・重症熱性血小板減少症候群(SFTS)（全数報告の感染症）の届出が高鍋保健所管内から1例あった。県内での報告は今年6例目、累計25例目となった。患者は30歳代男性で、9月上旬に発症した。ダニの刺し口は確認できず、海外渡航歴はなかった。

• 1類感染症：報告なし。
• 2類感染症：結核2例。
• 3類感染症：腸管出血性大腸菌感染症1例。
• 4類感染症：重症熱性血小板減少症候群1例。
• 5類感染症：破傷風1例。

（　）内は今週届出分、再掲

・定点医療機関からの報告総数は666人（定点当たり25.8）で、前週比185％と大幅に増加した(前週祝日含む)。前週に比べ増加した主な疾患は流行性耳下腺炎と流行性角結膜炎で、減少した主な疾患はヘルパンギーナであった。

インフルエンザ・小児科定点からの報告

【感染性胃腸炎】
・報告数は293人（8.1）で、前週比190％と増加した。例年同時期の定点当たり平均値^※(5.7)の約1.4倍であった。年齢別では6カ月〜4歳が全体の約6割を占めた。
^※過去5年間の当該週、前週、後週（計15週）の平均値。

○マイコプラズマ肺炎：宮崎市保健所管内で2例、日南保健所管内で1例報告があった。1〜4歳が2例、5〜9歳が1例で、いずれもMycoplasma pneumoniaeが検出された。

5〜9歳の男児、70代前半の女性からサルモネラ属菌が検出された。サルモネラ属菌には約2500種類以上の血清型があるが、宮崎県内では2008年から2014年にかけて約40種類の血清型が報告されている。また、この中にはペットとして飼育されている爬虫類が感染源となった比較的まれな血清型も確認されていることから、今後も発生状況や血清型の動向に注意していく必要がある。

○急性肺炎の乳児、風邪症状を有する乳児2名及び無菌性髄膜炎と診断された小児からエンテロウイルスD68型が分離された。そのうち2名は、RSウイルスとの重複感染であった。全国の検出数をみると、8月に4件、9月に7件報告されている。国内では2010年と2013年に流行しており、主な症状は呼吸器症状であるが、急性脳症例や心肺停止例でもウイルスが検出されている。また米国では、2014年にアウトブレイクが発生し、弛緩性麻痺あるいは脳神経機能異常など重篤例や死亡例も報告されている。今回、同じ時期に4名からウイルスが検出されている。このウイルスは9月をピークに夏から秋にかけて多く検出されるため、今後の発生動向に注視する必要がある。
○ウイルス感染後の小脳失調疑いの乳児の咽頭ぬぐい液からコクサッキーウイルスA6型が分離された。提出された検体は咽頭ぬぐい液のみであり、小脳失調との因果関係は不明である。

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比62％と減少した（祝日含む）。前週と比較して大きく増加した疾患はなく、ほぼ全ての疾患の報告数が減少した。

手足口病の報告数は7,562人(2.4)で前週比54％と減少した。例年同時期の定点当たり平均値^※(1.4)の約1.8倍と多い。宮城県(7.5)、大分県(5.9)からの報告が多く、年齢別では1〜2歳が全体の約半数を占めた。

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宮崎県感染症週報2015年第40号（PDFファイル / 472KB）

宮崎県内の患者発生状況（定点把握対象疾患（週報）（PDFファイル / 329KB）

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