
宮崎県感染症発生動向調査2024年第32号
第26巻第32号 [宮崎県第32週 (8/5〜8/11) 全国第31週(7/29〜8/4)]
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県薬務感染症対策課
宮崎県衛生環境研究所
令和6年第32週の発生動向
トピックス
- ヘルパンギーナ(定点把握対象疾患)
第32週(8/5〜8/11)の県内定点当たりの報告数が6.0となり、今年初めて流行警報レベル開始基準値(6)を超えた。定点当たりの報告数が流行警報レベル開始基準値(6)を超えるのは2023年第21週以来である。詳細後述。
全数報告の感染症(32週までに新たに届出のあったもの)
- 1類感染症:報告なし。
- 2類感染症:結核1例。
- 3類感染症:報告なし。
- 4類感染症:日本紅斑熱1例。
- 5類感染症:アメーバ赤痢1例、梅毒3例。

全数把握対象疾患累積報告数(2024年 第1週〜第32週 保健所受理分)

( )内は今週届出分、再掲
定点把握の対象となる5類感染症
・定点医療機関からの報告総数は1,448人(定点当たり33.3)で、前週比80%と減少した。なお、前週に比べ増加した主な疾患は、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、感染性胃腸炎及びヘルパンギーナで、減少した主な疾患は、新型コロナウイルス感染症、RSウイルス感染症であった。
インフルエンザ・小児科定点からの報告
【新型コロナウイルス感染症】
報告数は675人(11.6)で、前週比59%と減少した。高千穂(19.5)、延岡(18.1)、中央(16.5)保健所からの報告が多く、年齢群別は15歳未満が全体の約3割を占めた。
【RSウイルス感染症】
報告数は117人(3.3)で、前週比61%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(1.8)の約1.8倍であった。中央(10.0)、小林(5.0)、宮崎市(4.9)保健所からの報告が多く、年齢群別は6ヵ月から2歳が全体の約7割を占めた。
【ヘルパンギーナ】
報告数は216人(6.0)で、前週比126%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(1.3)の約4.8倍であった。日南(12.3)、宮崎市(9.4)、中央(6.0)保健所からの報告が多く、年齢群別は6ヵ月から5歳が全体の約9割を占めた。
*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均

基幹定点からの報告
○マイコプラズマ肺炎:高鍋保健所より1例報告があり、年齢は5〜9歳であった。
○感染性胃腸炎(ロタウイルス):宮崎市保健所より1例報告があり、年齢は5〜9歳で病原体の群別は不明であった。
保健所別 流行警報・注意報レベル基準値以上の疾患
新型コロナウイルスゲノム解析結果情報(衛生環境研究所微生物部)

○第32週は全てがKP.3系統で、そのうちKP.3.3系統が約71%を占めている。
※KP系統はJN.1.11.1の子孫株で、現在、日本、欧米で流行している。
ゲノム解析は概ね前週の検体を用いて実施している。なお、解析検体数が多くない場合は割合の変動が大きくなる。
衛生環境研究所においては、県内医療機関の協力のもと、新型コロナウイルスのPCR陽性となった検体を毎週収集し、ゲノム解析を実施している。
全国2024年第31週の発生動向
全数報告の感染症
定点把握の対象となる5類感染症
定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比89%と減少した。なお、前週と比較して増加した主な疾患は特になく、減少した主な疾患は新型コロナウイルス感染症、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、手足口病及びヘルパンギーナであった。
新型コロナウイルス感染症の報告数は65,699人(13.3)で前週比91%と減少した。佐賀県(27.8)、長崎県(21.3)、愛知県(20.1)からの報告が多く、年齢群別では15歳未満が全体の約2割を占めた。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告数は6,382人(2.0)で前週比90%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.8)の約2.7倍であった。鳥取県(5.3)、福岡県(4.7)、茨城県(4.2)からの報告が多く、年齢群別では4歳から7歳が全体の約半数を占めた。
手足口病の報告数は30,037人(9.6)で前週比80%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(3.0)の約3.2倍であった。長野県(20.9)、青森県(20.7)、滋賀県(17.3)、三重県(17.3)からの報告が多く、年齢群別では1歳から4歳が全体の約7割を占めた。
* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15 週)の平均値
月報告対象疾患の発生動向 <2024年7月>
性感染症
【宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は42人(3.2)で、前月比105%と増加した。また、昨年7月(2.6)の約1.2倍であった。
《疾患別》
- 性器クラミジア感染症:報告数22人(1.7)で、前月と同率、昨年7月の約0.9倍であった。20歳代が全体の約7割を占めた。(男性7人・女性15人)
- 性器ヘルペスウイルス感染症:報告数10人(0.77)で、前月の約1.3倍、昨年7月の約3.3倍であった。(男性1人・女性9人)
- 尖圭コンジローマ:報告数4人(0.31)で、前月と同率、昨年7月の4.0倍であった。(男性2人・女性2人)
- 淋菌感染症:報告数6人(0.46)で、前月及び昨年7月と同率であった。 (男性5人・女性1人)

【全国】
定点医療機関からの報告総数は4,871人(5.0)で、前月比104%とほぼ横ばいであった。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症2,674人(2.7)で前月比106%、性器ヘルペスウイルス感染症864人(0.88)で前月比97%、尖圭コンジローマ571人(0.58)で前月比104%、淋菌感染症762人(0.78)で前月比107%であった。
薬剤耐性菌
【宮崎県】 定点医療機関総数:7
定点医療機関からの報告総数は26人(3.7)で、前月比104%とほぼ横ばいであった。また、昨年7月(3.1)の約1.2倍であった。
《疾患別》
- メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症:報告数25人(3.6)で、前月と同率、昨年7月の約1.1倍であった。70歳以上が全体の6割を占めた。
- ペニシリン耐性肺炎球菌感染症:報告数1人(0.14)であった。(前月及び昨年7月報告なし)
- 薬剤耐性緑膿菌感染症 :報告なし。
【全国】
定点医療機関からの報告総数は1,455人(3.0)で、前月比112%と増加した。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,371人(2.9)で前月比113%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症76人(0.16)で前月比100%、薬剤耐性緑膿菌感染症8人(0.02)で前月比200%であった。
新型コロナウイルス感染症情報《県内第32週、全国第31週(再掲)》
県内第32週新型コロナウイルス感染症発生動向
8月5日〜8月11日までの1週間で675人(11.6)の報告があった。前週比59%と減少し、高千穂(19.5)、延岡(18.1)、中央(16.5)保健所管内からの報告が多かった。

全国第31週 新型コロナウイルス感染症発生動向
7月29日〜8月4日までの1週間で65,699人(13.3)の報告があった。前週比91%と減少し、佐賀県(27.8)、長崎県(21.3)、愛知県(20.1)からの報告が多く、年齢群別では15歳未満が全体の約2割を占めた。
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