
宮崎県感染症発生動向調査2024年第35号
第26巻第35号 [宮崎県第35週 (8/26〜9/1) 全国第34週(8/19〜8/25)]
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県薬務感染症対策課
宮崎県衛生環境研究所
令和6年第35週の発生動向
トピックス
- 梅毒(全数報告の感染症)
35週までの診断週による累計報告数が105例となった。2022年以降3年連続で100例を超え、報告数が多い状況が続いている。0歳から80歳代までの幅広い年齢層から報告があがっている。
性別は男性が50例、女性が55例で、年齢群別では、20歳代から30歳代が全体の約6割を占めている。また、保健所別では宮崎市保健所管内からの報告が最も多く、64例となっている。

全数報告の感染症(35週までに新たに届出のあったもの)
- 1類感染症:報告なし。
- 2類感染症:結核1例。
- 3類感染症:腸管出血性大腸菌感染症2例。
- 4類感染症:日本紅斑熱2例。
- 5類感染症:侵襲性肺炎球菌感染症2例、梅毒7例、百日咳1例。

全数把握対象疾患累積報告数(2024年 第1週〜第35週 保健所受理分)

( )内は今週届出分、再掲
定点把握の対象となる5類感染症
・定点医療機関からの報告総数は890人(定点当たり22.1)で、前週比104%とほぼ横ばいであった。なお、前週に比べ増加した主な疾患はRSウイルス感染症、手足口病及びヘルパンギーナで、減少した主な疾患は新型コロナウイルス感染症、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎であった。
インフルエンザ・小児科定点からの報告
【新型コロナウイルス感染症】
報告数は284人(4.9)で、前週比80%と減少した。高千穂(8.0)、延岡(7.0)、都城(6.3)、小林(6.3)保健所からの報告が多く、年齢群別は15歳未満が全体の約2割を占めた。
【A群溶血性レンサ球菌咽頭炎】
報告数は88人(2.4)で、前週比90%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(1.3)の約1.9倍であった。日南(5.3)、延岡(4.8)、宮崎市(3.3)保健所からの報告が多く、年齢群別は3歳から6歳が全体の約半数を占めた。
【ヘルパンギーナ】
報告数は186人(5.2)で、前週比152%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(1.5)の約3.4倍であった。日南(10.7)、宮崎市(7.7)、中央(7.0)保健所からの報告が多く、年齢群別は1歳から4歳が全体の約7割を占めた。
*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均

基幹定点からの報告
○マイコプラズマ肺炎:宮崎市(1例)、延岡(2例)保健所から報告があった。年齢は5〜9歳が2例、10〜14歳が1例であった。
保健所別 流行警報・注意報レベル基準値以上の疾患
病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 令和6年9月2日までに検出)
細菌

○50代後半の男性からSalmonella enterica subsp.entericaが分離された。サルモネラ属菌は、哺乳類・爬虫類・両生類・川及び食品に広く分布し、S.entericaとS.bongoriの2菌種に分けられる。S.entericaはさらに、enterica、salamae、arizonae、diarizonae、houtenae、indicaの6亜種が存在する。このうち、感染症や食中毒として重要となるのはSalmonella enterica subsp. entericaであり、毎年多数の血清型が報告されている。血清型不明の場合には、疫学情報等も考慮し、生化学試験等を追加して菌種を同定していく必要がある。
ウイルス

○急性気管支炎の症状を呈する小児の患者1名からRespiratory syncytial virus(RSウイルス)が検出された。RSウイルス感染症は乳幼児の代表的な呼吸器疾患であり、2歳までにほぼ全ての乳幼児が感染するとされている。家族内にハイリスク者(乳幼児や慢性呼吸器疾患等の基礎疾患を有する高齢者)が存在する場合、罹患により重症となる可能性があるため、マスク着用や手洗いや手指衛生といった基本的な対策を徹底することが重要である。
全国2024年第34週の発生動向
全数報告の感染症
定点把握の対象となる5類感染症
定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比114%と増加した。なお、前週と比較して増加した主な疾患はA群溶血性レンサ球菌咽頭炎、感染性胃腸炎及び手足口病で、減少した主な疾患はRSウイルス感染症であった。
新型コロナウイルス感染症の報告数は43,267人(8.8)で前週比104%とほぼ横ばいであった。青森県(17.9)、岩手県(15.9)、秋田県(14.4)からの報告が多く、年齢群別では15歳未満が全体の約2割を占めた。
手足口病の報告数は13,236人(4.2)で前週比110%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(1.6)の約2.7倍であった。山形県(8.4)、宮城県(7.6)、滋賀県(7.1)からの報告が多く、年齢群別では1歳から4歳が全体の約7割を占めた。
* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15 週)の平均値
新型コロナウイルス感染症情報《県内第35週、全国第34週(再掲)》
県内第35週新型コロナウイルス感染症発生動向
8月26日〜9月1日までの1週間で284人(4.9)の報告があった。前週比80%と減少し、高千穂(8.0)、延岡(7.0)、都城(6.3)、小林(6.3)保健所管内からの報告が多かった。

全国第34週 新型コロナウイルス感染症発生動向
8月19日〜8月25日までの1週間で43,267人(8.8)の報告があった。前週比104%とほぼ横ばいで、青森県(17.9)、岩手県(15.9)、秋田県(14.4)からの報告が多く、年齢群別では15歳未満が全体の約2割を占めた。
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