
宮崎県感染症発生動向調査2024年第19号
第26巻第19号 [宮崎県第19週 (5/6〜5/12) 全国第18週(4/29〜5/5)]
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県薬務感染症対策課
宮崎県衛生環境研究所
令和6年第19週の発生動向
全数報告の感染症(19週までに新たに届出のあったもの)
- 1類感染症:報告なし。
- 2類感染症:結核2例。
- 3類感染症:腸管出血性大腸菌感染症3例。
- 4類感染症:A型肝炎1例。
- 5類感染症:侵襲性肺炎球菌感染症2例、梅毒3例、百日咳2例。

全数把握対象疾患累積報告数(2024年 第1週〜第19週 保健所受理分)

( )内は今週届出分、再掲
定点把握の対象となる5類感染症
・定点医療機関からの報告総数は636人(定点当たり16.5)で、前週比129%と増加した。なお、前週に比べ増加した主な疾患は新型コロナウイルス感染症、咽頭結膜熱、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎及び感染性胃腸炎で、減少した主な疾患はインフルエンザであった。
インフルエンザ・小児科定点からの報告
【新型コロナウイルス感染症】
報告数は115人(2.0)で、前週比124%と増加した。中央(4.0)、延岡(3.9)、日向(2.7)保健所からの報告が多く、年齢群別は15歳未満が約3割だった。
【A群溶血性レンサ球菌咽頭炎】
報告数は173人(4.8)で、前週比124%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(1.1)の約4.4倍であった。日南(6.0)、高千穂(6.0)、宮崎市(5.4)保健所からの報告が多く、年齢群別は4歳から7歳が全体の約4割を占めた。
*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均

基幹定点からの報告
保健所別 流行警報・注意報レベル基準値以上の疾患
病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 令和6年5月13日までに検出)
細菌

○保育施設において腸管出血性大腸菌O26(VT1)の集団感染が発生した。腸管出血性大腸菌は経口感染し、少ない菌量でも家族や保育園等の集団で感染が広がることがあるため、食材の加熱、調理器具の消毒、手洗い等を徹底する必要がある。
厚生労働省による「保育所における感染症対策ガイドライン」(2018年3月改訂(2023年5月一部改訂))では、おむつ交換について、@糞便処理の手順を職員間で徹底する。Aおむつ交換は、手洗い場があり食事をする場所等と交差しない一定の場所で実施する。Bおむつの排便処理の際には、使い捨て手袋を着用する。C下痢便時には、周囲への汚染を避けるため、使い捨てのおむつ交換シート等を敷いて、おむつ交換をする。Dおむつ交換後、特に便処理後は、石けんを用いて流水でしっかりと手洗いを行う。E交換後のおむつは、ビニール袋に密閉した後に蓋つき容器等に保管する。F交換後のおむつの保管場所について消毒を行う。などのことが推奨されている。
ウイルス
全国2024年第18週の発生動向
全数報告の感染症
定点把握の対象となる5類感染症
定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比63%と減少した。なお、前週と比較して増加した主な疾患は手足口病で、減少した主な疾患はインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎及び感染性胃腸炎であった。
新型コロナウイルス感染症の報告数は11,086人(2.3)で前週比70%と減少した。沖縄県(9.8)、青森県(5.7)、秋田県(4.9)からの報告が多く、年齢群別では15歳未満が全体の約2割を占めた。
手足口病の報告数は1,890人(0.61)で前週比105%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.16)の約3.8倍であった。大分県(5.5)、愛媛県(4.0)、福井県(3.8)からの報告が多く、年齢群別では6ヵ月〜3歳が全体の約8割を占めた。
* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15 週)の平均値
月報告対象疾患の発生動向 <2024年4月>
性感染症
【宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は37人(2.9)で、前月比154%と増加した。また、昨年4月(3.2)の約0.9倍であった。
《疾患別》
- 性器クラミジア感染症:報告数23人(1.8)で、前月の約2.1倍、昨年4月の約1.1倍であった。20歳代が全体の約6割を占めた。(男性11人・女性12人)
- 性器ヘルペスウイルス感染症:報告数6人(0.46)で、前月の1.2倍、昨年4月の約0.5倍であった(男性1人・女性5人)
- 尖圭コンジローマ:報告数3人(0.23)で、前月及び昨年4月の1.5倍であった。(女性3人)
- 淋菌感染症:報告数5人(0.38)で、前月の約0.8倍、昨年4月の約0.7倍であった。(男性4人・女性1人)

【全国】
定点医療機関からの報告総数は4,548人(4.7)で、前月比101%とほぼ横ばいだった。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症2,443人(2.5)で前月比99%、性器ヘルペスウイルス感染症857人(0.88)で前月比107%、尖圭コンジローマ563人(0.58)で前月比114%、淋菌感染症685人(0.70)で前月比93%であった。
薬剤耐性菌
【宮崎県】 定点医療機関総数:7
定点医療機関からの報告総数は19人(2.7)で、前月比83%と減少した。また、昨年4月(2.3)の約1.2倍であった。
《疾患別》
- メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症:報告数19人(2.7)で、前月の約0.8倍、昨年4月の約1.2倍であった。70歳以上が全体の約8割を占めた。
- ペニシリン耐性肺炎球菌感染症:報告なし。
- 薬剤耐性緑膿菌感染症 :報告なし。
【全国】
定点医療機関からの報告総数は1,361人(2.9)で、前月比96%とほぼ横ばいであった。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,265人(2.7)で前月比94%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症93人(0.19)で前月比146%、薬剤耐性緑膿菌感染症3人(0.01)で前月比100%であった。
新型コロナウイルス感染症情報《県内第19週、全国第18週(再掲)》
県内第19週新型コロナウイルス感染症発生動向
5月6日〜5月12日までの1週間で115人(2.0)の報告があった。前週比124%と増加し、中央(4.0)、延岡(3.9)、日向(2.7)保健所管内からの報告が多かった。

全国第18週新型コロナウイルス感染症発生動向
4月29日〜5月5日までの1週間で11,086人(2.3)の報告があった。前週比70%と減少し、沖縄県(9.8)、青森県(5.7)、秋田県(4.9)からの報告が多かった。年齢群別では15歳未満が全体の約2割を占めた。
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