
宮崎県感染症発生動向調査2024年第43号
第26巻第43号 [宮崎県第43週(10/21〜10/27) 全国第42週(10/14〜10/20)]
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県薬務感染症対策課
宮崎県衛生環境研究所
令和6年第43週の発生動向
トピックス
- マイコプラズマ肺炎(定点把握対象の疾患)
定点当たり報告数が2016年に次いで多い状況である。年齢別では、5〜9歳が全体の約半数、15歳未満が全体の約9割を占めている。
また、全国では第42週の定点あたり報告数(2.0)が、1999年の感染症発生動向調査開始以降、最多となっている。
全数報告の感染症(43週までに新たに届出のあったもの)
- 1類感染症:報告なし。
- 2類感染症:結核3例。
- 3類感染症:腸管出血性大腸菌感染症3例。
- 4類感染症:レジオネラ症3例。
- 5類感染症:劇症型溶血性レンサ球菌感染症2例、侵襲性肺炎球菌感染症1例、梅毒4例、百日咳1例。

全数把握対象疾患累積報告数(2024年 第1週〜第43週 保健所受理分)

( )内は今週届出分、再掲
定点把握の対象となる5類感染症
・定点医療機関からの報告総数は955人(定点当たり28.1)で、前週比116%と増加した。なお、前週に比べ増加した主な疾患は感染性胃腸炎、手足口病で、減少した主な疾患はインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症であった。
インフルエンザ・小児科定点からの報告
【新型コロナウイルス感染症】
報告数は36人(0.6)で、前週比64%と減少した。延岡(1.7)、日向(1.0)、中央(1.0)保健所からの報告が多く、年齢群別は15歳未満が全体の約3割を占めた。
【感染性胃腸炎】
報告数は207人(5.8)で、前週比144%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(4.1)の約1.4倍であった。日南(12.3)、中央(10.0)、宮崎市(6.7)保健所からの報告が多く、年齢群別は1歳から5歳が全体の約半数を占めた。
【手足口病】
報告数は510人(14.2)で、前週比112%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(2.6)の約5.4倍であった。宮崎市(22.3)、日向(16.8)、延岡(16.3)保健所からの報告が多く、年齢群別は1歳から5歳が全体の約7割を占めた。
*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均

基幹定点からの報告
○マイコプラズマ肺炎:日向(6例)、宮崎市(4例)、延岡(2例)保健所から報告があった。年齢は10〜14歳が5例、5〜9歳が4例、0〜4歳が3例であった。
保健所別 流行警報・注意報レベル基準値以上の疾患
病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 令和6年10月28日までに検出)
細菌
ウイルス

○麻疹疑いの患者1名から、Human herpes virus 6(HHV-6)が検出された。HHV-6はHuman herpes virus 7(HHV-7)とともに、突発性発疹と診断された患者から検出されることが多い病原体である。一度、HHV-6やHHV-7に感染した者の唾液中にはウイルスが持続的に排出されるため、唾液や咽頭スワブから、これらのウイルス遺伝子が検出されても、それをもって突発性発疹と診断することはできないため、注意が必要である。
新型コロナウイルスゲノム解析結果情報(衛生環境研究所微生物部)

○第39-42週はKP.3.1.1が約67%、KP.3.3が約33%を占めている。
※KP系統はJN.1.11.1の子孫株で、現在、日本、欧米で流行している。
ゲノム解析は概ね前週の検体を用いて実施している。なお、解析検体数が多くない場合は割合の変動が大きくなる。
衛生環境研究所においては、県内医療機関の協力のもと、新型コロナウイルスのPCR陽性となった検体を毎週収集し、ゲノム解析を実施している。
全国2024年第42週の発生動向
全数報告の感染症
定点把握の対象となる5類感染症
定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比87%と減少した。なお、前週と比較して増加した主な疾患は伝染性紅斑で、減少した主な疾患はインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症、感染性胃腸炎及び手足口病であった。
新型コロナウイルス感染症の報告数は9,165人(1.9)で前週比78%と減少した。岩手県(4.1)、北海道(3.8)、山梨県(3.1)からの報告が多く、年齢群別では15歳未満が全体の約2割を占めた。
手足口病の報告数は29,416人(9.4)で前週比87%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(1.1)の約8.6倍であった。山形県(26.9)、宮城県(21.4)、福島県(20.6)からの報告が多く、年齢群別では1歳から5歳が全体の約7割を占めた。
* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15 週)の平均値
新型コロナウイルス感染症情報《県内第43週、全国第42週(再掲)》
県内第43週新型コロナウイルス感染症発生動向
10月21日〜10月27日までの1週間で36人(0.6)の報告があり、前週比64%と減少した。延岡(1.7)、日向(1.0)、中央(1.0)保健所管内からの報告が多かった。

全国第42週 新型コロナウイルス感染症発生動向
10月14日〜10月20日までの1週間で9,165人(1.9)の報告があり、前週比78%と減少した。岩手県(4.1)、北海道(3.8)、山梨県(3.1)からの報告が多く、年齢群別では15歳未満が全体の約2割を占めた。
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