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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2024年第51号

第26巻第51号 [宮崎県第51週(12/16〜12/22) 全国第50週(12/9〜12/15)]
※次回の感染症週報は、年末年始のため1月9日発出となります。

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県薬務感染症対策課
宮崎県衛生環境研究所

令和6年第51週の発生動向

トピックス
  • インフルエンザ(定点把握対象の疾患)
    インフルエンザの報告数が前週の約3.1倍、2,937人(定点当たり報告数50.6)で、今シーズン初めて流行警報レベル開始基準値(30)を超えた。県内全ての保健所管内で、流行警報レベル開始基準値(30)又は流行注意報レベル基準値(10)を超えている。詳細後述。
全数報告の感染症(51週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核1例。
  • 3類感染症:腸管出血性大腸菌感染症1例。
  • 4類感染症:つつが虫病7例、レジオネラ症1例。
  • 5類感染症:アメーバ赤痢1例、劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例、梅毒4例。

全数把握対象疾患累積報告数(2024年 第1週〜第51週 保健所受理分)

(   )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

・定点医療機関からの報告総数は3,721人(定点当たり72.1)で、前週比197%と増加した。なお、前週に比べ増加した主な疾患はインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症で、減少した主な疾患は感染性胃腸炎であった。

インフルエンザ・小児科定点からの報告
【インフルエンザ】

報告数は2,937人(50.6)で、前週比307%と大幅に増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(11.1)の約4.6倍であった。中央(83.0)、延岡(71.6)、高鍋(61.0)保健所からの報告が多く、年齢群別は15歳未満が全体の約7割を占めた。

【新型コロナウイルス感染症】

報告数は225人(3.9)で、前週比208%と増加した。延岡(10.0)、中央(6.0)、日向(4.3)保健所からの報告が多く、年齢群別は60歳以上が全体の約4割を占めた。

【感染性胃腸炎】

報告数は268人(7.4)で、前週比90%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(14.0)の約半数であった。中央(15.0)、高鍋(12.0)、小林(11.7)保健所からの報告が多く、年齢群別は1歳から6歳が全体の約6割を占めた。

*新型コロナウイルス感染症流行前5年間(2015−2019)の
当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告

○マイコプラズマ肺炎:報告数は15例(定点当たり2.1)で、前週比約1.1倍と増加した。日向(6例)、宮崎市(5例)、延岡(2例)、高鍋(2例)保健所から報告があった。年齢は5〜9歳が6例、10〜14歳が5例、0〜4歳が3例、30歳代が1例であった。

保健所別 流行警報・注意報レベル基準値以上の疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 令和6年12月23日までに検出)

細菌

○保育施設において腸管出血性大腸菌O111(VT1)の集団感染が発生した。腸管出血性大腸菌は経口感染し、少ない菌量でも家族や保育園等の集団で感染が広がることがあるため、食材の加熱、調理器具の消毒、手洗い等を徹底する必要がある。厚生労働省による「保育所における感染症対策ガイドライン」(2018年3月改訂(2023年5月一部改訂))では、おむつ交換について、@糞便処理の手順を職員間で徹底する。Aおむつ交換は、手洗い場があり食事をする場所等と交差しない一定の場所で実施する。Bおむつの排便処理の際には、使い捨て手袋を着用する。C下痢便時には、周囲への汚染を避けるため、使い捨てのおむつ交換シート等を敷いて、おむつ交換をする。Dおむつ交換後、特に便処理後は、石けんを用いて流水でしっかりと手洗いを行う。E交換後のおむつは、ビニール袋に密閉した後に蓋つき容器等に保管する。F交換後のおむつの保管場所について消毒を行う。などのことが推奨されている。

ウイルス


新型コロナウイルスゲノム解析結果情報(衛生環境研究所微生物部)

○第46-51週はXECが約67%、KP.3.1.1が約17%、KP.3.3.3が約17%を占めている。

※XECはKS.1.1とKP.3.3の組み換え株で、現在、日本、欧米で流行している。
ゲノム解析は概ね前週の検体を用いて実施している。なお、解析検体数が多くない場合は割合の変動が大きくなる。
衛生環境研究所においては、県内医療機関の協力のもと、新型コロナウイルスのPCR陽性となった検体を毎週収集し、ゲノム解析を実施している。

全国2024年第50週の発生動向

全数報告の感染症

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比139%と増加した。なお、前週と比較して増加した主な疾患はインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症、感染性胃腸炎で、減少した主な疾患は手足口病であった。

インフルエンザの報告数は94,259人(19.1)で前週比211%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(6.8)の約2.8倍であった。大分県(37.2)、福岡県(35.4)、鹿児島県(29.0)からの報告が多く、年齢群別では15歳未満が全体の約6割を占めた。

新型コロナウイルス感染症の報告数は19,233人(3.9)で前週比127%と増加した。北海道(11.9)、岩手県(10.5)、秋田県(9.3)からの報告が多く、年齢群別では60歳以上が全体の約4割を占めた。

マイコプラズマ肺炎の報告数は869人(1.8)で前週比79%と減少した。愛知県(4.0)、青森県(3.3)、福岡県(2.9)、埼玉県(2.9)からの報告が多く、本県の定点当たりの報告数は2.0であった。全国の年齢群別では15歳未満が全体の約8割を占めた。

* 新型コロナウイルス感染症流行前5年間(2015−2019)の
当該週、前週、後週(計15週)の平均値

インフルエンザ情報《県内第51週、全国第50週(再掲)》

県内第51週インフルエンザ発生動向

12月16日〜12月22日までの1週間で2,937人(50.6)の報告があった。前週比307%と大幅に増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(11.1)の約4.6倍であった。

*新型コロナウイルス感染症流行前5年間(2015−2019)の
当該週、前週、後週(計15週)の平均値

全国第50週インフルエンザ発生動向

12月9日〜12月15日までの1週間で94,259人(19.1)の報告があった。前週比211%と増加し、大分県(37.2)、福岡県(35.4)、鹿児島県(29.0)からの報告が多かった。年齢群別では5歳未満が全体の14%、5-9歳が27%、10-14歳が22%、15-19歳が8%、20-59歳が23%、60歳以上が6%であった。

新型コロナウイルス感染症情報《県内第51週、全国第50週(再掲)》

県内第51週新型コロナウイルス感染症発生動向

12月16日〜12月22日までの1週間で225人(3.9)の報告があり、前週比208%と増加した。延岡(10.0)、中央(6.0)、日向(4.3)保健所管内からの報告が多かった。

全国第50週 新型コロナウイルス感染症発生動向

12月9日〜12月15日までの1週間で19,233人(3.9)の報告があり、前週比127%と増加した。北海道(11.9)、岩手県(10.5)、秋田県(9.3)からの報告が多く、年齢群別では60歳以上が全体の約4割を占めた。

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