
宮崎県感染症発生動向調査2016年第44号
第18巻44号[宮崎県第44週(10/31〜11/6)全国第43週(10/24〜10/30)]
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所
宮崎県第44週の発生動向
全数報告の感染症(44週までに新たに届出のあったもの)
- 1類感染症:報告なし。
- 2類感染症:結核3例。
- 3類感染症:報告なし。
- 4類感染症:つつが虫病3例。
- 5類感染症:報告なし。

全数把握対象疾患累積報告数(2016年第1週〜44週)

( )内は今週届出分、再掲
定点把握の対象となる5類感染症
定点医療機関からの報告総数は680人(定点当たり23.0)で、前週比103%とほぼ横ばいであった。前週に比べ増加した主な疾患は流行性耳下腺炎と流行性角結膜炎で、減少した主な疾患はRSウイルス感染症とヘルパンギーナであった。
インフルエンザ・小児科定点からの報告
【感染性胃腸炎】
報告数は274人(7.6)で、前週比89%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(10.1)の約0.8倍であった。小林(18.0)、日南(13.7)、都城(10.7)保健所からの報告が多く、年齢別は1〜4歳が全体の約半数を占めた。
【手足口病】
報告数は160人(4.4)で、前週比96%と横ばいであった。例年同時期の定点当たり平均値*(1.6)の約2.8倍であった。日南(14.7)、中央(10.0)、宮崎市(6.3)保健所からの報告が多く、年齢別は2歳以下が全体の約7割を占めた。

*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値
基幹定点からの報告
○マイコプラズマ肺炎:宮崎市(9例)、高鍋(1例)保健所から報告があった。0〜4歳が6例、5〜9歳、10歳代が各2例ずつであった。
保健所別 流行警報・注意報レベル基準値超過疾患
病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 平成28年11月7日までに検出)
細菌

4種類の血清型のサルモネラが分離された。衛生環境研究所で2000年〜2015年までに同定されたサルモネラ属菌の血清型は66種類にのぼるが、年次的な変化が見られる。近年、サルモネラで汚染された食肉や動物飼料などの輸入、海外旅行者の急増などさまざまな要因により血清型の多様化が見られる。今後も継続的な発生動向の調査を行い、注意していく必要がある。
ウイルス

○乳幼児4名からライノウイルスが検出された。ライノウイルスは頭痛・のどの痛み、鼻詰まり、くしゃみを引き起こす。気道の粘膜が炎症を起こすことにより、二次的に病原体(特に細菌)の感染が起こりやすくなり、気管支炎、肺炎、副鼻腔炎などになることもある。また、4名のうち3名に紅斑や発疹がみられた。
○手足口病と診断された乳幼児2名からコクサッキーウイルスA6型が分離された。 国立感染症研究所によると、国内における手足口病流行のピークは夏季であるが、秋から冬にかけても発生があるため、注意が必要である。
全国2016年第43週の発生動向
全数報告の感染症(全国第43週)
定点把握の対象となる5類感染症
定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比102%とほぼ横ばいであった。前週と比較して増加した主な疾患はインフルエンザと感染性胃腸炎であった。減少した主な疾患はRSウイルス感染症と流行性耳下腺炎であった。
インフルエンザの報告数は2,329人(0.47)で前週比127%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.08)の約5.8倍であった。沖縄県(11.4)、福井県(1.7)、岩手県(1.1)からの報告が多く、年齢別では9歳以下が全体の約3割を占めた。
* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値
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