
宮崎県感染症発生動向調査2023年第43号
第25巻第43号 [宮崎県第43週 (10/23〜10/29) 全国第42週(10/16〜10/22)]
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県感染症対策課
宮崎県衛生環境研究所
令和5年第43週の発生動向
全数報告の感染症(43週までに新たに届出のあったもの)
- 1類感染症:報告なし。
- 2類感染症:結核1例。
- 3類感染症:腸管出血性大腸菌感染症1例。
- 4類感染症:日本紅斑熱1例、レプトスピラ症1例。
- 5類感染症:梅毒5例、播種性クリプトコックス症1例。

全数把握対象疾患累積報告数(2023年 第1週〜第43週 保健所受理分)

( )内は今週届出分、再掲
定点把握の対象となる5類感染症
・定点医療機関からの報告総数は1,443人(定点当たり33.6)で、前週比112%と増加した。なお、前週に比べ増加した主な疾患は新型コロナウイルス感染症、RSウイルス感染症及びA群溶血性レンサ球菌咽頭炎で、減少した主な疾患は感染性胃腸炎と手足口病であった。
インフルエンザ・小児科定点からの報告
【新型コロナウイルス感染症】
報告数は175人(3.0)で、前週比125%と増加した。高千穂(8.5)、延岡(6.1)、日向(3.8)保健所の報告が多く、年齢群別は別グラフに示す。
【インフルエンザ】
報告数は693人(12.0)で、前週比105%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.28)の約43.2倍であった。延岡(26.7)、中央(20.0)、小林(15.8)保健所からの報告が多く、年齢群別は15歳未満が全体の約8割を占めた。
【A群溶血性レンサ球菌咽頭炎】
報告数は214人(5.9)で、前週比139%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(1.4)の約4.3倍であった。延岡(9.5)、都城(8.7)、宮崎市(8.5)保健所からの報告が多く、年齢群別は5歳から8歳が全体の約半数を占めた。
*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均

基幹定点からの報告
保健所別 流行警報・注意報レベル基準値以上の疾患
新型コロナウイルスゲノム解析結果情報(衛生環境研究所微生物部)

XBB系統は第43週で100%を占め、EG.5.1系統(XBB.1.9.2の子孫株)が約42%を占めた。
「X」で始まる名前は遺伝子組換えで発生した系統に付けられる。
XBBはBJ.1(BA.2.10.1系統)/BM.1.1.1(BA.2.75.3系統)の組換え株である。
ゲノム解析は概ね前週の検体を用いて実施している。なお、解析検体数が多くない場合は割合の変動が大きくなる。
衛生環境研究所においては、県内医療機関の協力のもと、新型コロナウイルスのPCR陽性となった検体を毎週収集し、ゲノム解析を実施している。
全国2023年第42週の発生動向
全数報告の感染症
定点把握の対象となる5類感染症
定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比127%と増加した。なお、前週と比較して増加した主な疾患はインフルエンザ、咽頭結膜熱、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎及び水痘で、減少した主な疾患は新型コロナウイルス感染症、RSウイルス感染症、手足口病及びヘルパンギーナであった。
インフルエンザの報告数は81,160人(16.4)で前週比148%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.20)の約82.1倍であった。愛媛県(39.9)、千葉県(29.4)、埼玉県(28.4)からの報告が多く、年齢群別では15歳未満が全体の約7割を占めた。
咽頭結膜熱の報告数は6,795人(2.2)で前週比123%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.19)の約11.4倍であった。沖縄県(6.9)、福岡県(6.3)、奈良県(5.5)からの報告が多く、年齢群別では1歳から5歳が全体の約7割を占めた。
* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15 週)の平均値
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