
宮崎県感染症発生動向調査2024年第49号
第26巻第49号 [宮崎県第49週(12/2〜12/8) 全国第48週(11/25〜12/1)]
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県薬務感染症対策課
宮崎県衛生環境研究所
令和6年第49週の発生動向
トピックス
- 梅毒(全数報告の感染症)
49週までの診断週による累計報告数が152例となった。0歳から90歳代までの幅広い年齢層から報告があがっている。
性別は男性が73例、女性が79例で、年齢群別では、20歳代から30歳代が全体の約6割を占めている。また、保健所別では宮崎市保健所管内からの報告が最も多く、89例となっている。

全数報告の感染症(49週までに新たに届出のあったもの)
- 1類感染症:報告なし。
- 2類感染症:結核1例。
- 3類感染症:腸管出血性大腸菌感染症1例。
- 4類感染症:つつが虫病3例、日本紅斑熱1例。
- 5類感染症:梅毒8例、播種性クリプトコックス症1例。

全数把握対象疾患累積報告数(2024年 第1週〜第49週 保健所受理分)

( )内は今週届出分、再掲
定点把握の対象となる5類感染症
・定点医療機関からの報告総数は1,144人(定点当たり28.9)で、前週比108%と増加した。なお、前週に比べ増加した主な疾患はインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症、感染性胃腸炎で、減少した主な疾患はA群溶血性レンサ球菌咽頭炎、手足口病であった。
インフルエンザ・小児科定点からの報告
【インフルエンザ】
報告数は412人(7.1)で、前週比165%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(3.8)の約1.9倍であった。高鍋(15.5)、中央(15.5)、延岡(9.7)保健所からの報告が多く、年齢群別は15歳未満が全体の約7割を占めた。
【新型コロナウイルス感染症】
報告数は112人(1.9)で、前週比165%と増加した。日向(3.0)、小林(2.8)、延岡(2.6)保健所からの報告が多く、年齢群別は60歳以上が全体の約3割を占めた。
【感染性胃腸炎】
報告数は290人(8.1)で、前週比127%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(13.7)の約0.6倍であった。中央(25.0)、小林(16.0)、宮崎市(10.8)保健所からの報告が多く、年齢群別は1歳から6歳が全体の約7割を占めた。
*新型コロナウイルス感染症流行前5年間(2015−2019)の
当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告
○マイコプラズマ肺炎:報告数は19例(定点当たり2.7)で、前週比約1.2倍と増加した。日向(9例)、宮崎市(4例)、高鍋(4例)、延岡(2例)保健所から報告があった。年齢は5〜9歳が10例、10〜14歳が6例、0〜4歳が2例、50歳代が1例であった。
保健所別 流行警報・注意報レベル基準値以上の疾患
病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 令和6年12月9日までに検出)
細菌
ウイルス

○急性気管支炎と診断された患者からParvovirus B19が検出された。Parvovirus B19は伝染性紅斑の原因病原体である。典型例では両頬に蝶形紅斑が出現することが特徴的で、リンゴのように赤くなることから「リンゴ(ほっぺ)病」と呼ばれることもある。成人では多彩な症状を呈すことから、他の疾患との臨床鑑別診断が難しい。また、本疾患の約4分の1は不顕性感染である。基本的には予後良好であるが、妊婦が感染すると、ウイルスが胎児に垂直感染し、流産や死産、胎児水腫を起こすことがある。
全国2024年第48週の発生動向
全数報告の感染症
定点把握の対象となる5類感染症
定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比124%と増加した。なお、前週と比較して増加した主な疾患はインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎及び感染性胃腸炎で、減少した主な疾患は手足口病であった。
インフルエンザの報告数は24,027人(4.9)で前週比206%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(2.5)の約1.9倍であった。福岡県(11.4)、長野県(9.1)、千葉県(8.2)からの報告が多く、年齢群別では15歳未満が全体の約6割を占めた。
新型コロナウイルス感染症の報告数は11,945人(2.4)で前週比134%と増加した。秋田県(9.5)、岩手県(8.2)、北海道(7.6)からの報告が多く、年齢群別では60歳以上が全体の約4割を占めた。
マイコプラズマ肺炎の報告数は1,090人(2.3)で前週比88%と減少した。福井県(7.0)、青森県(4.7)、岡山県(4.6)からの報告が多く、本県の定点当たりの報告数は2.3であった。全国の年齢群別では15歳未満が全体の約8割を占めた。
* 新型コロナウイルス感染症流行前5年間(2015−2019)の
当該週、前週、後週(計15週)の平均値
新型コロナウイルス感染症情報《県内第49週、全国第48週(再掲)》
県内第49週新型コロナウイルス感染症発生動向
12月2日〜12月8日までの1週間で112人(1.9)の報告があり、前週比165%と増加した。日向(3.0)、小林(2.8)、延岡(2.6)保健所管内からの報告が多かった。

全国第48週 新型コロナウイルス感染症発生動向
11月25日〜12月1日までの1週間11,945人(2.4)の報告があり、前週比134%と増加した。秋田県(9.5)、岩手県(8.2)、北海道(7.6)からの報告が多く、年齢群別では60歳以上が全体の約4割を占めた。
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