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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2016年第22号

第18巻22号[宮崎県第22週(5/30〜6/5)全国第21週(5/23〜5/29)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県第22週の発生動向

トピックス
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

全数報告の感染症)の報告が延岡保健所から1例あった。県内での報告は今年初めてで、累計28例目(平成25年3月届出開始以降)となった。患者は60歳代男性で、発症は5月中旬であった。ダニの刺し口は確認できず、海外渡航歴もなかった。

全数報告の感染症(22週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核8例。
  • 3類感染症:報告なし。
  • 4類感染症:重症熱性血小板減少症候群1例、日本紅斑熱1例。
  • 5類感染症:報告なし。

全数把握対象疾患累積報告数(2016年第1週〜22週)

( )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関からの報告総数は702人(定点当たり23.1)で、前週比88%と減少した。前週に比べ増加した主な疾患は咽頭結膜熱とヘルパンギーナで、減少した主な疾患はA群溶血性レンサ球菌咽頭炎と手足口病であった。

インフルエンザ・小児科定点からの報告

【感染性胃腸炎】
報告数は290人(8.1)で、前週比93%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(10.3)の約0.8倍であった。小林(21.3)、日向(10.5)、高千穂(10.0)保健所からの報告が多く、年齢別では1〜2歳が全体の約3割を占めた。

【流行性耳下腺炎】
報告数は119人(3.3)で、前週比92%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.70)の約4.7倍であった。小林(17.0)、日向(5.3)、延岡(5.0)保健所からの報告が多く、年齢別は別グラフに示す。

*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告

○マイコプラズマ肺炎:延岡保健所、日南保健所から1例ずつ、高鍋保健所から10例報告があった。0〜4歳が1例、5〜9歳が8例、10歳代が3例であった。

保健所別 流行警報・注意報レベル基準値超過疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 平成28年6月6日までに検出)

細菌

○今年度初めて、腸管出血性大腸菌(EHEC)が検出された。EHEC はベロ毒素を産生する大腸菌で、下痢、腹痛、血便などを引き起こし、溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症などを合併した場合には死に至ることもある。一方で、無症状や軽い下痢ですむ場合もあり症状は多彩である。国立感染症研究所の報告によると、2015 年の宮崎県の感染者報告数(無症状含む)は、人口10 万対報告数8.0以上と他の都道府県より高いことから、今後も引き続き発生動向には注意していく必要がある。

ウイルス

○発疹を呈する乳幼児6 名からエコーウイルス18型(E18)が分離された。4月に採取された検体では、16名からエンテロウイルスが分離され、全てE18であった。また、エコーウイルスは血清型によっては無菌性髄膜炎を起こすが、E18が分離された16名中13名は臨床症状として発疹などの皮膚症状が記載されており、無菌性髄膜炎の患者は現在のところ出ていない。

○ウイルス性腸炎の乳児からノロウイルスGU型が検出された。ノロウイルスは感染力が強いため注意が必要である。

全国2016年第21週の発生動向

全数報告の感染症(全国第21週)
定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比103%とほぼ横ばいであった。前週と比較して増加した主な疾患は咽頭結膜熱と水痘であった。減少した主な疾患はインフルエンザと流行性耳下腺炎であった。

流行性耳下腺炎の報告数は2,676人(0.85)で前週比89%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.48)の約1.8倍であった。宮崎県(3.6)、冨山県(1.9)、山形県、佐賀県(1.8)からの報告が多く、年齢別では4〜5歳が全体の約3割を占めた。

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