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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2016年第52号

第18巻52号[宮崎県第52週(12/26〜1/1)全国第51週(12/19〜12/25)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県第52週の発生動向

トピックス
  • 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
    (全数報告の感染症)の報告が延岡保健所から1例あった。県内での報告は今年9例目で、累計36例(平成25年3月届出開始以降)となった。患者は80歳代男性で、発症は12月下旬であった。ダニの刺し口は無く、海外渡航歴はなかった。
全数報告の感染症(52週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核3例。
  • 3類感染症:腸管出血性大腸菌感染症1例。
  • 4類感染症:つつが虫病2例、重症熱性血小板減少症候群1例。
  • 5類感染症:破傷風1例。

全数把握対象疾患累積報告数(2016年第1週〜52週)

(   )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関からの報告総数は1,237人(定点当たり32.9)で、前週比66%と減少した(年末年始含む)。前週に比べ増加した主な疾患はインフルエンザで、減少した主な疾患は感染性胃腸炎とA群溶血性レンサ球菌咽頭炎であった。

インフルエンザ・小児科定点からの報告

【感染性胃腸炎】
報告数は644人(17.9)で、前週比57%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(14.9)の約1.2倍であった。宮崎市(23.6)、小林(22.3)、日南(18.7)保健所からの報告が多く、年齢別は別グラフに示す。

【インフルエンザ】
報告数は354人(6.0)で、前週比130%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(4.6)の約1.3倍であった。都城(16.6)、高鍋(6.8)、小林(6.4)保健所からの報告が多く、年齢別は10〜14歳が全体の約2割を占めた。

*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告

マイコプラズマ肺炎:宮崎市(2例)、日向(1例)保健所から報告があった。0〜4歳、5〜9歳、10歳代が各1例ずつであった。

保健所別 流行警報・注意報レベル基準値超過疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 平成28年1月4日までに検出)

細菌

ウイルス

○感染性胃腸炎と診断された乳児1名からノロウイルスGUが検出された。ノロウイルスは手や食品などを介して、経口で感染し、嘔吐、下痢、腹痛などを引き起こす。ノロウイルスの増殖はヒトの小腸上皮細胞内で行われる。嘔吐症状が強いときには、小腸の内容物とともにウイルスが逆流するため、嘔吐物中にも大量のウイルスが存在し、嘔吐物も便と同様に感染源となりうる。そのため、その処理には十分注意する必要がある。

○幼児1名からエコーウイルス6型が分離された。昨年、無菌性髄膜炎の患者から検出されたウイルスは、全国的にコクサッキーウイルスB5型に次いでエコーウイルス6型が多かった。今年もエコーウイルス6型による無菌性髄膜炎が流行する可能性があるため、今後の動向に注意する必要がある。

全国2016年第51週の発生動向

全数報告の感染症(全国第51週)

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比97%とほぼ横ばいであった。前週と比較して増加した主な疾患はインフルエンザであった。減少した主な疾患はA群溶血性レンサ球菌咽頭炎と感染性胃腸炎であった。

インフルエンザの報告数は41,428人(8.4)で前週比167%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(4.7)の約1.8倍であった。富山県(14.3)、群馬県(14.1)、秋田県(13.8)からの報告が多く、年齢別では5〜9歳が全体の約2割を占めた。

感染性胃腸炎の報告数は54,503人(17.3)で前週比83%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(12.9)の約1.3倍であった。山形県(33.2)、福井県(32.7)、宮崎県(31.3)からの報告が多く、年齢別では3〜5歳が全体の約3割を占めた。

* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値

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