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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2024年第45号

第26巻第45号 [宮崎県第45週(11/4〜11/10) 全国第44週(10/28〜11/3)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県薬務感染症対策課
宮崎県衛生環境研究所

令和6年第45週の発生動向

全数報告の感染症(45週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核3例。
  • 3類感染症:報告なし。
  • 4類感染症:日本紅斑熱1例、レジオネラ症1例。
  • 5類感染症:梅毒2例、百日咳1例。

全数把握対象疾患累積報告数(2024年 第1週〜第45週 保健所受理分)

(   )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

・定点医療機関からの報告総数は1,001人(定点当たり29.3)で、前週比92%と減少した。なお、前週に比べ増加した主な疾患はインフルエンザで、減少した主な疾患はA群溶血性レンサ球菌咽頭炎、手足口病であった。

インフルエンザ・小児科定点からの報告
【インフルエンザ】

報告数は86人(1.5)で、前週比187%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(3.5)の約0.4倍であった。中央(9.5)、都城(3.2)、小林(3.0)保健所からの報告が多く、年齢群別は15歳未満が全体の約8割を占めた。

【新型コロナウイルス感染症】

報告数は42人(0.7)で、前週比100%と横ばいであった。高千穂(2.0)、延岡(1.9)、小林(1.3)保健所からの報告が多く、年齢群別は15歳未満が全体の約3割を占めた。

【感染性胃腸炎】

報告数は193人(5.4)で、前週比96%とほぼ横ばいであった。例年同時期の定点当たり平均値*(4.4)の約1.2倍であった。日南(11.3)、中央(9.0)、宮崎市(6.6)保健所からの報告が多く、年齢群別は1歳から3歳が全体の約4割を占めた。

【手足口病】

報告数は522人(14.5)で、前週比79%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(2.4)の約6倍であった。小林(29.7)、日向(19.3)、宮崎市(15.6)保健所からの報告が多く、年齢群別は1歳から5歳が全体の約8割を占めた。

*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均

基幹定点からの報告

○マイコプラズマ肺炎:報告数は17例(定点当たり2.4)で、前週比3.4倍と増加した。日向(8例)、延岡(5例)、宮崎市(3例)、都城(1例)保健所から報告があった。年齢は5〜9歳が6例、10〜14歳が6例、0〜4歳が3例、30歳代が2例であった。

保健所別 流行警報・注意報レベル基準値以上の疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 令和6年11月11日までに検出)

細菌

○30代、50代の男性から、腸管出血性大腸菌(EHEC)が検出された。EHEC感染症はVero毒素(VT)を産生、またはVT遺伝子を保有するEHECの感染によって起こり、主な症状は腹痛、下痢および血便である。嘔吐や38℃台の発熱をともなうこともある。VT等の作用により血小板減少、溶血性貧血、急性腎障害を来して溶血性尿毒症症候群(HUS)を引き起こし、脳症などを併発して死に至ることがある(IASR Vol.44 No.5(2023.5))。EHEC感染症は夏季に増加する傾向にあるが、例年秋から冬にかけても発生しており、今後も注意が必要である。

ウイルス

○インフルエンザと診断された患者2名からInfluenza virus A H1pdm09が分離・検出された。2024/2025シーズンの当所におけるインフルエンザウイルスの分離・検出の報告は今回が初である。なお、2024年第41週に定点あたりの報告数が1を超え流行シーズンに入っている。

全国2024年第44週の発生動向

全数報告の感染症

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比99%とほぼ横ばいであった。なお、前週と比較して増加した主な疾患はインフルエンザ、感染性胃腸炎で、減少した主な疾患は新型コロナウイルス感染症であった。

インフルエンザの報告数は5,127人(1.0)で前週比120%と増加した。今回は、定点当たり報告数が流行開始の目安である1.0を上回り、流行シーズンに入った。例年同時期の定点当たり平均値*(4.1)の約0.3倍であった。沖縄県(10.6)、静岡県(2.1)、千葉県(2.0)からの報告が多く、年齢群別では15歳未満が全体の約6割を占めた。

手足口病の報告数は24,094人(7.7)で前週比96%とほぼ横ばいであった。例年同時期の定点当たり平均値*(0.9)の約8.5倍であった。愛媛県(18.6)、宮崎県(18.3)、岩手県(17.8)からの報告が多く、年齢群別では1歳から5歳が全体の約7割を占めた。

マイコプラズマ肺炎の報告数は1,183人(2.5)で前週比99%とほぼ横ばいであった。青森県(5.7)、埼玉県(5.3)、岐阜県(4.6)からの報告が多く、本県の定点当たりの報告数は0.7であった。全国の年齢群別では15歳未満が全体の約8割を占めた。

* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15 週)の平均値

月報告対象疾患の発生動向 <2024年10月>

性感染症

【宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は51人(3.9)で、前月比93%と減少した。また、昨年10月(3.5)の約1.1倍であった。

《疾患別》

  • 性器クラミジア感染症:報告数27人(2.1)で、前月の約0.8倍、昨年10月の約1.1倍であった。20歳代が全体の約7割を占めた。(男性12人・女性15人)
  • 性器ヘルペスウイルス感染症:報告数9人(0.69)で、前月の約0.8倍、昨年10月の約1.1倍であった。(男性2人・女性7人)
  • 尖圭コンジローマ:報告数6人(0.46)で、前月の3倍、昨年10月の2倍であった。(男性1人・女性5人)
  • 淋菌感染症:報告数9人(0.69)で、前月の約1.3倍、昨年10月の0.9倍であった。(男性6人・女性3人)

【全国】
定点医療機関からの報告総数は4,856人(5.0)で、前月比105%と増加した。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症2,678人(2.7)で前月比104%、性器ヘルペスウイルス感染症879人(0.90)で前月比106%、尖圭コンジローマ569人(0.58)で前月比109%、淋菌感染症730人(0.75)で前月比103%であった。

薬剤耐性菌

【宮崎県】 定点医療機関総数:7
定点医療機関からの報告総数は15人(2.1)で、前月比46%と減少した。また、昨年10月(1.7)の約1.3倍であった。

《疾患別》

  • メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症:報告数15人(2.1)で、前月の0.5倍及び昨年10月の約1.3倍であった。70歳以上が全体の約半数を占めた。
  • ペニシリン耐性肺炎球菌感染症:報告なし。
  • 薬剤耐性緑膿菌感染症 :報告なし。

【全国】
定点医療機関からの報告総数は1,398人(2.9)で、前月比109%と増加した。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,326人(2.8)で前月比108%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症66人(0.14)で前月比156%、薬剤耐性緑膿菌感染症6人(0.01)で前月比100%であった。

新型コロナウイルス感染症情報《県内第45週、全国第44週(再掲)》

県内第45週新型コロナウイルス感染症発生動向

11月4日〜11月10日までの1週間で42人(0.7)の報告があり、前週比100%と横ばいであった。高千穂(2.0)、延岡(1.9)、小林(1.3)保健所管内からの報告が多かった。

全国第44週 新型コロナウイルス感染症発生動向

10月28日〜11月3日までの1週間で7,752人(1.6)の報告があり、前週比93%と減少した。秋田県(3.6)、北海道(3.3)、岩手県(3.0)からの報告が多く、年齢群別では15歳未満が全体の約2割を占めた。

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