
宮崎県感染症発生動向調査2016年第4号
第18巻4号[宮崎県第4週(1/25〜1/31)全国第3週(1/18〜1/24)]
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所
宮崎県2016年第4週の発生動向
トピックス
・インフルエンザ(定点把握の対象となる疾患)の第4週(1/25〜1/31)の定点当たりの報告数は19.0と、今シーズン初めて流行注意報基準値(10.0)を上まわりました。昨シーズンと比較して4週遅れです。県内ではAH3型、AH1pdm09型、B型(山形系統、ビクトリア系統)が検出されています。詳細後述。
全数報告の感染症(4週までに新たに届出のあったもの)
- 1類感染症:報告なし。
- 2類感染症:結核4例。
- 3類感染症:報告なし。
- 4類感染症:報告なし。
- 5類感染症:後天性免疫不全症候群1例。

全数把握対象疾患累積報告数(2016年第1週〜第4週)

( )内は今週届出分、再掲
定点把握の対象となる5類感染症
・定点医療機関からの報告総数は1,918人(定点当たり46.0)で、前週比137%と増加した。前週に比べ増加した主な疾患はインフルエンザと感染性胃腸炎で、減少した主な疾患はRSウイルス感染症と水痘であった。
インフルエンザ・小児科定点からの報告
【インフルエンザ】
・報告数は1,121人(19.0)で、前週比243%と大幅に増加した。小林(29.8)、都城(29.3)、日向(20.7)保健所からの報告が多く、年齢別では5歳未満が全体の16%、5-9歳が41%、10-14歳が21%、15-19歳が3%、20-59歳が16%、60歳以上が3%を占めた。


【感染性胃腸炎】
・報告数は399人(11.1)で、前週比109%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値※(14.2)の約0.8倍であった。日南(24.0)保健所からの報告が多く、年齢別では1〜3歳が全体の約4割を占めた。
【伝染性紅斑】
・報告数は41人(1.1)で、前週比87%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値※(0.30)の約3.8倍であった。宮崎市(2.1)保健所からの報告が多く、年齢別では5歳と9歳がそれぞれ全体の約2割を占めた。
※ 過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値

【流行性耳下腺炎】
・報告数は96人(2.7)で、前週比104%とほぼ横ばいであった。例年同時期の定点当たり平均値※(0.74)の約3.6倍であった。延岡(9.5)、小林(8.3)、日向(6.3)保健所からの報告が多く、年齢別では、5〜7歳が全体の約半数を占めた。

基幹定点からの報告
○無菌性髄膜炎:都城保健所から1例報告があった。
0〜4歳で、咽頭ぬぐい液からRSウイルスが検出された。
○マイコプラズマ肺炎:宮崎市保健所から3例、日南保健所から1例報告があった。0〜4歳が1例、5〜9歳が3例で、咽頭ぬぐい液からの検出が3例、血液からの検出が1例であった。
○感染性胃腸炎(ロタウイルス):高鍋保健所から1例報告があった。0〜4歳で、病原体の群別不明。
保健所別 流行警報・注意報レベル基準値超過疾患
病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 平成28年2月1日までに検出)
ウイルス

○インフルエンザと診断された10名の咽頭ぬぐい液もしくは鼻汁からインフルエンザウイルスを検出した。型別にみると、B型(ビクトリア系統)が6名と最も多く、次いでAH1pdm09型2名、AH3型とB型(山形系統)が1名ずつであった。全国の検出数をみると、AH1pdm型199件で最も多く、次いでB型(ビクトリア系統)58件、B型(山形系統)27件、AH3型24件の順であった。今シーズンは、AH1pdm09型の流行と平行してB型の流行もみられることから、今後の発生動向に注視する必要がある。
細菌
全国第3週の発生動向
全数報告の感染症(全国第3週)
定点把握の対象となる5類感染症
定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比136%と増加した。前週と比較して増加した主な疾患はインフルエンザとA群溶血性レンサ球菌咽頭炎で、減少した主な疾患は流行性耳下腺炎であった。
インフルエンザの報告数は52,226人(10.6)で前週比257%と増加し、流行注意報基準値(10.0)を上まわった。新潟県(29.3)、沖縄県(18.2)、青森県(16.5)からの報告が多く、年齢別では、5歳未満が20%、5-9歳が36%、10-14歳が15%、15-19歳が4%、20-59歳が21%、60歳以上が4%であった。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告数は9,552人(3.0)で前週比129%と増加した。山形県(8.5)、鳥取県(7.4)、福井県(6.0)からの報告が多く、年齢別では、4〜6歳が全体の約4割を占めた。
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