
宮崎県感染症発生動向調査2025年第10号
第27巻第10号 [宮崎県第10週(3/3〜3/9) 全国第9週(2/24〜3/2)]
※次回の感染症週報は、祝日の関係で3月19日(水)発出となります。
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県薬務感染症対策課
宮崎県衛生環境研究所
令和7年第10週の発生動向
トピックス
- 百日咳(2018年から全数把握対象疾患)
10週までの診断週による累計報告数が138例となった。今年に入り報告数が多い状況が続いており、年齢群別では、10歳代が全体の約7割を占めている。また、保健所別では都城保健所管内からの報告が最も多く、35例となっている。

全数報告の感染症(10週までに新たに届出のあったもの)
- 1類感染症:報告なし。
- 2類感染症:結核4例。
- 3類感染症:報告なし。
- 4類感染症:報告なし。
- 5類感染症:梅毒3例、百日咳30例。

全数把握対象疾患累積報告数(2025年 第1週〜第10週 保健所受理分)

( )内は今週届出分、再掲
定点把握の対象となる5類感染症
・定点医療機関からの報告総数は990人(定点当たり25.7)で、前週比106%と増加した。なお、前週に比べ増加した主な疾患はA群溶血性レンサ球菌咽頭炎、感染性胃腸炎で、減少した主な疾患は新型コロナウイルス感染症であった。
インフルエンザ・小児科定点からの報告
【新型コロナウイルス感染症】
報告数は171人(3.0)で、前週比88%と減少した。高千穂(6.0)、延岡(5.1)、中央(4.0)保健所からの報告が多く、年齢群別は60歳以上が全体の約4割、15歳未満が全体の約3割を占めた。
【感染性胃腸炎】
報告数は535人(14.9)で、前週比107%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(10.5)の約1.4倍であった。中央(20.0)、小林(19.7)、都城(18.5)保健所からの報告が多く、年齢群別は1歳から6歳が全体の約6割を占めた。
【A群溶血性レンサ球菌咽頭炎】
報告数は99人(2.8)で、前週比115%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(2.5)の1.1倍であった。中央(13.0)、日南(6.0)、高千穂(4.0)保健所からの報告が多く、年齢群別は3歳から9歳が全体の約7割を占めた。
*新型コロナウイルス感染症流行前5年間(2015−2019)の
当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告
○感染性胃腸炎(ロタウイルス):報告数は1例(定点当たり0.1)で、宮崎市保健所から報告があった。年齢は5〜9歳で、病原体の群別は不明であった。
保健所別 流行警報・注意報レベル基準値以上の疾患
新型コロナウイルスゲノム解析結果情報(衛生環境研究所微生物部)

○第7-9週は全てがXEC系統であった。
※XECはKS.1.1とKP.3.3の組換え株で、現在、日本、欧米で流行している。
ゲノム解析は概ね前週の検体を用いて実施している。なお、解析検体数が多くない場合は割合の変動が大きくなる。
衛生環境研究所においては、県内医療機関の協力のもと、新型コロナウイルスのPCR陽性となった検体を毎週収集し、ゲノム解析を実施している。
全国2025年第9週の発生動向
全数報告の感染症
定点把握の対象となる5類感染症
定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比92%と減少した。なお、前週と比較して増加した主な疾患はRSウイルス感染症で、減少した主な疾患はインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎であった。
新型コロナウイルス感染症の報告数は21,790人(4.4)で前週比89%と減少した。佐賀県(8.2)、愛知県(6.6)、長野県(6.6)からの報告が多く、年齢群別では60歳以上が全体の約3割、15歳未満が全体の約2割を占めた。
感染性胃腸炎の報告数は30,748人(9.8)で前週比95%とほぼ横ばいであった。例年同時期の定点当たり平均値*(6.1)の約1.6倍であった。大分県(23.2)、愛媛県(17.2)、熊本県(17.1)からの報告が多く、年齢群別では1歳から2歳が全体の約2割を占めた。
* 新型コロナウイルス感染症流行前5年間(2015−2019)の
当該週、前週、後週(計15週)の平均値
新型コロナウイルス感染症情報《県内第10週、全国第9週(再掲)》
県内第10週 新型コロナウイルス感染症発生動向
3月3日〜3月9日までの1週間で171人(3.0)の報告があり、前週比88%と減少した。高千穂(6.0)、延岡(5.1)、中央(4.0)保健所管内からの報告が多かった。

全国第9週 新型コロナウイルス感染症発生動向
2月24日〜3月2日までの1週間で21,790人(4.4)の報告があり、前週比89%と減少した。佐賀県(8.2)、愛知県(6.6)、長野県(6.6)からの報告が多く、年齢群別では60歳以上が全体の約3割、15歳未満が全体の約2割を占めた。
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