
宮崎県感染症発生動向調査2024年第28号
第26巻第28号 [宮崎県第28週 (7/8〜7/14) 全国第27週(7/1〜7/7)]
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県薬務感染症対策課
宮崎県衛生環境研究所
令和6年第28週の発生動向
全数報告の感染症(28週までに新たに届出のあったもの)
- 1類感染症:報告なし。
- 2類感染症:結核2例。
- 3類感染症:報告なし。
- 4類感染症:レジオネラ症2例。
- 5類感染症:侵襲性肺炎球菌感染症2例、梅毒3例。

全数把握対象疾患累積報告数(2024年 第1週〜第28週 保健所受理分)

( )内は今週届出分、再掲
定点把握の対象となる5類感染症
・定点医療機関からの報告総数は2,595人(定点当たり54.8)で、前週比122%と増加した。なお、前週に比べ増加した主な疾患は新型コロナウイルス感染症、RSウイルス感染症及びヘルパンギーナで、減少した疾患はA群溶血性レンサ球菌咽頭炎、感染性胃腸炎及び手足口病であった。
インフルエンザ・小児科定点からの報告
【新型コロナウイルス感染症】
報告数は1,702人(29.3)で、前週比149%と増加した。延岡(43.3)、高千穂(33.5)、高鍋(32.8)保健所からの報告が多く、年齢群別は15歳未満が全体の約4割を占めた。
【RSウイルス感染症】
報告数は254人(7.1)で、前週比105%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(1.4)の約5.2倍であった。宮崎市(12.6)、中央(11.0)、日南(7.0)保健所からの報告が多く、年齢群別は6ヵ月から3歳が全体の約8割を占めた。
【手足口病】
報告数は153人(4.3)で、前週比90%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(1.4)の約3倍であった。都城(6.8)、延岡(5.0)、小林(5.0)、日向(4.8)保健所からの報告が多く、年齢群別は6ヵ月から3歳が全体の約8割を占めた。
*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均

基幹定点からの報告
○マイコプラズマ肺炎:日向(2例)、高鍋(1例)保健所から報告があった。年齢は、5〜9歳が2例で、0〜4歳が1例であった。
保健所別 流行警報・注意報レベル基準値以上の疾患
新型コロナウイルスゲノム解析結果情報(衛生環境研究所微生物部)

○第27-28週で全てがKP.3系統で、そのうちKP.3.3が約67%を占めている。
※KP系統はJN.1.11.1の子孫株で、現在、日本、欧米で流行している。
ゲノム解析は概ね前週の検体を用いて実施している。なお、解析検体数が多くない場合は割合の変動が大きくなる。
衛生環境研究所においては、県内医療機関の協力のもと、新型コロナウイルスのPCR陽性となった検体を毎週収集し、ゲノム解析を実施している。
全国2024年第27週の発生動向
全数報告の感染症
定点把握の対象となる5類感染症
定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比120%と増加した。なお、前週と比較して増加した主な疾患は新型コロナウイルス感染症、RSウイルス感染症、手足口病及びヘルパンギーナで、減少した主な疾患は咽頭結膜熱とA群溶血性レンサ球菌咽頭炎であった。
新型コロナウイルス感染症の報告数は39,874人(8.1)で前週比139%と増加した。沖縄県(29.9)、鹿児島県(23.1)、宮崎県(19.7)からの報告が多く、年齢群別では15歳未満が全体の約2割を占めた。
RSウイルス感染症の報告数は5,044人(1.6)で前週比118%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(2.1)の約0.8倍であった。宮崎県(6.7)、佐賀県(5.5)、長崎県(4.7)、愛媛県(4.7)からの報告が多く、年齢群別では6ヵ月から2歳が全体の約7割を占めた。
手足口病の報告数は35,960人(11.5)で前週比136%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(2.5)の約4.6倍であった。三重県(26.0)、埼玉県(18.8)、富山県(18.8)、広島県(17.0)からの報告が多く、年齢群別では1歳から4歳が全体の約8割を占めた。
* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15 週)の平均値
月報告対象疾患の発生動向 <2024年6月>
性感染症
【宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は40人(3.1)で、前月比114%と増加した。また、昨年6月(3.4)の約0.9倍であった。
《疾患別》
- 性器クラミジア感染症:報告数22人(1.7)で、前月と同程度、昨年6月の約0.9倍であった。20歳代が全体の約7割を占めた。(男性6人・女性16人)
- 性器ヘルペスウイルス感染症:報告数8人(0.62)で、前月の約2.7倍、昨年6月の約1.3倍であった。(女性8人)
- 尖圭コンジローマ:報告数4人(0.31)で、前月と同率、昨年6月の約0.6倍であった。(女性4人)
- 淋菌感染症:報告数6人(0.46)で、前月の1.2倍、昨年6月と同率であった。(男性3人・女性3人)

【全国】
定点医療機関からの報告総数は4,689人(4.8)で、前月比99%とほぼ横ばいであった。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症2,526人(2.6)で前月比100%、性器ヘルペスウイルス感染症896人(0.91)で前月比106%、尖圭コンジローマ550人(0.56)で前月比90%、淋菌感染症717人(0.73)で前月比96%であった。
薬剤耐性菌
【宮崎県】 定点医療機関総数:7
定点医療機関からの報告総数は25人(3.6)で、前月比147%と増加した。また、昨年6月(2.4)の約1.5倍であった。
《疾患別》
- メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症:報告数25人(3.6)で、前月の約1.6倍、昨年6月の1.5倍であった。70歳以上が全体の約8割を占めた。
- ペニシリン耐性肺炎球菌感染症:報告なし。
- 薬剤耐性緑膿菌感染症 :報告なし。
【全国】
定点医療機関からの報告総数は1,301人(2.7)で、前月比94%と減少した。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,216人(2.5)で前月比96%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症79人(0.16)で前月比80%、薬剤耐性緑膿菌感染症6人(0.01)で前月比50%であった。
新型コロナウイルス感染症情報《県内第28週、全国第27週(再掲)》
県内第28週新型コロナウイルス感染症発生動向
7月8日〜7月14日までの1週間で1,702人(29.3)の報告があった。前週比149%と増加し、延岡(43.3)、高千穂(33.5)、高鍋(32.8)保健所管内からの報告が多かった。

全国第27週新型コロナウイルス感染症発生動向
7月1日〜7月7日までの1週間で39,874人(8.1)の報告があった。前週比139%と増加し、沖縄県(29.9)、鹿児島県(23.1)、宮崎県(19.7)からの報告が多く、年齢群別では15歳未満が全体の約2割を占めた。
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