○急性呼吸器感染症(ARI)※1サーベイランス検体について、急性呼吸器感染症サーベイランス遺伝子検査マニュアルに従い、検査を実施した。
※1 急性呼吸器感染症(ARI):咳嗽、咽頭痛、呼吸困難、鼻汁、鼻閉のいずれか 1 つ以上の症状を呈し、発症から 10 日以内の急性的な症状であり、かつ医師が感染症を疑う外来症例
※2 左記のいずれのウイルスも検出されなかった検体数を計上
全国2025年第49週の発生動向
全数報告の感染症
定点把握の対象となる5類感染症
定点医療機関当たりの患者報告総数(急性呼吸器感染症除く)は前週比90%と減少した。なお、前週と比較して増加した主な疾患はA群溶血性レンサ球菌咽頭炎、感染性胃腸炎で、減少した主な疾患はインフルエンザであった。また、急性呼吸器感染症の報告数は前週比94%と減少した。
インフルエンザの報告数は148,314人(38.5)で前週比86%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(4.1)の約9.3倍であった。福岡県(65.6)、宮崎県(62.5)、長野県(57.0)からの報告が多く、年齢群別では15歳未満が全体の約7割を占めた。
伝染性紅斑の報告数は1,436人(0.61)で前週比107%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.49)の約1.2倍であった。鹿児島県(3.5)、宮崎県(2.9)、佐賀県(2.4)からの報告が多く、年齢群別では3歳から6歳が全体の約6割を占めた。
* 新型コロナウイルス感染症流行前5年間(2015−2019)の
当該週、前週、後週(計15週)の平均値
月報告対象疾患の発生動向 <2025年11月>
性感染症
【宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は33人(2.5)で、前月比103%とほぼ横ばいであった。また、昨年11月(3.1)の約0.8倍であった。
《疾患別》
- 性器クラミジア感染症:報告数18人(1.4)で、前月の約1.1倍、昨年11月の約0.9倍であった。10歳代と20歳代がそれぞれ全体の約4割ずつを占めた。(男性1人・女性17人)
- 性器ヘルペスウイルス感染症:報告数9人(0.69)で、前月の約1.3倍、昨年11月の約0.9倍であった。(男性2人・女性7人)
- 尖圭コンジローマ:報告なし。
- 淋菌感染症:報告数6人(0.46)で、前月の約1.5倍、昨年11月の約0.9倍であった。(男性3人・女性3人)

【全国】
定点医療機関からの報告総数は4,314人(4.4)で、前月比89%と減少した。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症2,295人(2.3)で前月比88%、性器ヘルペスウイルス感染症904人(0.92)で前月比99%、尖圭コンジローマ472人(0.48)で前月比87%、淋菌感染症643人(0.66)で前月比85%であった。
薬剤耐性菌
【宮崎県】 定点医療機関総数:7
定点医療機関からの報告総数は17人(2.4)で、前月比65%と減少した。また、昨年11月(2.1)の約1.1倍であった。
《疾患別》
- メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症:報告数17人(2.4)で、前月の約0.7倍、昨年11月の約1.1倍であった。70歳以上が全体の約6割を占めた。
- ペニシリン耐性肺炎球菌感染症:報告なし。
- 薬剤耐性緑膿菌感染症 :報告なし。
【全国】
定点医療機関からの報告総数は1,266人(2.6)で、前月比104%とほぼ横ばいであった。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,233人(2.6)で前月比104%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症24人(0.05)で前月比100%、薬剤耐性緑膿菌感染症9人(0.02)で前月比100%であった。
インフルエンザ情報《県内第50週、全国第49週(再掲)》
県内第50週インフルエンザ発生動向
12月8日〜12月14日までの1週間で2,798人(99.9)の報告があった。前週比160%と増加した。
例年同時期の定点当たり平均値*(6.6)の約15.1倍であった。
*新型コロナウイルス感染症流行前5年間(2015−2019)の
当該週、前週、後週(計15週)の平均値

全国第49週インフルエンザ発生動向
12月1日〜12月7日までの1週間で148,314人(38.5)の報告があり、前週比86%と減少した。
福岡県(65.6)、宮崎県(62.5)、長野県(57.0)からの報告が多かった。年齢群別では5歳未満が全体の21%、5-9歳が31%、10-14歳が19%、15-19歳が7%、20-59歳が18%、60歳以上が4%であった。
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